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答弁本文情報

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昭和二十六年五月二十九日受領
答弁第七七号
(質問の 七七)

  内閣衆質第七七号
     昭和二十六年五月二十九日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 林 讓治 殿

衆議院議員並木芳雄君提出国立大学進学適性検査に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員並木芳雄君提出国立大学進学適性検査に関する質問に対する答弁書



 進学適性検査は大学の入学試験の一環として行われるものであるが、これは従来の選抜方法が偶然性に支配され、主観的見解に左右されることが多く客観的な判定の基礎において欠ける点があつたので、その欠点を補うための必要から実施されるものである。この検査の目的は受検者の知的能力の程度及びその傾向を検出することにあり、又他面高等教育において特に重要な将来に対する予診的意義を多分にもつものである。

一 進学適性検査に対する非難というものの多くは進学適性検査そのものに対する非難ではなく一部の大学において受検志望者が非常に多数の場合第一次選考に際して適性検査成績と出身学校の調査書とによつて選考を行つているところがあるがこの措置に対する非難と考えられる、このことの改善方法については現に考究中である。

二 進学適性検査によつて検出すべき面と学力試験によつてみる面とはおのずから異るものであるが進学適性検査学科試験の成績は一部の例外はあるが大体学科試験の成績と並行しているこれらに関する資料は目下編集中である。

三 進学適性検査はある特別の型の者を対象としたものではなく普通に高等学校教育を修了した者には十分理解できる程度を目標としている。
  この検査問題は心理学者、学識経験者等よりなる委員会において作成されるが、この問題の適正を得るため毎年数度のトライアウトを行つている。

四 進学適性検査の実施前に受験者に対して毎年例題を示しているが、進学適性検査の内容を知るにはそれで十分だと考えている。いろいろな準備練習は枝葉末節にとらわれた、型をまねたもので効果があるとは考えられない。

五 現にわかつているだけ申しあげると次の通りである。

東京大学 一四、一七五人中 三、九一九人
京都大学 九、五〇〇人中 一五〇人
一橋大学 三、九三七人中 一、五二二人

 進学適性検査の問題は学科試験と異り專門的知識を必要とし又その作成にも相当の期間を要するので各大学で適切な問題を作成することは困難でないかと考える。公私立大学でも国で行う適性検査に一〇〇余の大学が合流しているのはこの事情を示しているものと考える。

六 今後も続けて実施する考えでいる。

 右答弁する。




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