答弁本文情報
昭和五十年一月二十八日受領答弁第五号
(質問の 五)
内閣衆質七五第五号
昭和五十年一月二十八日
内閣総理大臣 三木武夫
衆議院議長 前尾繁三郎 殿
衆議院議員折小野良一君提出印鑑登録及び証明事務に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員折小野良一君提出印鑑登録及び証明事務に関する質問に対する答弁書
一について
プレス印鑑については、「印鑑登録証明事務処理要領」における「その他登録を受けようとする印鑑として適当でないもの」に該当するものとして、登録しないよう指導している。
印鑑証明のため登録できることとされている印鑑の印影は、全国的な実態調査によれば、最小の規格の平均が一辺の長さ六ミリ・メートルとなつていること及び印影の識別可能性等を勘案し、登録できない印影の大きさは「一辺の長さ八ミリ・メートルの正方形に収まるもの」としたものであり、現在のところこの点についての指導方針を改める考えはない。
印鑑に関する一般の慣行を考慮すれば、氏と名を共に表わした印鑑に限り登録するものとすることは、住民に与える影響が大きいので、現状においては適当でないと考えている。
今回の印鑑の登録証明事務の改善の目的は、印影を肉眼により照合することの正確性に限度があること及び社会一般の取引等において印鑑証明書が印鑑と併用して利用されていることから印鑑の所持と切り離して印影の証明を行うことは差し支えないこと等を勘案し、登録されている印影を複写することによりその写しであることを証明しようとするものであり、これにより事務を正確かつ迅速に処理し、住民の利便と取引の安全に寄与しようとするものである。
なお、右のような証明方式を採用したこと及び技術上の問題等を考慮すれば、印鑑の材質等について、登録、証明等をすることは適当でないと考える。