答弁本文情報
昭和二十五年七月三十一日受領答弁第三六号
(質問の 三六)
内閣衆質第三三号
昭和二十五年七月三十一日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
衆議院議員※(注)田甚太※(注)君提出各種公団の不正及び運営に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員※(注)田甚太※(注)君提出各種公団の不正及び運営に関する質問に対する答弁書
質問の一及び二について
一 食糧配給公団
1 業務品目及びその金額
A 品目 国内産米穀、麦類その他、輸入食糧、いも類、でん粉類
B 金額 三二六、二一〇、四一五、六九九円
2 決算
昭和二十四年度決算は目下計数整理中であるが、一億円内外の黒字となる見込である。
二 油糧砂糖配給公団
1 業務品目及びその金額
A 取扱品目
油脂原料、大豆及び食糧、植物油脂、動物油脂、油粕、人造バター、ビタミン油脂
B 昭和二十四年度損益計算
一 | 利 益 | 一、二六五、二四六、〇〇〇円 | |
一 | 損 失 | 一、二五七、二四六、〇〇〇円 | |
一 | 差 引 当期剩余金 |
八、〇〇〇、〇〇〇円 |
2 決算
油糧の供給は国内産油糧の増産と輸入油糧の増大とにより好転し、他方有効需要の減退等により需給の均衡を回復したものもある。これらの油糧及び将来の公団の経理面に赤字を生ずると思われる油糧については本年頂部から統制撤廃を行い漸次統制品目を整理しつつある。現在公団取扱物資は南氷洋鯨油を除き損失を生じないものと考えられるが、地方統制解除物資で公団所有のものについては、その後の市場価格の下落及び長期在庫による品質低下、倉敷料、金利等による損失が推定される。
解散(大体の目標本年九月)の場合の損益推定 | |||
(一) 利益見込額 | 六一〇、〇〇〇、〇〇〇円 | ||
(売買益金、価格調整金、通産省求償) | |||
(二) 損失見込額 | 一、一七八、〇〇〇、〇〇〇円 | ||
(什器、容器、売掛金、受取雑勘定、商品勘定) | |||
(三) 差引損失見込額 | 五六八、〇〇〇、〇〇〇円 |
三 肥料配給公団
1 業務品目
A 取扱商品(昭和二十五年七月二十七日まで)
硫安、硝安、石灰ちつそ、尿素、過石、トーマス燐肥、重過石、骨粉、加里
B | 買取総金額 | 四五、三一九、〇七五、九九八円 | |
配給総金額 | 五六、六七九、四六一、一六八円 | ||
在庫総金額 | 八、三五二、四四一、八二五円 |
2 決算
昭和二十四年度決算は目下清算中であるが赤字はない見込である。
四 鉱工品貿易公団
1 業務品目及び金額(昭和二十二年度―昭和二十四年度)
A 輸入品
品目 | 機械器具、諸雑貨、諸雑品、皮革、ゴム、金属鉱産品、化学薬品、燃料、塩、食糧、肥 | ||||
料、農水産品 | |||||
金額 | 受入 | 二〇〇、六五四、三一四 | 千円 | ||
拂出 | 一八二、九〇〇、五五八 | 千円 |
品目 | 機械器具、船舶、雑貨、ゴム製品、皮革製品、燃料、金属鉱産品、化学薬品、食糧、肥 | ||||
料、農水産品 | |||||
金額 | 受入 | 三五、七五〇、七八九 | 千円 | ||
拂出 | 二六、八六四、四〇九 | 千円 |
品目 | 金属、化学品、雑品 | ||||
金額 | 受入 | 一、一五八、一二一 | 千円 | ||
拂出 | 六五六、七六四 | 千円 |
2 決算
昭和二十三年度末まで黒字を生じており、昭和二十四年度末決算を整理中であるが、五千五百万円余の黒字を出す見込である。
五 纎維貿易公団
1 業務品目及び金額(昭和二十二年度―昭和二十四年度)
品目 | 綿糸布、蚕糸、絹人纎、纎維雑品、毛麻製品、棉花、副蚕糸、毛麻 | ||||
金額 | 受入 | 二六九、六三二、六七七 | 千円 | ||
拂出 | 二三〇、九〇〇、六七九 | 千円 |
