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平成十年五月一日提出
質問第二九号

大蔵省の調査及び処分などに関する質問主意書

提出者  保坂展人




大蔵省の調査及び処分などに関する質問主意書


 大蔵省が本年四月二十七日に発表した「民間金融機関等との関係に関する調査及び処分について」に関して、同月二十八日の衆院法務委員会で、大蔵省政府委員に事実関係などを質問したが、答弁は極めて不十分で、一連の接待汚職とそれを契機とした今回の処分の重大さを十分に理解せず、従来の不祥事と何ら変わらぬ態度を踏襲しているように見受けられた。また、同月二十二日の衆院決算行政監視委員会では、大蔵省官房長に同省紀律保持委員会のあり方などについてただしたが、官房長の答弁態度からは前記法務委員会の政府委員同様、反省の姿勢がほとんどうかがえなかったので、大蔵省が本当に同月二十七日の大臣談話にあるように「深く反省するとともに綱紀の厳正な保持を図り信頼回復に向けて職務に適進することを決意」したかどうか、今後は「国民の負託に応えられるよう全力を尽くしていく」と信じてよいのかどうかを明らかにするため、以下質問する。

一 調査及び処分について
 (1) 二十七日の処分発表と二十八日の衆院法務委員会での政府委員答弁によると、今回の調査は千人を超える職員に対し、民間金融機関等から会食、ゴルフ等の接待を受けていないかどうか自己申告させ、その後の個別面談、接待した金融機関への問い合わせ、外部情報などを基に倫理規程などに違反した事実を確認したとされるが、処分された百十二名について、それぞれ接待の回数、年月日、接待した金融機関等、接待内容、金額を具体的に明らかにされたい。
 (2) 百十二名に対する各接待について、大蔵省が職務との関連性をどう判断したか、それぞれ具体的に明らかにされたい。
 (3) 百十二名に対する各接待について、刑法第百九十七条(収賄、受託収賄、事前収賄罪)、同条の二(第三者供賄)、同条の三(加重収賄、事後収賄)、同条の四(斡旋収賄)及び一九九五年改正前の刑法に規定された同様の各罪などの構成要件に該当する疑いのあるものはなかったのか。あるとすれば、誰に対するどこからのどのような接待か。また、当該接待については既に捜査機関に告発したか。
 (4) 前記各罪の構成要件に該当するかどうかの判断については、自己申告、接待した金融機関等への問い合わせ、外部情報などのほか、どのような事実確認をしたか。
 (5) 今後、捜査当局によって、処分された百十二名のうちいずれかの職員が強制捜査の対象となり、起訴される可能性はあると考えるか。それとも既に捜査当局と情報交換し、そうした可能性はないのか。
 (6) 今回の調査では、中島義雄元主計局次長のような金融機関以外からの金銭提供、涌井主計局長のような絵画の贈答、一部報道で指摘された幹部職員による絵画売買の仲介、政治家との会食、ゴルフなどについても十分に調べたか。
 (7) 調査及び処分について金融関連部局に絞っていることはいちじるしく公平を欠くと指摘したい。見解は如何か。
二 紀律保持委員会について
 (1) 本年二月三日提出の質問主意書に対する二月十三日の答弁書によると、戦後大蔵省は日本鉄道建設公団の検査をめぐる接待問題、前記中島元主計局次長らの接待、金銭授受問題などを踏まえ、綱紀粛正を図るために九十一件の通達等を出してきたが、省内に徹底されていたと考えるか。
 (2) 前記日本鉄道建設公団の検査をめぐる接待問題と中島元主計局次長らの接待、金銭授受問題で、減給以下の懲戒処分を受けた職員がその後、どのような役職(退官後の民間会社も含む)に就いたか、具体的に経歴を明らかにされたい。また、民間企業などにおいては、当事者としての責任であれ、監督責任であれ、何らかの懲戒処分を受けた者はその後の人事などにおいて、処分を受けない者と比較して相当の処遇が図られるものと考えるが、前記の二つの問題で処分を受けた職員の処遇は客観的にみて、どのような経過をたどったか。
 (3) 一九九五年三月に第一回が開かれ、二十数回の会合を重ねた大蔵省の紀律保持委員会は、省内の綱紀粛正を図るために機能していたと考えるか。
 (4) 紀律保持委員会の議事録を作成して来なかった理由を根拠法令、内規を明示して明らかにされたい。また、再三の指摘を受けながら今後の議事録作成さえも、拒み続ける合理的な理由を述べてほしい。
 (5) 大蔵省以外の省庁において、紀律保持委員会のような省内組織はあるか。あるとすれば、具体的に明らかにされたい。また、その委員会では議事録を作成しているか。
 (6) 前記衆院決算行政監視委員会などで、今回の事件、処分を踏まえ、納税者や国民の理解を得るために紀律保持委員会の議事録作成を強く求めてきたが、大蔵省官房長は「紀律保持委員会の議事録は今後も作成する考えはない」と答弁した。こうした姿勢は国民の理解を得られると考えるか。
三 処分後の対応について
 (1) 今回の処分に続いて、大蔵省は綱紀粛正のためにどのような措置を講じようとしているか。具体的に明らかにされたい。
 (2) 今回の処分では、調査対象となった過去五年間の監督責任者の処分も十分になされたと考えるか。
 (3) 公務員倫理法案の作成において、大蔵省の今回の事件、処分を踏まえ、具体的にどのような点の規制を重視すればいいと考えるか。

 右質問する。





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