衆議院

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昭和五十三年五月三十日受領
答弁第三六号
(質問の 三六)

  内閣衆質八四第三六号
    昭和五十三年五月三十日
内閣総理大臣 福田赳夫

         衆議院議長 保利 茂 殿

衆議院議員(注)長亀次郎君提出沖繩県の雇用及び失業問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員(注)長亀次郎君提出沖繩県の雇用及び失業問題に関する質問に対する答弁書



一について

 沖繩県における雇用失業情勢は深刻な状況にあるが、その原因としては、
(1) 産業の振興が十分でないことによる県内の雇用機会の不足
(2) 本土復帰に伴ういわゆる復帰失業者及び米軍基地の整理統合に伴う関係離職者の発生
(3) 県外就職者のUターンが多いこと
等によるところが大きいものと考えている。

二について

 沖繩県における雇用機会の確保を図るためには、基本的には沖繩振興開発計画に基づく産業振興の施策等を積極的に実施していくことが重要であると考えるが、当面する雇用失業情勢に対処するため、各種就職援護措置の活用により広域職業紹介を実施して失業者の再就職の促進を図るとともに、中高年齢者雇用開発給付金等の活用により民間の活力を生かした雇用機会の拡大、沖繩振興開発特別措置法に基づく失業者吸収率制度の積極的活用による公共事業における失業者の就労促進などに努めているところであり、今後ともこれら対策の一層の推進を図つてまいりたいと考える。

三及び四について

 沖繩振興開発特別措置法に基づく失業者吸収率制度については、沖繩県の雇用失業情勢の現状にかんがみ、その積極的な活用に努めているが、同制度の運用に当たつては、事業のは握がこれまで必ずしも十分でなかつたことや、工事施行方法の機械化、省力化が進展していること、施行業者が多数の手持労働者を抱えていることなど失業者の吸収を制約する事情もあつて十分な成果を挙げていない面もあつた。
 しかし、昭和五十三年度予算において公共事業の大幅な拡充が図られたことにかんがみ、これら公共事業における失業者の就労機会確保の一層の推進を図るため、今後とも関係機関との連携を強化し、事業の施行前は握を更に徹底するなどにより、制度の活用にできるだけの努力をしてまいりたいと考える。

五及び六について

 沖繩振興開発特別措置法に基づく就職促進手当の支給等に関する省令第二条の使用労働者数の通知については、公共事業施行通知書の提出によつて行うこととされており、これまでもその提出の励行に努めてきたところであるが、今後とも公共事業の発注機関と職業安定機関との連携を強化しつつ、公共事業の施行状況の早期は握等により同通知書の提出の徹底を図つて、同法に基づく失業者吸収率制度の積極的活用に努めてまいりたい。

七について

 公共事業を含む沖繩振興開発事業は、沖繩振興開発計画に基づき、本土との格差是正と沖繩の自立的発展の基礎条件の整備を目標とし、年々その拡充に努めているところであり、その中では特に、県内経済の発展を図るための産業基盤整備のほか、医療施設、文教施設、道路等の県民の生活基盤整備、水資源開発等にも充分配慮して取り組んでいるところである。今後も沖繩振興開発計画に基づき、現下の雇用経済情勢をも考慮しつつ、これらの重点的拡充に努めたい。

八について

 交通方法変更に伴う道路事業等については、県内企業発注に努めるとともに、早期発注、工事促進をも図つているところである。なお、昭和五十二年度発注の交通方法変更関係道路事業においては、国直轄、補助事業とも、すべて県内企業(共同請負による場合を含む。)へ発注されている。

九について

 昭和五十二年度上半期の沖繩における国直轄公共事業については、件数にして全体の約七十パーセント(県外企業との共同請負約三パーセントを含む。)が県内企業に発注されている状況である。発注に当たつては、施工上要する高度な技術、特殊な機器等を有する企業又は工事の規模に対応する指名基準に適格する企業が県内にない場合等の困難な場合もあるが、可能な限り県内企業の発注機会の拡大に努めているところであり、今後も、発注標準を遵守し、契約予定金額に対応する等級より上位の建設業者の選定を極力避けるとともに、分割発注、共同請負制度の活用等により県内企業の受注機会の確保に一層の努力をし、県内建設業者の育成・指導にも努めたい。

