衆議院

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昭和四十九年一月十八日受領
答弁第五号
(質問の 五)

  内閣衆質七二第五号
    昭和四十九年一月十八日
内閣総理大臣 田中(注)榮

         衆議院議長 前尾繁三郎 殿

衆議院議員金瀬俊雄君提出成田空港の航空燃料暫定輸送計画に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員金瀬俊雄君提出成田空港の航空燃料暫定輸送計画に関する質問に対する答弁書



一、九及び十二について

 新空港の開港は、当初予定より大幅に遅れているので、できるだけ早期に新空港を開港する考えである。
 なお、本格パイプラインの完成には相当長期間要する見込みなので、新空港を早期開港するために、航空燃料暫定輸送計画を推進する方針に変更はない。

二について

 東京国際空港(羽田)の過密の問題は、数年来の問題であり、既に従前から国際線も含めて必要な便数増加が行えない状況が続いている。
 更に、航空輸送需要は、所得の向上等に伴い今後とも増加する傾向にあり、今回の石油危機等に関連して、例えば、観光チャーター便などの減便等が行われることがあるとしても、羽田の過密状況が基本的に緩和されることにはならない。

三について

 新空港の早期開港にとつて大きな障害となつているのは、航空燃料輸送手段の確保及び四、〇〇〇メートル滑走路の延長上に反対派によつて建設され、航空機の離着陸の障害となる二基の鉄塔である。
 航空燃料輸送については、現在航空燃料暫定輸送計画を推進しており、また、妨害鉄塔については、開港前の必要な時期には除去されるよう準備作業を進めている。
 このほか、開港準備作業として、騒音対策、旅客輸送対策等を鋭意進めている。

四について

 新空港の長期的アクセス対策として、成田新幹線と湾岸道路の建設を進めることとしている。
 成田新幹線については、都心と新空港とを短時間で結ぶ高速鉄道として将来にわたり不可欠のものと考えており、その建設につき、沿線にかかる地元地方公共団体等との話合いを鋭意進めている。
 道路輸送については、主幹線道路は、首都高速七号線(箱崎〜京葉道路)、京葉道路(京葉道路〜宮野木ジャンクション)、東関東自動車道鹿島線(宮野木ジャンクション〜成田インターチェンジ)、新東京国際空港線(成田インターチェンジ〜空港)であるが、既に東関東自動車道鹿島線の成田インターチェンジまでが供用中のほか、新東京国際空港線についても工事を完了している。しかし、供用時において、首都高速七号線及び京葉道路の二期区間(船橋〜幕張)にピーク時の渋滞が予測され、引続き、京葉道路一期区間(首都高速七号線〜船橋)、三期区間(幕張〜宮野木)に渋滞の及ぶことが予想されるので、湾岸道路の一般道路部については全線(荒川〜旧江戸川区間を除く。)の整備を促進するものとし、当面、京葉道路二期区間(船橋〜幕張)の混雑緩和対策として、原木〜幕張間の湾岸道路の整備を急いでいる。また、専用道路部については、工事中の首都高速九号線、首都高速湾岸線二期(首都高速九号線〜浦安)、東関東自動車道鹿島線(市川〜宮野木)のほか、新たに、首都高速湾岸線四期区間(浦安〜市川)についても着工する予定である。これによつて、都心と新空港間が専用道路で直結することができることとなる。

五について

(1) 主幹線道路の交通については、東京から成田に向う下り方向は、首都高速江戸橋インターチェンジから新空港まで、特別の事情がない限り約一時間で到着できるものと推定されるが、成田から東京に向う上り方向は、現在でもピーク時の交通渋滞による遅れが生じているので、この対策として、利用者に的確な情報を提供するほか、必要に応じてランプの流入制限を行うなど、交通管制システムの適切な運用を図つてまいりたい。

(2) 御指摘の三本の幹線道路は、主幹線道路が通行不能となるような緊急時において、迂回路として、利用されるものと考えている。

(3) 国鉄在来線は、成田駅までであるが、成田駅には到着ホームと同一レベルにバス発着場を整備しており、鉄道とバスとの通し切符の利用等による成田―新空港間の連絡バス輸送を行うこととしている。当該連絡バスは空港ターミナルビル出発及び到着階に直接乗り入れることとしており、本ルートによる東京駅―新空港は約九〇分程度と考えられる。

(4) 京成電鉄においては、京成成田―新空港間七・一キロの新線建設を完成しており、現在開港時のダイヤを検討中であるが、検討中のダイヤによれば、一日片道約四万人の輸送力があり、このうちには上野―新空港間ノンストップの特急電車(座席予約制・一日片道一九本、所要時間約六〇分、座席数合計約六、九〇〇人分)の運行も予定しており、空港アクセスの大量高速輸送手段として活用できるものと考える。

