答弁本文情報
昭和二十八年八月四日受領答弁第四〇号
(質問の 四〇)
内閣衆質第三九号
昭和二十八年八月四日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 堤 康次※(注) 殿
衆議院議員吉川久衛君提出菅平硫黄採掘に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員吉川久衛君提出菅平硫黄採掘に関する質問に対する答弁書
一 長野県小県郡長村における硫黄掘採の地域は、いまだ探鉱中であつて本格的操業をなす段階に至つていない。従つて、企業上の採算の目途が確定していない現状では、鉱害水中和のため石灰を投入して稼行することが硫黄掘採の採算上可能であるか否かは、いまだ判断することができない実情にある。
然し、この地区の硫黄の掘採をなす場合には、鉱毒水を石灰により中和することが絶対的要件であると思われるので、この点を充分考慮して、本件鉱業に対する今後の根本的対策につき目下検討中である。
二 酸性水の中和が完全に行われれば理論的には還元することは考えられないが、現地調査の結果によれば多少還元の事実がみられるので、今後完全中和により還元を防止し得るか否かは問題であり、完全中和が行われないときは、下流水田に及ぼす影響は大きいから、今後掘採を認めるべきか否かについては、この点に留意し一の問題とも関連して現在検討中であるので、その結論により決定致したい。
右答弁する。