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答弁本文情報

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昭和四十二年六月十三日受領
答弁第五号
(質問の 五)

  内閣衆質五五第五号
    昭和四十二年六月十三日
内閣総理大臣 佐藤榮作

         衆議院議長 石井光次郎 殿

衆議院議員田中武夫君提出天津の日本科学機器展覧会の出品に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員田中武夫君提出天津の日本科学機器展覧会の出品に関する質問に対する答弁書



一 本件十三品目は、それぞれ輸出貿易管理令別表第一の一三九、一六七または一七二の項の中欄に掲げる貨物に該当するものである。

 1 別表第一の一三九の項の中欄に掲げる貨物(一、〇〇〇メガサイクルをこえる周波数で使用するように設計した測定器)に該当するもの

(1) RF掃引信号発生器MG六六A
    本器は、一定幅の標準周波数の信号を繰り返し掃引発生し、電子機器の特性を測定するための機器で、最高周波数は七、〇〇〇メガサイクルに及んでいる。

(2) ミリ波ドライカロリーメータ
    本器は、ミリ波帯の電波の電力を測定する装置で、三〇、〇〇〇メガサイクルから一〇六、〇〇〇メガサイクルの超高周波帯を対象としている。

(3) マイクロ波デジタル周波数計
    本器は、マイクロ波帯の信号の周波数が直読できる周波数測定器で、最高周波数が一五、〇〇〇メガサイクルに及んでいる。

(4) レーザー用出力計
    本器は、レーザーの出力を測定する機器である。なお、レーザーとは、誘導放射を利用した電磁波増幅装置または電磁波発振装置であつて、およそ一〇〇万ないし一〇億メガサイクルの超高周波領域内で出力を発生するものである。

(5) マイクロ波掃引発振器BSO ― 一〇FT
    本器は、一定幅の標準周波数の信号を繰り返し掃引発生し、電子機器の特性を測定するための機器で、八、二〇〇メガサイクルから一二、四〇〇メガサイクルの周波数帯をもつている。

(6) ミリ波信号発生器MSG ― 三四一
    本器は、ミリ波の信号を発生し、電子機器の特性を測定するための機器で、三三、〇〇〇メガサイクルから三六、五〇〇メガサイクルの周波数帯をもつている。

(7) サーモフィルム電力計
    本器は、マイクロ波帯の電波の電力を測定する機器で、八、二〇〇メガサイクルから一二、四〇〇メガサイクルの超高周波数帯を対象としている。

(8) 雑音指数測定器MS七一B
    本器は、マイクロ波用機器における内部雑音の発生の度合を測定する機器で、二〇〇メガサイクルから一六、五〇〇メガサイクルの周波数帯を対象としている。

(9) 電界強度測定器WI ― 三形
    本器は、電界の強度を測定する機器で、最高測定可能周波数は六、〇〇〇メガサイクルに及んでいる。

 2 別表第一の一六七の項の中欄に掲げる貨物(陰極線オシロスコープ及びその部分品)に該当するもの

(1) 小型軽量トランジスタ化五〇MC二現象シンクロスコープ
    本器は、入力信号に同期する特別の機能を有する陰極線オシロスコープで、電気パルス等の波形を観測する機器である。

(2) シンクロスコープ
    同右

 3 別表第一の一七二の項の中欄に掲げる貨物(電子管、半導体素子若しくは一立方センチメートル当たりの部分品の個数が四以上の電子回路又はこれらの部分品の製造機械及び試験装置並びにこれらの部分品、附属品及び制御装置)に該当するもの

(1) 水晶式膜厚監視装置TVF ― 一
    本装置は、集積回路(一立方センチメートル当たりの部分品の個数が四個以上の電子回路に該当する。)の素子の製造に際し、蒸着膜厚を測定、制御するための装置である。

(2) TC ― 一A型半導体試験器
    本器は、トランジスター、ダイオード、ツェナダイオード、サーミスタなど広範囲にわたる半導体素子の特性を測定するための総合試験器である。

二 本件十三品目については、外国貿易および国民経済の健全な発展という観点より、輸出の承認をすることが適当でないと判断したものである。
  すなわち、貿易はもとより経済活動全般にわたつて密接な関係を有する自由主義諸国との協調を図ることが、わが国の外国貿易の発展ひいては国民経済の健全な発展のため必要であると考えたものである。

三 輸出貿易管理令別表第一に該当する貨物の輸出については、規制の実効性を確保するという観点から、持帰り品であると否とを問わず、それが日本を離れる段階でその適否を審査する必要がある。

四 わが国としては、社会、経済体制を異にする共産圏諸国との貿易についても、その拡大を図るという基本的観点に立つて積極的に努力しているところである。
  輸出貿易管理令に基づく規制品目については、今後とも、自由主義諸国との協調体制を保持しつつ、技術革新の進展、これら諸国の動向等を考慮し、出来るだけ輸出拡大を図るという観点から必要な検討を加えていきたい。

五 輸出の承認および不承認は、行政指導または事実行為として処理することとはしていない。
  申請者から、輸出貿易管理規則(昭和二十四年通商産業省令第六十四号)で定める手続に従い、書面による申請があつた場合には、明確な行政処分として処理することとしている。
  かかる輸出の承認および不承認の行政処分については、行政不服審査法および行政事件訴訟法による救済の道が開かれていると考える。
  なお、輸出の承認申請に先き立つて、あらかじめ申請者から、承認が得られるかどうかについて問合わせがあつた場合に、その可否の見通しについて申請者に知らせることがあるが、これは申請者の利便になるとの考えに基づき行なつているものである。本件十三品目についても、このような問合わせがあつたので本件処理の見通しをあらかじめ知らせたものであり、これは行政処分を求める輸出承認申請の道を閉ざしたものではない。

 右答弁する。




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