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平成十年五月二十八日提出
質問第三九号

中華人民共和国に対する政府開発援助に関する質問主意書

提出者  藤田幸久




中華人民共和国に対する政府開発援助に関する質問主意書


 中華人民共和国に対する政府開発援助の決定過程に疑念が指摘されている。政府開発援助は、我が国の国益にかかわる重大な問題であり、その決定過程に疑念があることは、看過できない。
 したがって、次の事項について質問する。


 1 中華人民共和国の白求恩医科大学に関係する政府開発援助について、その決定及び実施の時期、金額、内容について答えよ。
 2 当該援助を行うか否かについて、職務権限を有していたのは誰か。実際の決定は、いつ誰が行ったか。
 3 当該援助について、最初に要請があったのは、いつ、誰からか。
 4 当該援助について、日中間でなされた要請、交渉及び調査について、誰が、いつ、どのような要請、交渉又は調査を行ったのか、すべて答えよ。
 5 当該援助に関して、一九八九年十二月の事前調査団、一九九〇年四月の基本設計調査団、同年八月のドラフトレポート説明のいずれにおいても、中国側面談者の中に、李維平氏の名前が見られる。いずれの団も、数日間にわたって中国に滞在しており、どの日にどの場所で誰と面談をしたのか、中国側は李氏のほかは誰が同席していたか、具体的に明らかにせよ。

 1 白求恩医科大学付属病院についての政府開発援助に関して、一九九〇年四月に派遣された「基本設計調査団」が面談した李維平氏は、調査団報告書によると「衛生部外事司官員」との肩書きである。日本政府として、中華人民共和国における当該地位について、どのような職務を行うどのような立場であると認識しているか。
 2 同調査に際して、通訳は誰が行っていたのか答えよ。

 1 同年八月にドラフトレポート説明のために調査団が訪中した件について、調査団報告書によると李維平氏の肩書きは「中華人民共和国衛生部」となっている。日本政府として、中華人民共和国における当該地位について、どのような職務を行うどのような立場であると認識しているか。
 2 同説明に際して、通訳は誰が行っていたのか答えよ。
 3 このドラフトレポート説明は、援助決定に至る経緯の中でどのような意味を持っているのか。
 4 ドラフトレポートの説明は、国際協力事業団作成の基本設計調査報告書九七ページに記載された中国側協議参加者名簿に記載された者に対してのみ行われたのか。当該名簿に記載された者以外の中国衛生部の担当官に対して、説明をしていないか。
四 当該援助について、大蔵大臣当時の橋本総理が、事務当局者に予算の査定、増額等に関する指示を行ったことはあるか。あるとすれば、時期、内容を答えよ。

 1 一九八九年のいわゆる天安門事件を受けて対中国円借款が凍結された件について、凍結解除の決定は、いつ、誰が行ったか。
 2 この凍結解除について、大蔵大臣に職務権限はあるか。
 3 当該円借款凍結解除に関し、大蔵大臣当時の橋本総理が、中国政府関係者から公式・非公式に要請を受けたことはあるか。あるとすれば、時期と相手をすべて答えよ。
 4 当該円借款凍結解除に関し、大蔵大臣当時の橋本総理が、総理や外務大臣との折衝、閣議、閣僚懇談会、国際会議等での発言、事務当局への検討の指示などを行ったことはあるか。行ったとすれば、時期、内容を答えよ。

 1 橋本総理が、一九九一年一月に大蔵大臣として中国を訪問した際の目的、同行者及び日程を答えよ。
 2 右の訪中の際に、日本から通訳は同行しているか。しているとすれば何人か。また、現地在外公館から加わった通訳がいれば、その人数は何人か。
 3 右訪中の際に、橋本大蔵大臣は、李維平氏と会っているか。いるとすれば、会った日時、場所、目的、内容について答えよ。
 4 右訪中の際の各会議について、誰が通訳を行っていたのか。会議毎に具体的に答えよ。

 1 前項の訪中のほか、橋本総理が、総理就任前を含め、日本国政府における公的地位にあった期間について、中華人民共和国またはネパールを公式訪問したことはあるか。ある場合には、その目的、同行者、日程を答えよ。
 2 右の訪問の際に、橋本総理が李維平氏と会ったことがあれば、その日時、場所、目的、内容について答えよ。
 3 橋本総理が、右の場合以外で、中華人民共和国またはネパールを訪問し、現地日本国の在外公館が、いわゆる便宜供与を行ったことがあるか。ある場合には、その具体的内容、特に、通訳についての便宜供与の有無についてを含めて答えよ。
 4 右の訪問の際に、橋本総理が李維平氏と会ったことがあれば、その日時、場所、目的、内容について答えよ。

 1 一九八八年八月に自民党幹事長代理であった橋本総理が、白求恩医科大学付属病院を訪問している。これは、援助にかかわる中国側からの要請又は日本政府の判断が働いていたのか。それとも、橋本氏らが日本政府とは無関係に訪問したのか。関係があるとすれば、その具体的内容も含めて答えよ。
 2 右の訪中の際、現地駐在の在外公館は、いわゆる便宜供与を行っているか。特に、在外公館職員を通訳として同行させなかったか。
 3 右の便宜供与を行っていた場合、日本政府として、その日程、中国側の誰と面談をしたかなどを把握しているか。
 4 右を把握しているとすれば、李維平氏と会っているか。会っている場合には、その日時、場所、目的、内容について答えよ。
九 日本の国務大臣又は国務大臣の経験のある国会議員が、中華人民共和国を公用旅券で訪問した際に、日本政府関係者(在外公館職員を含む)が通訳を務めなかった場合があるか。ある場合には、そのすべてのケースの具体的内容及び理由を答えよ。

 1 一九九二年に、中国の雑技団のビザ申請を拒否した事実はあるか。あるとすれば、申請者、申請内容、申請日、却下の日及びその理由について答えよ。
 2 一九八五年以降、これ以外に中国からの雑技団のビザ申請がなされたことがあれば、その件数と、却下された件数を答えよ。
十一
 1 李維平氏が在日中国大使館員であった期間は、いつからいつまでか。
 2 同氏のその間の地位について、日本政府としてどのように把握していたか答えよ。
 3 同氏が在日中国大使館員となった以降について、日本への入国の時期、目的、資格及び出国時期と出国先について答えよ。
 4 警視庁公安部外事二課が、李維平氏に関して調査を行ったことがあるとの報道がなされているが、事実か。事実とすれば、その調査の内容及び結果如何。
 5 李維平氏は、その後、日本国籍を取得したとの情報があるが、事実か。事実とすれば、その申請日、申請内容、及び国籍取得日如何。
 6 最近五年間で、李氏と同じ事由で帰化が認められたケースについて、もっとも短期間の場合どのくらいの期間がかかっているか。また、平均の期間はどれくらいか。
十二
 1 橋本総理は、李維平氏を通訳であると認識していた旨、答弁しているが、橋本氏が日本政府の公的地位にあった間について、公式の場においてそのようなことがあったか。あったとすれば、どのような機会に、誰の通訳を行ったのか。
 2 日本の国務大臣の公式の場における通訳を、相手国側の者が行うことがあるか。
十三
 1 橋本総理は、昨年十月三十日の衆議院予算委員会答弁において、李維平氏との対話の内容を問われた際、「白求恩医科大学の日本語教育の問題あるいは中国医科大学の日本語教育の問題が衛生部との間で議論になっておった」と答えているが、いつごろ、衛生部の誰との間で議論になっていたのか。
 2 また、具体的にはどのようなことが議論になっていたのか。

 右質問する。





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