答弁本文情報
昭和二十八年十二月八日受領答弁第三号
(質問の 三)
内閣衆質第四号
昭和二十八年十二月八日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 堤 康次※(注) 殿
衆議院議員井上良二君提出昭和二十八年産の甘しよ切干の政府買入価格の改訂と主食化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員井上良二君提出昭和二十八年産の甘しよ切干の政府買入価格の改訂と主食化に関する質問に対する答弁書
一 昭和二十八年産の甘しよ切干の価格は、甘しよの価格を十貫当り二百八十円その歩留を三五%と押え、従つて、十貫当り切干原料代を八百円として、これに加工に要する経費百四十一円二十一銭並びに運送賃五十円を加え九百九十一円二十一銭と算定し、これをラウンドにして九百九十円とし、更にこれを一等二等に分けて一等千円、二等九百七十円と決定したものである。
一 甘しよ切干の価格は、農産物価格安定法の立法の趣旨にかんがみ、本年度甘しよの基準価格を十貫当り二百八十円と定めたので、上記の通りの価格となつたのであつて、米価の算定とはその間に直接の関連はない。
一 甘しよ切干の価格は、前年は生産地価格であつたが、本年は農産物価格安定法施行令の定むるところにより、上記の通り運送賃を積算して倉庫渡の価格に決定したものである。
一 甘しよ切干の価格は、米価と直接の関連はないので米価にスライドする価格に改訂するつもりはない。
なお、甘しよ切干の買上場所が昨年とことなり、倉庫渡しとなつているので、昨年度生産者が全販連に引き渡した場所、即ち、生産地駅港の船車積渡以降の運賃差額については、極力、生産者の負担とならないような措置を考慮したい。
一 政府買上の生切干に関する、農協関係の取扱経費については、法律上金利、保管料等以外は認めない建前となつているので適正な実費を認めることにしたい。
一 甘しよ切干の主食化に関することについては、むしろ、現状では、切干をアルコール化して、極力、米を節約する方向にもつて行くよう、努力する考えであつて、直接切干を主食化することは、経費の点からも、国民の食習慣から見ても困難のように考えられる。
右答弁する。