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答弁本文情報

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昭和二十四年十二月一日
答弁第七六号
(質問の 七六)

  内閣衆甲第一三五号
     昭和二十四年十二月一日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿

衆議院議員苅田アサノ君提出主食配給等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員苅田アサノ君提出主食配給等に関する質問に対する答弁書



一 主食配給については、未だ目下の需給事情においては供出、輸入、ランニングストツク等供給状況に左右されるが、消費者が常に手許に平均して既ね五日乃至一週間分の食糧を手持できるように、配給計画を樹て、実施しており、その計画は配給所の店頭に掲示して消費者の消費計画に資するようにし、配給品目としては米食率をできる限り年間平均して保持し得るよう努力している。
  いも類、でん粉めんの如き低質食糧のみを継続して配給することのないよう努力しているのであるが、現物の入荷状況その他万やむを得ない事情により御指摘のような事態が発生したものと考えるのであつて、かかる事態の発生しないよう所要の措置を講ずることとしたい。

二 配給主食の品目は、現在米麦、雑穀及びいも類(いも類加工品を含む。)であるが、今仮に昭和二十五会計年度においていも類を主食配給から除外するとすれば輸入食糧が一応の概定計画通り、二一、〇〇〇千石(玄米換算三、一五〇千屯)輸入せられるとしてもなおある程度、持越食糧に喰込まねばならぬ実情であり、又雑穀の主食充当分は年間約一、五三〇千石であるから、米麦のみの配給を実施すれば、不足量は更に増加するわけである。且つ又右の二一、〇〇〇千石の輸入計画は一応の概定であつて、計画通り実施せられるか否かは米国の援助資金とわが国貿易の消長に依存しているのであるから、現状においては、主食を米麦だけで配給する見透しは立たない。

三 主食として配給される雑穀の範囲及び栄養価は左の通りである。
 (一) 主食として配給される雑穀の範囲
   小豆、えんどう、いんげん、そらまめ、ささげ、緑豆、そば、えん麦、ライ麦、あわ、ひえ、きび、もろこし、とうもろこし

 (二) 主食として配給される雑穀の栄養価(可食部分百瓦中のカロリーによつて示す)
 小  豆三〇六え ん 麦三七二えんどう三一七
 ラ イ 麦三四七いんげん三一〇あ  わ三八八
 そ ら 豆三一六ひ  え三六七さ さ げ三一七
 き  び三四三緑  豆三二九もろこし三八一
 そ ば 粉三四五玉 蜀 黍三四九  

四 配給計画は主食の年間、月間の需給、運送計画や運送実績、在庫状況、配給実績等を勘案して、都道府県により異るが、東京都の場合は概ね十五日乃至二十五日先の消費充当分について見透しを立てて実施している。

五 (一) 食糧配給公団の経理の健全は、公団の経理及び業務運営そのもののためにも又食糧管理特別会計の経理の健全化のためにも、ひいては国の財政收支の健全のために要請せられるところであり又予算、決算及び会計令第七十三條や公団業務規程において公団は現金売りを建前とするものであるので、不良債権化のおそれのある主食の掛売はみとめない方針である。府県のあつ旋で主食購入代金の簡易な金融の行われることは一種の社会施設としてありうるが、これは公団にとつては現金売であり、いわゆる掛売には該当しないから申し添える。
  (二) 公団をして掛売せしめるとすれば公団の運転資金の調達、従つて又その予算に変更を生ずる以外配給日以降の金利を消費者に支拂わしめることは勿論必ず返済させるだけの担保をとるか、保証人を立てしめるかが必要となり、公団においても消費者においても手続繁煩のために労多くして功少ない非難を免れないと考える。
  (三) 以上の理由によつて掛売はみとめぬ方針であるが、掛売に代る方法として配給開始の日から米麦等については十二日いも類については四日の間で小分売をすることを考慮している。

六 本件については左により処理するよう各都道府県知事に指示している。
  消費者が配給日より七日(生いも類については二日)を経過して、なお主要食糧を買受けない場合は、食糧配給公団は当該消費者に対し五日(生いも類については二日)以内に買受方を申入れ、併せてその旨店頭に掲示し、なお消費者が現実に買受けない場合は、原則として受配辞退として公団の事務処理を行い、その旨主要食糧購入通帳並びに配給台帳に記入するものとする。
  但し、消費者の家計の都合によりやむを得ぬことをその都度市町村長(場合によつては、当該地区民生委員)が証明した場合は、その限りでない。

 右答弁する。




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