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答弁本文情報

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昭和四十七年五月二十三日受領
答弁第一一号
(質問の 一一)

  内閣衆質六八第一一号
    昭和四十七年五月二十三日
内閣総理大臣 佐藤榮作

         衆議院議長 (注)田 中 殿

衆議院議員松本善明君提出沖繩協定発効後の沖繩米軍基地に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員松本善明君提出沖繩協定発効後の沖繩米軍基地に関する質問に対する答弁書



一の1、2及び3について

(イ) 沖繩の核抜き返還は、一九六九年の日米共同声明で明らかなとおり、日米最高首脳間の確約であり、かつ、この確約は沖繩返還協定において条文化されている。
    しかしながら、政府としては、核兵器に関する沖繩県民を含む日本国民の感情を理解し、また、昨年十一月の衆議院における非核決議を尊重するとの立場から、沖繩の核抜き返還について念には念を入れるという意味で、本年一月のサン・クレメンテにおける首脳会談においてこれを確認するとともに、更に今般ロジャーズ国務長官発(注)田外務大臣あて書簡により、あらためて沖繩の核抜き返還に関する米国政府の確約が完全に履行されたことの確認を得た次第である。
    右の次第であるので、現在沖繩に核兵器が存在しないことについては、一点の疑いもないところである。

(ロ) 政府はつとに米側に対し、米軍が伊江島で核模擬爆弾の投下訓練を行なつているか否か照会するとともに、仮りにかかる核模擬爆弾の投下訓練が行なわれているとした場合、復帰後は右訓練を差し控えるよう申入れを行なつてきた。
    これに対し、米側は、米軍要員については常に一定の技術的水準を維持させるため多種・多様の訓練を行なう必要がある旨述べるとともに、核攻撃を受けた場合の対処訓練、模擬弾を使用する訓練などは、安保条約及びその関連取極に照らし、禁止されるべきものではないと考えるとの一般的感触を示している。
    しかしながら、政府としては、わが国国民の核兵器に対する感情に鑑み、本件に関し、なお、米側との話合いを続けている。

二の1及び2について

(イ) 事前協議の対象とされている「戦闘作戦行動のための基地としての施設・区域の使用」とは、米軍が、わが国の施設・区域から発進してゆくときの態様が直接戦闘に従事することを目的とした作戦行動であるものをいうのであつて、単に他の地域へ移動したり、日本以外の場所から発進した米軍機に空中給油を行なうために給油機がわが国の施設・区域から飛び立つ行為自体は、「戦闘作戦行動のための基地としての施設・区域の使用」には、該当しない。
    政府が従来から明らかにしているとおり、事前協議の対象となるべき「戦闘作戦行動のための基地としての施設・区域の使用」については、現在のヴィエトナム紛争との関係で仮りにかかる協議があつたとしても、政府としては、これを認めない方針である。

(ロ) 米国がわが国の施設・区域を利用して補給活動を行なうことは、それが安保条約第六条の「日本の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与する」という施設・区域の提供目的に沿うものである限り、許容されるものである。

(ハ) わが国の提供した施設・区域は安保条約に基づいて米軍に使用を認めているものであり、第三国人が訓練の目的で在日米軍施設・区域を使用することは、安保条約上認められないところである。このことは、米国政府も充分承知している次第であり、沖繩において従来行なわれていたかかる訓練は、復帰時までにすべて中止された。

三の1及び2について

(イ) 陸軍混成サーヴィス群の構成員は在琉米陸軍の軍人及び軍属であつたが、復帰に伴う在琉米軍の改組により、現在は在日米陸軍の麾下におかれており、地位協定上問題はないと考える。
    なお、同部隊は、予定どおり今年七月一日頃までに撤収されるとのことである。

(ロ) 沖繩のFBISについては、昨年六月一日にこれを在琉米陸軍の一部とするとの決定が行なわれ、同十月四日に実施された旨、米側に確認ずみである。なお、右は沖繩の復帰に伴い、現在は在日米陸軍の一部となつている。

(ハ) 第七心理作戦群による心理作戦なるものは、結局はいわゆる広報、宣撫活動の一種であつて、多くの国により各種の形でなされているものの一つであり、広報、宣撫活動を行なうこと自体は特に問題はないと考えるものであるが、御指摘の趣旨はつとに米側に伝えてある。

 右答弁する。




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