答弁本文情報
昭和三十一年十二月十三日受領答弁第二号
(質問の 二)
内閣衆質第二号
昭和三十一年十二月十三日
内閣総理大臣 鳩山一※(注)
衆議院議長 ※(注)谷秀次 殿
衆議院議員小川豊明君提出大利根土地改良区の塩害に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員小川豊明君提出大利根土地改良区の塩害に関する質問に対する答弁書
大利根土地改良事業は昭和九年度に県営として着工され、昭和二十五年度に完了したもので、その受益面積七千町歩に対する補給水として黒部川(利根川支流)よりポンプ揚水を行うものであつて、昭和二十六年よりかんがいを開始し現在に至つている。御質問の三点については、次のとおりである。
一 被害発生の状況調査について
一般作物調査、農作物共済制度上の調査等のほかは、国は特別の調査を行つていない。しかしながら本事業は県営をもつて昭和二十五年度に完了しその後は県庁の指導の下に土地改良区が当該施設の利用と管理を行うことになつているので、千葉県当局より被害状況の調査報告をうけた。
塩害の原因については一般にかんがい用水の塩分濃度及びそのかんがい時間が大きく影響するものであるが、本事業地域に於ては土質、最近における地下水位等の立地条件の影響もあると考えられ、今のところ明確ではないが、本事業の施行に当つてはすでに塩害の防止についてじゆうぶん研究を重ねたことであり、又揚水開始以来三十年度までは何等塩害はおこらなかつたことからみて、施設設置についての誤りはないと考えている。塩害発生時の施設の利用状態については現在県及び土地改良区に問い合せ中であるが、塩害防止対策としては利根川の塩分濃度の時間的変化とにらみ合わせてポンプの運転操作を行うことが適切であると思われるので、県庁に対してこの点十分な指導を行うこととしている。
共済組合からの共済金のほかは、国として損害補償は考えていない。なお塩害発生時の施設の利用管理等の究明の結果により、利用管理の指導等適切な措置を講じたい。