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昭和三十年七月二十九日受領
答弁第二七号
(質問の 二七)

  内閣衆質第二七号
    昭和三十年七月二十九日
内閣総理大臣 鳩山一(注)

         衆議院議長 (注)谷秀次 殿

衆議院議員井手以誠君提出お年玉つき郵便葉書の寄附金に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員井手以誠君提出お年玉つき郵便葉書の寄附金に関する質問に対する答弁書



第一項について

 お年玉つき郵便葉書の寄附金の配分団体としては、過去六箇年、郵政大臣より中央共同募金会および日本赤十字社が指定をうけてきた。その配分方法は昨年までは両者とも地方共同募金会および地方日赤支部に全額が還元され、その使途についても無条件に委任されてきた。
 ところが、中央共同募金会は形式的にも実質的にも地方の単なる連絡機関に過ぎず、寄附金の地方への配分の媒介を行うにとどまり、その具体的な配分はあげて地方共募の権限に委ねられた。中央共同募金会は配分について何らの発言権を有せず、配分がいかに、かつ何処に行われたかについて監督も監査もできなかつた。日本赤十字社についても形式的にはともかく実質的には日赤本社は直接地方の使途に関与しなかつた。(本年度に限つて初めて日赤本社で配分の統制をとる方法をとつた。)
 寄附金の使途については、従来経常費的なものに比較的多くが費消され、また一般募金と混こうし使途の判明せぬきらいがあつたので、かねてより別会計にするとともに、なるべく具象化することを要望してきた。
 寄附金の配分が地方単位で地方の責任で行われてきたので、中央での実態のは握が困難なため、報告を徴することが唯一の方法であつたが、それも地方の協力がえられず、昭和二十八年までは一般募金と混こうの理由で提出されず、その後の報告も地方からのものを真否を確めることなく中央がとりまとめたままで郵政省へ報告されている。

第二項について

 中央共同募金会および日本赤十字社においては
1 寄附金の使途内容について完全に明確な報告が提出できない。また、報告をみても具象化が徹底されていない。
2 年度区分が明確にされておらず、地方共同募金会においては一年ないし二年にわたつてくり越して、報告された施設に対して配分が遅れている例もすくなくない。
3 お年玉つき郵便葉書の寄附金の経理は一般募金と区分するよう要望しているが、必ずしも実効が挙つていない。

以上のような欠陥と弊害の理由は、
1 共同募金会については中央は地方に対する監督、指導ないし監査をする権限をもつていない。また、日本赤十字社においては本社は支部に対して組織上監督できるにかかわらず、寄附金の使途について実際上は監査が充分行きとどいていなかつたこと。加えて厚生省による監査も事実上余り行われなかつたこと。
2 現行のお年玉つき郵便葉書の発売等に関する法律では、寄附団体名を葉書に表示することにしてあるため、この団体決定と実際の寄附金交付とは期間上相当のずれを生じ、団体指定に当り、寄附金使用の実行計画が明確には握でき難いまま無条件的指定をせざるをえなかつたこと。

 右の欠陥と弊害を除くため、次の点について考究中である。
1 差当り中央共同募金会の組織につき、地方共同募金会およびその傘下の事業者に対して監査しうる権能をもたしめるとともに、日本赤十字社についても監査の実を挙げしめること。
2 寄附金を必要な施設に必要な時期に中間機関をとおさず、具体的計画に応じて施設に直接に交付すること。
3 常に必要な書類を提出しうること。
  なお、厚生省及び都道府県は寄附金の使途について監査を励行し、その結果について郵政省に通報することになつた。

第三項について

 お年玉つき郵便葉書等の発売に関する法律については、寄附金の効果的使用に当つて不充分の点があるので、将来改正いたしたい。

 右答弁する。




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