答弁本文情報
昭和二十五年七月二十五日受領答弁第一六号
(質問の 一六)
内閣衆質第一三号
昭和二十五年七月二十五日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
衆議院議員※(注)田甚太※(注)君提出貿易に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員※(注)田甚太※(注)君提出貿易に関する質問に対する答弁書
一 七月十五日附日本経済新聞による日清製粉株式会社の小麦粉四、〇〇〇瓩の台湾向輸出は事実である。
輪出決済方式はエスクロ・アカウントによるものである。
なお、原料を輸入しこれを加工して輸出することは申すまでもなく資源の乏しい日本の貿易方式の中心をなすものであるから、小麦粉の輸出についても国内需給との関連を考慮しつつこの貿易方式による輸出振興を行うことは外貨の獲得はもちろん不足する家畜飼料を副産物として取得でき、又引いては国内製粉加工賃の引上げをもたらす等その利点は極めて大きい。
今回の輸出はこれらの点にかんがみ、正常な加工貿易復帰への試験的な性格をもつものである。
ちなみに今回輸出小麦粉の原麦は商業勘定で買い入れた濠洲小麦で昭和二十五年四月中に鶴見日清製粉工場へ荷揚げを終え、農林省食糧庁が保管していたものである。
二 現在のところ発表の段階に至つていない。
三 米綿と満州大豆とのバーター取引は、米国のワールド・コマース会社とC、C、Cとのバーターであり、ワールド・コマースは米綿をC、C、Cより受け取りその代償として満州大豆をC、C、Cに提供し、その引渡場所を日本とする契約である。従つて政府はその契約の内容等については、直接関係せず五月十七日の総司令部からの通知等によつて左の要領を知るのみである。
種 類 | 單 位 | 日本国内引渡価格 | 生産地価格 | 備 考 |
米 綿 | 一ポンド | 約 三 六 仙 | 約三四仙 | 標準価格による。 |
大 豆 | 一ロングトン | 一二一弗三仙 | 不 明 | (但し、推定では生産地 価格一一九弗 ) |
注 C、C、Cとは物資信用保証会社 Commodity Credit Corpeation の略である。
右答弁する。