衆議院

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昭和四十年三月二十六日受領
答弁第八号
(質問の 八)

  内閣衆質四八第八号
    昭和四十年三月二十六日
内閣総理大臣 佐藤榮作

         衆議院議長 (注)田 中 殿

衆議院議員(注)(注)一郎君提出国際連合の平和維持機能強化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員(注)(注)一郎君提出国際連合の平和維持機能強化に関する質問に対する答弁書



一、国連第十九回総会が、各議題についての実質審議に入り得ないまま結局九月一日までの長期休会を余儀なくされるに至つたことは、国連の歴史上前例のない不幸な出来ごとであり、今後三十三カ国からなる特別委員会が平和維持活動のあり方を全般的に再検討することとなつているが、わが国としても同委員会のメンバーとして、その活動に積極的に協力し、国連の強化、権威向上のためできる限り貢献したい意向である。
  なお、総会は休会を余儀なくされたが、安全保障理事会や経済社会理事会は開催されており、その他の各機関も何ら特別の支障なく活動を続けている。
  また、本年六月二十五及び二十六日の両日、サンフランシスコにおいて開催予定の国連創設二十周年記念会議は、同市が各国国連常駐代表を招待して開催する記念式典であると了解しており、政府としては、これに別段異議を唱える考えはない。

二、戦争拡大を避けるため、交渉によつて紛争を収拾すべしとする与論が高くなつてきているようであるが、直接の当事国の意見はこの点について未だ一致していないようである。
  わが方としても、かねて戦争の不拡大を切望し、紛争解決のために貢献し得ることがあればこれを果したいと思つているが、紛争の解決をはかるにはまず直接の関係諸国が話し合いに応じ得る環境が醸成され、かつ、関係国が約束を守るという保証を行なうことが重要であると思う。今般松本大使を現地に派遣したのは、まず情勢を正確に把握する趣旨に基づくものである。

三、政府は安保理事会常任理事国の間に真の協調が確保される際には、国連憲章第四十三条の規定にもとづく国連軍の設置が望ましいと考えているが、現在のごとく、かかる協調が全く存在しない状況において有効な平和維持活動を行なうためには、カナダ、北欧、オランダ等の諸国の提唱する国連待機軍の設置が現実に適合していると考え、従来より、これに対する支持を表明して来た。
  ヴィエトナムへの国連軍の派遣については、ヴィエトナム問題を国連がとりあげること自体に、事務総長をはじめ関係諸国が消極的であるのが現状であり、この点にまず問題があると考える。
  なお、わが国を含む三十三カ国で構成される平和維持活動特別委員会は、かかる国連の平和維持活動のあり方に関する問題を審議し、かつ、国連財政の危機を救う方法を見出すことを任務とするものであつて、ヴィエトナム問題等の具体的紛争についての措置を検討する権能を与えられていない。

四、今次、国連第十九回総会の一般討論演説において、椎名外務大臣は、現在の国連憲章の掲げる目的と原則が不変の価値を蔵していることを認めつつ、真の平和体制の建設に取組むに当つては、この目的と原則に従つて国連を更に強化するため、現実に則して、憲章を再検討することも考慮すべき旨示唆した。
  現在の国連については、特に平和維持活動のあり方をめぐり加盟国間に見解の対立があり、これが原因となつて今次総会も正常な審議に入り得なかつた次第であるが、この対立調整のためには、過去における国連平和維持活動をふり返えり、将来の平和維持活動を適正ならしめるよう体制を確立することが必要である。前述のとおりこの点を中心として審議を行なうため、わが国を含む三十三カ国よりなる国連平和維持活動特別委員会が設けられたのであるが、政府としては、同委員会の審議を通じ、真に有効な平和維持体制を確立するため、種々問題点の解明に努力したい所存である。

五、前述のとおり、国連憲章の再検討に当つては、まず、国連の平和維持活動に関する諸問題の解明が必要と考えられるが、この点については、現在前述のごとき審議を行なつている段階であるので、その限りにおいては現在の外務省の機構で十分であると考える。

 右答弁する。


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