2 決算 昭和二十三年度末まで黒字を生じており、昭和二十四年度決算を整理中であるが、およそ二十一億二千九十六万余円の黒字を出す見込である。
六、産業復興公団
1 業務品目及び金額
A 資材関係(昭和二十五年三月末まで)
品目 | 鉄鋼、屑鉄、非鉄金属、纎維、雑品(化学薬品、ゴム、皮革、機械工具等) | ||||
金額 | 受入 | 一〇、二八七、四〇一 | 千円 | ||
販売 | 一三、六六二、七二一 | 〃 | |||
在庫 | 一、五二六、六〇二 | 〃 |
建設設備、売却設備、貸付中設備、建設中設備、工事中止解約手続中設備、公団保管中設備 | |||||
総額 | 二、三一七、九二四千円 |
(二) 決算
昭和二十三年 ―― 昭和二十四年度合計五〇七、四八五千円の剩余金を出しており、価格差益金両年度合計二、三二一、七五五千円を政府に納付しておる。
七、船舶公団
1 業務品目及び金額
品目 | 船舶(新造、修繕)、機関その他機械類、鋼材、船用電線、海軍工廠承継品その他 | ||||
金額 | 一五、二五六、二七二 | 千円 |
2 決算
今日まで毎決算期に黒字を生じ、剩余金として国庫に合計約一億二千万円を納付している。
八 価格調整公団
1 業務品目及び金額(昭和二十二年度 ―― 昭和二十四年度)
A 鉄鋼部 | |||||
品目 | 銑鉄、鋼材、亜鉛鉄板、鑄鉄管、鉄鉱石 | ||||
金額 | 四七、一七八、七〇九、〇〇九 | 円 | |||
B 非鉄金属部 | |||||
品目 | 銅、鉛、電気亜鉛、蒸溜亜鉛、硅酸鉱、硫化鉱、硫黄、石綿、螢石、アルミ、石油 | ||||
金額 | 一八、八一〇、九九七、五三九 | 円 | |||
C 無機化学部 | |||||
品目 | 苛性ソーダ、ソーダ灰、塩酸、晒粉、液体塩素、硝安、硝酸、硫安、硫酸、塩化カリ、 | ||||
セメント | |||||
金額 | 二九、九九三、七三八、一四五 | 円 | |||
D 有機化学部 | |||||
品目 | タール製品、タール中間物、染料、甘味剤、ゴム薬品、写真薬品、火薬、カーバイト、 | ||||
アセトン、カーボンブラツク | |||||
金額 | 一七、六二五、七二三、九七二 | 円 | |||
E 石炭部 | |||||
品目 | 砂利、石材 | ||||
金額 | 四、〇〇二、六六六、三六四 | 円 |
2 決算 手数料等の收入で昭和二十二年度、昭和二十三年度を合して八億七千三百万円の剩余金を生じたが、他方プール勘定で八億七千五百万円の欠損を生じ、差引二百万円の赤字を生じた。この赤字の原因は、価格プール及び運賃プール勘定にある。プール勘定は本来收支均衡すべき筈であるが、プールに織込んだ平均單価が実際の單価よりも過少であつたためである。従つて、昭和二十三年度後期からはかかる赤字を生じないよう価格改訂に際して、プール單価の算定に当り、特に注意を拂つたので、同期以降にはかかる赤字は発生していない。
右の赤字に対しては、国庫から昭和二十四年五月三八八、八〇五、八七八円、同年六月四八六、六五一、二二九円を補てんし、剩余金は国庫に納付した。
昭和二十四年度は目下決算中であるが、約六億円の剩余を生ずる見込である。
質問の三について
纎維貿易公団輸出滯貨纎維品を放出する場合、通商産業省は、総司令部覚書にもとづき、統制品については、経済安定本部総裁により定められた需要部門別の枠内において、国内市場の需給状況を勘案し、関係業界等に無用の混乱をじや起せしめぬよう留意しつつ、放出方式を決定している。非統制品については入札または随意契約方式により処理している。
なお、統制、非統制を問わず需要が旺盛と認められるものは、競争入札により、需要が緩慢なものについては随意契約により処理している。
現在までに放出せられた纎維品の数量及び価格は別紙の通りである。
纎維貿易公団の保管の加工品として主なものは加工綿布、綿メリヤスシヤツ等であるが、これらは国内放出の場合公定価格があり、公定価格は原糸、原布の公定価格に各々公定の加工賃と一定利潤とを加算したものである。