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平成十二年五月十一日提出
質問第二四号

日米防衛協力のための指針に関する質問主意書

提出者  金田誠一




日米防衛協力のための指針に関する質問主意書


 日米防衛協力のための指針(以下「指針」という。)に関し、不明な点につき以下質問する。国会法所定の答弁期間内に答えられたい。

一 指針のテキストについて
 1 「指針は、日米防衛協力小委員会において作成され、日米安全保障協議委員会に報告され、了承されたものであり、指針の所管大臣は、同委員会の日本側構成員である外務大臣及び防衛庁長官である」(参議院議員清水澄子君提出「日米防衛協力のための指針と周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律に関する質問」に対する政府答弁書(以下「政府答弁書」という。)十九頁)との答弁に関し、以下の点を明らかにされたい。
  @「日米防衛協力小委員会において作成され、日米安全保障協議委員会に報告され、了承された」(以下「作成、報告、了承」という。)指針のテキストは英文だけなのか。あるいは同様に作成、報告、了承された日本文のテキストは存在するのか。
  A日本文のテキストが存在するのであればその全文を公表すべきと考えるがいかがか。公表できない場合はその理由を明らかにされたい。
  B日本文のテキストが作成されなかったのであれば、日本政府がそれをしなかった理由。
  C「起案の手引き(平成六年)」(防衛庁長官官房総務課)によれば「外国の機関にあてる文書であっても、案文は日本語で書く。必要な場合には、相手国語に翻訳した訳文を付ける。ただし、この場合においても、正文書は飽くまでも日本語文の文書である」(十八頁)と定められている。これに従えば、指針に関しても防衛庁内部で起案された日本語の正文書が存在するはずであり、この全文を公表すべきと考えるがいかがか。公表できない場合はその理由を明らかにされたい。同様に外務省内において起案された日本語の正文書に関しても公表すべきと考えるがいかがか。また、公表できない場合はその理由を明らかにされたい。
 2 指針の作成、報告、了承に当たっては、指針の主管大臣である外務大臣及び防衛庁長官によるこれに関する決裁があったと思われる。そこで以下の点を明らかにされたい。
  @関連の決裁の案件、内容、日付を明らかにされたい。
  A指針の了承に当たっては、外務大臣、防衛庁長官は英文のテキストに対してのみ決裁を行ったのか。
 3 指針の日本語訳について以下の点を明らかにされたい。
  @指針の日本語訳(政府答弁書十八頁でいう「指針の和文テキスト」)が作成された日付。
  A政府答弁書では「外務大臣及び防衛庁長官が最終的な責任を負う」(十八頁)とあるが、日本語訳についてこれは両者が連帯して責任を負うということか。
  B指針の日本語訳は「防衛庁における文書の形式に関する訓令」(防衛庁訓令第三十八号)で定めるところの防衛庁において発する文書に該当するのか。該当しないのであればその理由。
二 指針の閣議決定に至る過程について
  政府答弁書によれば指針は、「安全保障会議で審議し、了承した上で、外務大臣及び防衛庁長官がその内容について平成九年九月二十九日に閣議報告を行った」(十三頁)とされている。そこで安全保障会議で審議の対象となったのは英文のテキストに対してなのか、それとも日本語訳なのか明らかにされたい。
三 指針の英文と日本語訳の整合性について
  指針の日本語訳において「情報」と訳されている単語には、英語のテキストにおいては「information」と「intelligence」の二種類が存在する。例えば指針の別表では、捜索・救難分野における日米間の協力項目例での「捜索・救難並びにこれに関する情報の交換」の「情報」は英文テキストにおいては「information」であり、警戒監視の分野における日米間の「情報の交換」の「情報」は英文テキストにおいては「intelligence」である。
  空自訓練資料〇〇六-四-八「術語の解」(航空幕僚監部 平成元年二月)によると、「intelligence」は「情報」、「information and intelligence sharing, and the exchange of views」である。英文テキストに従えば、ここでいう情報の交換とは「information」の交換と「intelligence」の交換の二つを行うものと解されるが、政府の解釈を明らかにされたい。
四 指針の内容について
 1 指針では平素から行う日米間の協力について「日米物品役務相互提供協定及び日米相互防衛援助協定並びにこれら関連取決めに基づく相互支援活動が含まれる」(III)としているが、ここでいう「関連取決め」とは具体的に何を指すのか。その全てを明らかにされたい。
 2 日本に対する武力攻撃に際して、日本は「日米安全保障条約及びその関連取極に従って新たな施設・区域を提供する」(IV‐2‐(3)‐(ホ)‐(iv))とあるが、ここでいう「関連取極」とは具体的に何を指すのか。その全てを明らかにされたい。
 3 前記1、2における日本語訳の「関連取決め」と「関連取極」に該当する英文テキストは双方とも「related arrangements」であり、日本語訳においても用語が統一されてしかるべきと考えるが、異なる訳語を当てている理由を明らかにされたい。
 4 周辺事態に関して日米両政府は、「個々の事態の状況について共通の認識に到達した場合に、各々の行う活動を効果的に調整する」(V)とあるが、これについて以下の点を明らかにされたい。
  @日米間が「共通の認識に到達した」と確認する場はどこなのか。
  A日本政府としては、ある事態の状況について日米が共通の認識に到達しない場合があると考えているのか。
  B日本政府としては日米が共通の認識に到達しない場合には、日米間の協力や米軍への支援を行わないのか。
 5 準備のための共通の基準の確立(VI‐1‐(2))に関して以下の点を明らかにされたい。
  @日本防衛のための準備に関する共通の基準は既に確立されたのか。
  A周辺事態における協力措置の準備に関する共通の基準は確立したのか。
 6 共通の実施要領等の確立(VI‐1‐(3))に関し、以下の点を明らかにされたい。
  @共通の実施要領等は既に準備されたのか。
  A自衛隊と米軍は「相互に必要な事項」を既に定めたのか。

 右質問する。





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