質問本文情報
平成九年四月十五日提出質問第一五号
柔道整復健康保険療養費支給申請書に関する質問主意書
提出者 冬柴鐵三
柔道整復健康保険療養費支給申請書に関する質問主意書
昨今の厚生行政を鑑みるに、国民生活全般の主要部分を直接的に預かる部署としては、到底考えられないような未曾有の不祥事が続発し、大いに国民の信頼を失墜させている。
その中にあって柔道整復師を取り巻く諸問題についても、国民の健康・福祉増進の観点から看過できない情況となっているが、とりわけ、柔道整復健康保険療養費支給申請書にかかる厚生省の保険発第八十三号(平成八年五月二十四日)の措置に対しては、多くの点で疑義を有する。
よって以下の質問をする。
二 保険発第八十三号(平成八年五月二十四日)は、行政指導の一環として行われたものか否か。また、行政指導であるならば、その具体的趣旨、理由は何か。
三 療養費支給申請書統一に関しては、医療保険審議会柔道整復等療養費部会の答申が出ているが、新様式はこのことを受けて規定されたものか。
また、そうであるならば答申(「柔道整復等の施術に係る保険給付について」)文中第1 ― 1 ― (3)「支給対象となる外傷性疾患について審査基準の統一を図る必要がある。」とあるが、このことは新様式で規定されているレイアウトの変更を認めない旨をも含むのか。
さらに同答申文中第3 ― 2 ― (2) ― @において「審査の適正化を確保するため(中略)所定の申請書による申請等審査基準を統一的に定め」とあるが、この文についても新様式で規定されているレイアウトの変更を認めない旨をも含むのか。
四 新様式による柔道整復健康保険療養費支給申請書は、逓減制導入により、繁雑化・複雑化したが、この取り組みは各自が自覚的にその考え方に立つ作成こそが肝要であると考える。したがって、申請書の統一を図ることの重要性と、例えば、円滑に運用されている協同組合日本接骨師会(厚生省収健政第一五四号の認可団体)の現行申請書(以下現行様式という)の有効性まで否定して新様式移行を強行することは別問題であると考える。
このことによる柔道整復師の負担増は無視できないものであり、患者に対する影響を免れかねない事態の惹起が容易に予想できます。
厚生省は、治療行為を阻害してまで、何故に請求者に多大な事務負担を負わせるのか。その意義を伺いたい。
五 前出、協同組合日本接骨師会は国家資格をもった会員の公的法人団体であると考えるがどうか。
六 現行様式と新様式を事務作業の能率性の観点より試験的に実験調査を行ったところ、明確に現行様式の作業能率性が優れていることが判明しているが、このことについての意見を伺いたい。
七 厚生省当局は、平成九年五月一日以降は、新様式以外は不可としているが事実か。また、協同組合日本接骨師会の現行療養費支給申請書が提出された場合、いかように取り扱う所存であるか。
八 本来、医療保険審議会柔道整復等療養費部会の答申の眼目は、柔道整復に関して適正な保険給付を図ることにあり、その観点から「傷病名表記の適正化」「算定項目欠落の是正」「算定項目評価の適正化」等こそ肝要である。
以上の事から抜本的な様式書の改正が必要になると思われるが予定はあるか。
さらにその前提に立った新様式用紙の使用実施についての猶予期間を設ける考えはあるか。
九 行政指導にせよ、他の行政措置にせよ、その改善にあたっては、国民の「治療」という健康増進への寄与を侵してまで優先することはあってはならないと考えるが、これについての所見を伺いたい。
右質問する。