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答弁本文情報

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昭和二十九年五月二十一日受領
答弁第一八号
(質問の 一八)

  内閣衆質第一八号
     昭和二十九年五月二十一日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 堤 康次(注) 殿

衆議院議員伊東岩男君提出沿岸漁民救済及び密漁船取締に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員伊東岩男君提出沿岸漁民救済及び密漁船取締に関する質問に対する答弁書



一 沿岸漁業者に対しては、従来より浅海増殖事業への補助、技術改良事業の普及、漁業協同組合の再編強化、漁業自営の奨励、沖合漁業への転換促進、北海道の未開発沿岸漁田の入殖開発、新漁場の調査開拓等の振興策により、あるいは小型及び中型底びき船の減船整理による資源枯渇防止等の保護措置により、維持発展の対策を講じている。特に、財政投資により本年度から五箇年を目途とし、積極的な漁業転換を推進することにしたが、本年度はさしあたり特に沿岸漁民に圧迫を加えている底びき網漁業及びまき網漁業を重点的にとりあげることにし、遠洋かつお・まぐろ漁業、中型かつお・まぐろ漁業及びれんこ延縄さばつり漁業への転換を計画している。

二 沿岸資源枯渇のための底びき船の減船整理の必要性は充分認識している。中型底びき船については、昭和二十八年度より補助金を交付して他種漁業に転換させるとともに、北洋母船式鮭鱒漁業附属独航船の許可条件として底びきを廃業させる等の措置を取つてきている。昭和二十八年度は、このため約百六十五隻七千屯が減船整理された。小型底びき船については、昭和二十六年度から同二十八年度までに既に補助金交付による三千三百七十五隻の減船整理を完了し、本年度も一千四百十三隻の整理を予定している。更に本年度からは、上述の漁業転換促進の措置により、一層大幅の減船整理を計画している。

三 監視船の隻数の制約もあり、特に当海区にのみ増加配置することは困難であるが、従来とも当海区に対しては、取締強化の必要を認め、福岡漁業調整事務所管下の監視船を常時配置するとともに、必要に応じ東京根拠の水産庁直属船を随時回航させる等の配慮をしており、今後とも与う限りの努力をする積りである。

四 当海区は、漁場に比して操業隻数が過剰であるため、他種漁業への転換による減船整理に努めつつあるが、漁業許可の取消、夜間操業の禁止等の措置を強行するのは、実状にそわず望ましくないと考える。

五 宮崎県一の瀬河口と鵜戸崎間の禁止区域は、五−九の五箇月間が禁止期間であるが、当海区の底びき漁業の経営の不振等の事情にかんがみて、昭和二十三年九月から昭和二十八年度まで毎年五月及び九月を臨時特例により解禁してきたのである。本年度においては、沿岸漁業者の解禁反対の強い要請があつたので、関係県と協議し諸般の事情を検討した結果、五月は解禁しないことに決定した。なお、九月については、同海区の整理転換計画と違反防止の自粛体制及び沿岸漁具被害補償体制の樹立等の事情も考慮して、あらためて検討することとした。

 右答弁する。




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