(5) 千葉県営鉄道は、千葉県において造成中のニュータウンの住民の輸送を目的として建設されるものであり、都心―新空港間のアクセスを目的とするものではない。

六について

 千葉県が助成している民家防音工事については、既に地元住民の協力のもとに四百三十余戸が完成しておりおおむね二十五デシベル〜三十デシベルの遮音が可能である。
 また、現在国会に上程中の公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律の一部を改正する法律の成立をまつて、公団において民家の防音工事に対して助成を行わせることとしている。
 なお、居住性については一層の改善を進めるべく国においても調査研究を行つているところである。

七について

(1) 三里塚候補地の位置決定に当たつては、防衛庁と協議した結果、同候補地と自衛隊百里基地との空域は、それぞれ分離が可能であり、管制上支障がないとの了解に達していた。

(2) 二つ以上の空港が近接して存在する場合、航空管制工学的にみて有効な空域の利用を図るためには、それぞれの空港に関する空域を分離して個別に管制する方式と、すべての空港に関する空域を統合して一元的に管制する方式とがある。
    新空港の場合については、差し当たつて前者の方式を採用することとした。即ち、おおむね利根川を境界として関東地方東部の空域を、それぞれ北と南に分離することにより、二空港に離着陸する航空機の進入及び出発経路を分離し、管制上支障のないように処理することとしたものである。

(3) 新空港の飛行経路については、今までいくつかの案を作成し、騒音問題とは関係のない洋上の部分については、ほぼ結論がでているが、内陸部分についてはいまだ検討中であり、関係市町村等の地元の意見を十分考慮し決定する考えである。

(4) 新空港及び百里飛行場の両者はそれぞれ管制管轄空域を設定し、お互に独立して進入管制、ターミナルレーダー管制、飛行揚管制を実施する。そのために、両空港に離着陸する航空機の進入及び出発経路を分離して運航上支障のないようにするべく防衛庁との調整を鋭意続行中である。

八について

(1) 御質問に係る設備の増設については、鹿島石油は関係法律の所定の手続を経て建設工事に着手したい意向と聞いている。

(2) 航空燃料の鹿島港への海上輸送については、荷主、海運業者間において取り極められるべきものであり、現在関係者間において検討が進められている。

(3) 鉄道輸送用タンク車は、私有貨車制度となつているので荷主(石油会社)等が確保することとなるが、現在その必要量及び調達について関係者間において検討されている。

(4) 航空燃料の荷主(石油会社)等からの輸送申し込みに基づいて、国鉄及び関係鉄道事業者が必要な列車ダイヤの策定及び列車編成を行うこととなつている。

(5)及び(6) 暫定輸送に伴う鉄道沿線の安全対策については、関係地方公共団体等の理解を得られるよう、現在鋭意検討中であり、踏切の改良等所要の安全輸送体制を確立する考えである。

(7) 暫定パイプラインの建設及び運用に関連して、事故防止、地元住民の安全を図るために必要な措置については、暫定パイプライン建設事業の一環としてこれを講ずることとしている。

(8) 消防法の適用を受けるパイプラインに関する法令の整備については、危険物の規制に関する政令の一部改正を既に行い、その他のものは現在鋭意作業中である。

(9)及び(10) 航空燃料暫定輸送計画に係るすべてのコストは、航空機給油施設使用料として回収されるべきものである。この航空機給油施設使用料は場内ハイドランド施設の使用料金をも含め、航空機給油施設の使用者である石油会社から公団が徴収するものであるが、この料金は燃料の供給を受ける航空会社の負担にも影響するものであるので、今後、公団において、石油会社のほか航空会社側とも協議しつつ決定する予定であり、現在、公団において検討中である。
   また、本格パイプラインについては、現在、建設計画及びこれに要する事業費が最終的に確定していないので、使用料金がどの程度になるかは現段階では不明である。

十及び十一について

 航空燃料暫定輸送の実施に必要な施設の建設費は、土屋の取卸施設及び暫定パイプライン等を含めて、昭和四十八年度公団認可予算において、総額約二十億円を予定しており、開港までに公団の負担する航空燃料暫定輸送関係の建設費は、おおむねこれをもつて賄いうる見込みである。
 また、御質問の航空燃料暫定輸送計画の鹿島関係の予算としては、施設の利用料等の運営経費があるが、これは、空港開港後、公団の施設使用者の負担する料金収入等の自己収入を財源として賄われるものであり、国の支出の対象とはしていない。この経費については、公団予算業務勘定において公団の支出予算として適正額が計上されれば経費の内容等を検討の上これを認可する予定である。

 右答弁する。


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