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答弁本文情報

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昭和二十五年五月二日受領
答弁第一三四号
(質問の 一三四)

  内閣衆質第一一七号
     昭和二十五年五月二日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿

衆議院議員(注)田甚太(注)君提出輸入食糧の品質に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員(注)田甚太(注)君提出輸入食糧の品質に関する質問に対する答弁書



一 本年一月及び二月の辞退品目についてみると、国内産では、いも類(生甘藷及び加工いも類)が圧倒的に多く、これに次いで豆類、小麦粉等が挙げられ、輸入食糧ではマイロに次いで国内産と同様小麦粉が挙げられている。

品目別辞退数量についてみると次の通りである。

品目別辞退数量


二 くだけ米あるいは臭い米といわれているのは特にビルマ米とは限らず、外米全体の問題であるが従来特に消費者から意見の出たくだけ米はシヤム米のもの、臭かつたのはビルマ米のことと思われる。
  外米は麻袋に入つてくるのでその袋の臭気が、その保管中又は輸送中にうつるのが主たる原因である。従つて長期保管されたものは特に臭くなるものがある。

三 ビルマ米については統計的資料がなく、特に原始的な米作の場合、その生産費の算出はほとんど不可能に近いと思われる。このような事情もあり、残念ながらわれわれの手許には資料がない。

四 最近配給したビルマ米は古米であることはわかるが、何年産米か不明である。多分一、九四七年産米かと考える。
  右の米の購入についてはI・E・F・C(国際緊急食糧委員会)の割当に従つて通産省で購入したもので、当時の事情として買手の立場が主張し難かつたこと、並びにビルマと通商上の見地から日本の輸出を振興するためにこれを輸入する必要あり、且つビルマでは英国その他で米を購入した後で、あの程度のものより買えなかつたと考える。特に多額の外貨を支拂えば又別であろうが、外貨の面でも制限を受けたものでもあるから致し方なかつたと思う。
  その後買付になつたものは通産省で買うものについても品質等につき注意し、通産省の代理人が立会つて積み出すようにしているので良くなつている。

五 従来は、日本人の渡航が至難であつたので、通産省の検査もその代理人として外国商社と契約してそれに検査をさせていた。今年の契約の分は日本商社を代理としている。
  食糧庁は輸入港において通産省から輸入食糧を買入れる際、買入覚書に基いて、買入検査を行つているが、外米の検査規格は日本の検査規格と異るのでこれを比較することは困難である。

六 ビルマ米であつても臭くなく、くだけていないものもある。臭気のあることについては二、で説明した通りである。くだけることについては、外米が長いこと、精米はもみから直接精米すること、時には一度もみが水につかつて乾燥した場合はさけ目が入つているので、精米のときに割れ易い等の理由のため、精米のときにくだけ米が多くなることは事実である。
  しかしくだけ米は分離されるからくだけ米の少いものを買えばよいが、これは大量買うことが至難であり、且つ価格が高くなるから外貨の面から至難といえる。
  目下試験的に玄米を買い付けて、国内で精白することによつて臭気を除去できるか、又その場合のくだける度合はどうかを調査することにしている。

七 シヤム米ビルマ米等外米については、どの銘柄にもくだけ米が混入率も五%から四二%まで各種のものがある。今後はできるだけその混入率の少いものを買い付けたい。しかし通商上の見地と、大量に買い付けるとなれば混入率の大きいものを買い付けることも起り得る。
  くだけ米というのは一粒の三分の二以下のものをいつており、シヤムのくだけ米についていえばA1(エー・ワン)等の格付があつて、A1、C1は各々二つ折以下、三つ折以下のものとなつている。食糧庁では従来もC1以下の下級のものは、主食用以外の釀造原料等に振り向けてきたが、A1については米の配給操作上やむなくくだけ米だけを配給した地帶も一部あつたが、今後はA1についても需給事情の許す限りそのようなことを避けたいと考えているが、さし当りくだけ米だけの配給の場合には、これをいわゆる米喰率に算入しないよう措置することとしている。なお消費者の希望があれば米粉にして配給することも研究中である。

  右答弁する。




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