衆議院

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平成十年十二月一日提出
質問第二号

い草産地救済に関する質問主意書

提出者  (注)井英勝  藤田スミ  中林よし子




い草産地救済に関する質問主意書


 熊本県のい草生産量は全国の約九割を占め、各農家で生産される畳表が日本の気候風土にあった畳文化を支えてきた。
 しかし、今、この日本のい草生産が重大な事態に直面し、このままではい草産地の存続さえ危ぶまれる状況となっている。
 現在、い草・い製品(畳表)の価格は、一九九七年以来急速に下落し続け、九七年四月同月と比較して約半値となり、九八年一〇月末現在の年間平均値は、大暴落した昨年同期の年間平均をさらに割り込んでいる。この価格の大幅な下落で、い草栽培農家の収入は大きく落ち込み、生産経費も出ず、負債の返済見通しもたたない中で一家の中心的な働き手が自らの命を絶つという痛ましい事態が続いている。
 このい草価格の暴落の原因は、消費税引き上げ等による不況の悪化で建築需要としての畳表の需要が低迷している中で、一九九七年度には、国内需要の約四割にも相当し、八九年度の二・七倍にも及ぶ三万五七〇二トンもの中国産い草・い製品の大量輸入にある。
 これに対して、熊本県下の地方議会では、八代市を始め、坂本村、千丁町、鏡町、竜北町、宮原町の各議会で「八代の農業を守るために、中国産い草をはじめ農産物の輸入を制限するための『セーフガード』を発動すること」を求める意見書を全会一致で決議し、国に対してセーフガードの発動を求めてきた。しかし、国は、セーフガードの発動を頑なに拒み、その結果、い草・い製品の価格は低迷したまま、い草産地の窮状は、さらに深刻化している。このままでは日本の伝統である畳文化が守れなくなる。
 今、産地では、年末を控え、年越しの緊急融資を求める声が出されるなど、国による産地救済の対策は、緊急を要すると考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 政府は、現在のい草産地の厳しい実情をどのように認識しているか。
二 日本共産党国会議員団との交渉の際に、中川昭一農林水産大臣は、「い草、畳は、日本の文化そのものであり、熊本が支えている。日本の畳文化を守りたい」と明言したが、政府としても同様の認識か。
三 現行農業基本法では、十三条において、「農産物の輸入によつてこれと競争関係にある農産物の価格が著しく低落し又は低落するおそれがあり、その結果、その生産に重大な支障を与え又は与えるおそれがある場合において、その農産物につき、第十一条第一項の施策をもつてしてもその事態を克服することが困難であると認められるとき又は緊急に必要があるときは、関税率の調整、輸入の制限その他必要な施策を講ずるものとする。」と規定しているが、現在のい草輸入とい草の国内生産との関係は、「農産物の輸入によつてこれと競争関係にある農産物の価格が著しく低落し又は低落するおそれがあり、その結果、その生産に重大な支障を与え又は与えるおそれがある場合」に該当するのではないか。政府の見解を根拠を含めて明らかにすること。
  また、現在の国産い草の現状は、「その農産物につき、第十一条第一項の施策をもつてしてもその事態を克服することが困難である」「緊急に必要がある」という十三条の規定に合致するのではないか。政府の見解を根拠を含めて明らかにすること。
四 現行農業基本法十三条の「関税率の調整、輸入の制限その他必要な施策を講ずるものとする。」の規定には、セーフガードの発動も含まれると思うが、政府の見解を明らかにされたい。
五 い草産地では、年越しの生活資金や負債返済資金がどうしても必要という切実な要望がある。政府として、生活費などにも使える条件なしの新たな緊急融資三年据え置き)を実施する考えはないか。また、年越しのための産地の切実な要望にどのように対応しようとしているのか。政府の見解を明らかにすること。
六 九八年度農業生産体制強化総合推進対策事業の未執行額三四億円余があるが、産地の市町村では水害被災地に畳表を送る事業や畳表の張り替え助成、また価格保障対策事業など様々な取り組みが計画されまた実施されている中で、政府として未執行額を利用して産地支援をするべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
七 公共施設への国産い草の優先的使用を促進するよう政府として検討を進めるべきだと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
八 い草製品の原産国表示の実施に向けての検討をするべきだと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。



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