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答弁本文情報

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昭和三十一年二月二十一日受領
答弁第三号
(質問の 三)

  内閣衆質第三号
    昭和三十一年二月二十一日
内閣総理大臣 鳩山一(注)

         衆議院議長 (注)谷秀次 殿

衆議院議員阿部五(注)君提出石炭鉱業合理化臨時措置法の実施に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部五(注)君提出石炭鉱業合理化臨時措置法の実施に関する質問に対する答弁書



 石炭鉱業合理化臨時措置法は、御承知のように石炭鉱業の現状ならびにその基幹産業としての重要性にかんがみ、これに対し、抜本的な合理化施策を講ずることにより、石炭鉱業の健全な発展と、国民経済の進展に寄与しようとするものであり、その施策の一環として坑口開設の制限が同法に基いて実施されることになつたのであります。
 すなわち坑口開設許可制度は、非能率炭鉱の買上げとならんでかかる炭鉱が新規に発生することを抑制し、石炭鉱業全体を高能率、低コストの生産体制に合理化することを目的とするものであります。従いまして、御指摘のように強粘結炭は製鉄用原材料として国民経済上不可欠のものであり、その生産増大が望ましいのでありますが同時にその生産費が少なくとも輸入炭等に比して著しく割高とならないものでなければならないのでありまして、その炭鉱の客観的条件からしてその炭鉱の生産能率が同法に規定されておりますようにわが国石炭鉱業に要請される一定の基準に到達し得ないと認められる場合には、結局炭種の如何をとわずその炭鉱の経営は困難となり、一昨年来のような悲惨な状態を再現するおそれがあるばかりでなく、石炭鉱業全体の合理化の上にも好ましからぬ影響を及ぼすおそれがあるので、その坑口の開設を許可すべきではないと考えます。
 しかして、この基準は強粘結炭、無煙炭等炭種による特殊性をも充分に勘案して、地区別に定めているのでありますが、特に勝浦炭田の属する西部本土地区は、全国で最も低い基準になつておりますので、これ以上に炭種による特別な取扱をすることは、現状においては上述の理由により適当ではないと考えます。従いまして現在のところ強粘結炭地区について坑口の開設を自由にする措置を講じ、或いはそのような法律改正を行うことは考えておりません。
 次に坑口開設許可の処分に関する手続につきましては、それぞれの地方の実情に通暁した学識経験者で構成される坑口開設専門分科会(現在札幌・平・宇部・福岡に設置)の審議を経て石炭鉱業審議会に付議することとされております。これは、坑口開設に関する許可処分を行う上に技術的に詳細な検討を行う必要がありますので、公正妥当な運用を期するため、かかる手続によることとしたのであります。しかし御指摘のごとく、できる限りすみやかな処理を図ることは当然必要でありまして、法施行当初の準備段階におきましては、事務処理に若干の停滞をきたしたこともありましたが、各地方の坑口開設専門分科会も既に昨年中に設置され活動を開始しておりますので、現在におきましては事務処理が停滞することはないと考えております。なお今後審議会の運営に一層意を尽しまして、許可処分が更に迅速に行われるようにする所存でございます。

 右答弁する。




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