衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
昭和五十三年二月十四日受領
答弁第七号
(質問の 七)

  内閣衆質八四第七号
    昭和五十三年二月十四日
内閣総理大臣 福田赳夫

         衆議院議長 保利 茂 殿

衆議院議員柴田睦夫君提出欠陥車及びモデル・チェンジに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員柴田睦夫君提出欠陥車及びモデル・チェンジに関する質問に対する答弁書



一について

 諸外国の長寿命車構想については、詳細な資料を取り寄せ研究し、その結果を踏まえつつ、今後の技術進歩の可能性、省エネルギーの要請等との関連についても十分検討を行つた上で、我が国における長寿命車に関する方針を明らかにしてまいる所存である。

二について

(1)、(4)及び(5) 自動車の安全性、耐久性の向上等については、従来から自動車製作者に対し機会あるごとに指導してきたところであり、今後とも更に指導の徹底に努めてまいる所存である。
    また、自動車点検基準(以下「点検基準」という。)については、安全確保等の見地から必要不可欠な点検整備項目を検討し、関係機関等の意見を参考にしつつ総体として項目を削減する方向で、可能な限り早い時期に改正を行うことを目途として現在その見直し作業を進めているところである。

(2)及び(3) 点検基準の見直し作業の一環として、社団法人日本自動車工業会及び社団法人日本自動車整備振興会連合会に対し現行基準に関する改正意見の提出を求めたところ、両団体からそれぞれ総体的には点検項目を削減する内容の意見の提出があつた。社団法人日本自動車整備振興会連合会が点検項目の削減について反発したという事実はない。

三について

(1)及び(4) 自動車事故報告規則により報告された自動車事故のうち、自動車の構造、装置に関連すると考えられるものについては、必要に応じ調査解析を行うとともに、自動車製作者等に対し、事故原因の調査等の指示を行い、必要な対策措置を講じてきたところである。
    自動車の構造、装置に関連する事故のうち特に重大な事故については原因の究明を速やかに行うとともに、必要に応じ事故防止対策を定め事故概要等を併せて関係者に周知してきている。その他の事故で原因が十分究明されていないものについては公表していない。
    今後は自動車の構造、装置に関連すると考えられる事故については、速やかに原因究明を行うとともに、必要に応じて所要の措置を講じてまいる所存である。

(2) 「いすゞBU型バス」の欠陥については、昭和五十二年十月三十一日リコール届出があつたので、直ちに、当該自動車製作者及びバス事業者に対し、全対象車両の総点検を実施した上欠陥が認められた車両については対策部品との交換を行うまでの間、運行の用に供することのないよう指示した。右の対策部品との交換は、全対象車両について昭和五十三年一月二十四日に完了している。
    なお、被害の補償については、当該事故による損害につきその責めに任ずべき者によりなされるべきものと考えている。

(3) 昭和五十二年九月十二日の事故について、警視庁で実況見分を行つた初期の段階では、フライホイールに見られるき裂の状況等から、フライホイールに問題があるのではないかとの疑いもあつたが、現在、あらゆる角度から警視庁科学捜査研究所で鑑定中であり結論はまだ出ていないとの報告を受けている。
    運輸省においては、事故原因を究明するための試験結果につき検討したところ、クラッチカバーにき裂が生じて破損に至り、その結果二次的にフライホイールが破損したものと判断した。

(5) 欠陥車対策の推進については、従来からその体制の整備を図つてきているところであるが、特に昭和五十二年度から欠陥車処理体制の一層の強化に努めている。今後ともその充実強化に努め、欠陥車対策に遺漏なきを期したい。
    なお、欠陥車情報に基づき欠陥の原因究明を行う場合、専門的技術を要する事項については、交通安全公害研究所がこれに当たつているが、外部機関に委託することも考えられるので、その必要性について今後検討してまいる所存である。

四について

(1)から(4)まで 御指摘の事例についての現在までの調査によると、設計又は生産過程に起因する保安上の欠陥のおそれは認められないが、なお引き続き調査検討を行うこととしており、その結果必要がある場合は速やかに所要の措置を講じてまいる所存である。
    また、自動車の構造、装置又は性能に関するクレーム情報の収集についてはその充実強化に努めており、当該情報の調査過程で必要がある場合には自動車製作者等に対する報告徴収及び立入検査を実施して、その結果設計又は生産過程に起因する保安上の欠陥が判明したときには、自動車製作者に対し、速やかにリコール等の措置を講ずるよう指導しているところである。
    なお、燃費、加速等は、運転方法等によつても差が出てくるものであり、御指摘の点が商品上の欠陥であると断じることは困難と考えるが、必要に応じ適切な措置を検討してまいる所存である。

(5) 昭和五十二年十二月二日、当該自動車製作者からその製作に係るEGI仕様車について、リコールを行う旨の届出があつた。
    運輸省においては、当該リコールは昭和五十二年九月、千葉県船橋市内において発生した火災事故を契機とし、その後の調査検討の結果欠陥が判明するに至つたので届出をしたものであると承知しており、リコール届出当日この旨併せて公表している。

五について

 当該自動車製作者の製作に係る自動変速機仕様車のクレーム情報については、今後とも調査検討を継続し、必要に応じて適切な措置を講ずることとしたい。

六について

 自動車の制動能力については、制動装置によつて所要の機能が確保されるように規制を行つているが、いわゆる補助ブレーキについては規制を行つていない。しかしながら、運転操作の容易化のため、補助ブレーキが逐次普及してきている実状にかんがみ、今後更に性能、耐久性の向上等について指導してまいりたい。

七について

(1) 自動車の車体の錆つき、穴あき、水漏れ等自動車のいわゆる商品性に係る事項は、自動車の生産、流通、消費等の改善等の事務を所掌する通商産業省機械情報産業局自動車課が処理している。
    なお、通商産業省所掌事務に係る一般消費者の利益の保護に関する事務の総括は、通商産業省産業政策局消費経済課が所掌している。

(2)から(4)まで ウインドガラス周辺の発錆について消費者のクレームがあつた場合において、その原因がガラスの取付けの不手際によると認められるものがあるときは、誠意をもつて処理に当たるよう指導してまいる所存である。

(5) 冷却系装置の発錆に関するクレーム情報については、発錆の実態及びその原因について調査検討を行い、必要に応じて適切な措置を講ずることとしたい。

八について

 自動車に関するクレーム情報の収集については、今後とも関係機関と十分連携を密にし、その充実強化に努めてまいる所存である。
 また、自動車製作者に対しては今後とも、道路運送車両法第百条の規定に基づき報告徴収及び立入検査を随時、厳正かつ効果的に実施し、その結果に基づいて設計又は生産過程に起因する車両の保安上の欠陥の防止等の対策を講じてまいる所存である。

九について

(1)から(3)まで モデル・チェンジについては、御指摘の車種に係る計画を含め、今後とも、安全性の向上、公害対策技術の向上、燃費の改善等を伴わないものについては、自粛するよう指導してまいる所存である。
    なお、各企業のモデル・チェンジ計画を政府が公表することは適当でないと考える。

(4) モデル・チェンジ車の宣伝については、過剰にわたることを避けるとともに、性能向上の内容を消費者に明示するよう指導してまいる所存である。

 右答弁する。




経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.