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平成九年十月二十八日提出
質問第七号

日本赤十字社の血液凝固因子第九因子製剤の製造に関する質問主意書

提出者  山本孝史




日本赤十字社の血液凝固因子第九因子製剤の製造に関する質問主意書


 日本赤十字社(以下、日赤)は、献血を利用した血液凝固因子第九因子製剤(乾燥人血液凝固因子第九因子複合体。以下、第九因子製剤)の製造許可を得ているが、製造は行っていない。血漿分画製剤の国内自給という長年指摘されてきた重大な課題を達成するとの観点から、日赤の血漿分画製剤の製造とその意思決定の在り方に関し、以下質問する。

一 日赤が第九因子製剤の製造許可を取得した時期とその意図は何か。日赤と厚生省の認識を伺う。
二 第九因子製剤の製造許可を取得するとの意思決定は、日赤内部においてどのような検討を経て、いつどの機関で行われたのか。日赤の常任理事会または理事会は、その決定に関与しているのか。
三 日赤の第九因子製剤の製造許可取得に際し、厚生省はその意思決定にどの程度関与しているのか。日赤に対して製造の働きかけや指導などを行ったことがあるか。
四 日赤は、第九因子製剤の製造許可を取得したにもかかわらず、製造を行っていないのはなぜか。また、今後製造を行う予定はあるか。
五 第九因子製剤の製造許可を得たにもかかわらず製造はしない、という意思決定は、日赤内部においてどのような検討を経て、どのような機関でいつなされたのか。日赤の常任理事会または理事会は、その決定に関与しているのか。
六 献血に由来する血液製剤による国内自給達成は、わが国に課せられた長年の課題である。日赤の現在の血漿の分画工程では、第九因子は有効利用されずに次の工程に進み無駄になっていると承知している。製造許可がありながら、必要とされる製剤を製造しないのは、献血者の無償の善意に応えるという日赤に課せられた使命を怠っていると言わざるを得ない。日赤と厚生省の認識を伺う。
七 日赤では、今後新たな製剤を製造する場合や、現在製造している製剤の製造中止などに踏み切る際に、どのようなプロセスで組織として意思決定がなされるのか。その手順を明らかにせよ。
八 欧州にはCLB(オランダ)やZLB(スイス)など、赤十字で集められた無償の献血を利用して良質な血漿分画製剤を生産している赤十字の組織がある。これらの組織では高度な技術力と、分画工程で無駄を極力出さないような高い生産性を背景に、民間製薬会社と比肩しうる競争力を持って製剤の製造、供給を行っている。
  日赤は、血液製剤調査機構などの各種調査報告などを通じ、またヨーロッパ血漿分画協会(EPFA)の準会員として、CLB・ZLBなど同協会の正会員の組織の状況や経営体制について十分に認識し承知していると考える。欧州の赤十字のそれらの血漿分画製剤製造体制、高い生産性、民間製薬会社と同等の競争力を持っているなどの点について、現在の日赤で実現が可能かどうか、日赤はどう評価し、何が問題であると認識しているのか。並びにこの問題の厚生省の認識を伺う。

 右質問する。





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