十について

 沖繩県下における公共事業等の発注に関しては、従来より分割発注、共同請負制度の活用等により可能な限り中小企業の受注機会の確保を図るよう努めており、国直轄事業の中小企業への発注率(件数による)は、昭和四十九年度五十七パーセント、五十年度七十六パーセント、五十一年度八十三パーセントと年々向上している。今後も、更にきめ細かい配慮を行い、中小企業の受注機会の確保に努めたい。

十一について

1 沖繩県における雇用機会の確保を図るためには、基本的には、沖繩振興開発計画に基づく産業振興の施策等を積極的に実施することが必要であると考えられるが、当面の対策として県外への広域職業紹介の推進等と相まつて民間の活力を生かした雇用機会の拡大や公共事業への失業者の就労促進に努めているところである。

2 特に公共事業については、昭和五十三年度予算において、事業費の大幅な増加が図られたところであり、関係機関との連携を密にして、沖繩振興開発特別措置法に基づく失業者吸収率制度を積極的に活用するなどにより、これら拡大実施される公共事業における就労機会の確保に努めているところである。

3 今後ともこれら対策の一層の推進により現下の雇用失業情勢に対処してまいりたい。

十二について

1 沖繩県の深刻な雇用失業情勢に対処するためには、基本的には産業の振興による県内における雇用機会の確保を図ることが重要であるが、雇用対策の面においては、
 (1) 沖繩県の失業者の特性を十分考慮して本土への広域職業紹介を積極的に推進すること。
 (2) 失業者に対する職業指導、職業紹介及び職業訓練の充実を図ること。
 (3) 失業者吸収率制度を活用して公共事業への就労の促進を図ること。
 (4) 沖繩県における産業の振興等の施策と相まつて各種就職援護措置の活用等により地元雇用機会の創出を図ること。
 等が必要であると考えられ、このような観点から、民間における雇用の場を最大限に活用することをねらいとして「沖繩県の労働者の職業の安定のための計画」は策定されたものである。

2 このような民間における雇用の場の活用については、現状においては、まだ努力の余地はあるものと考えており、したがつて、今後このための施策の推進に更に努力を重ねることとしている。

十三について

1 沖繩県における中高年齢労働者の雇用の促進については、沖繩振興開発特別措置法等に基づき、
 (1) 就職促進手当の支給と積極的な職業紹介、職業訓練の実施
 (2) 各種就職援護措置の実施
 (3) 公共事業への失業者の吸収
 等の施策の実施に努めてきたところである。

2 職業訓練については、沖繩県においては、県立、雇用促進事業団立合わせて四校の公共事業訓練施設を設置し、これら職業訓練校において中高年齢の失業者など職業転換を必要とする人を対象とする訓練を行うとともに、委託訓練、速成訓練等を拡大し、労働市場の実情に対応した職業訓練の積極的実施を図つてきたところである。

3 中高年齢者等を対象とするこれらの訓練の規模については、本土復帰時の昭和四十七年度においては、十一科四百四十八人の訓練規模であつたが、その後、施設の拡充整備と相まつて訓練定員の拡大を図り、昭和五十三年度においては、施設内二十三科六百十四人、施設外十二科三百五十人、計三十五科九百六十四人の訓練規模で実施することとしている。

4 今後においても、施設・設備の整備に努めるとともに、今後の沖繩県の産業の振興にも対応できるよう訓練科目の設定にも配慮する一方、なお深刻な雇用情勢に対応して、委託訓練、速成訓練等の活用を図るなどにより、沖繩県の実情に即した職業訓練の円滑な実施に努めてまいりたい。

十四について

1 沖繩振興開発特別措置法第四十七条の規定により沖繩については、中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法(以下「中高年雇用促進法」という。)第二十一条及び第二十二条の規定の適用を除外することとされているが、これは、次のとおり沖繩については、措置の対象を中高年齢者に限定することなく、広く沖繩県内の失業者を対象としていることによるものである。

 (1) 沖繩振興開発特別措置法第三十八条では、中高年雇用促進法第二十一条のように対象を中高年齢失業者に限定することなく広く沖繩の労働者全般について、その職業の安定のための計画を作成することとしていること。

 (2) 沖繩振興開発特別措置法第三十九条では、中高年雇用促進法第二十二条のように中高年齢失業者に限定した失業者吸収率ではなく広く沖繩の失業者全般について失業者吸収率を定めていること。

2 今後とも、沖繩県においては、沖繩振興開発特別措置法による諸施策等を積極的に推進することとし、取り分け関係機関との密接な連携の下に公共事業の拡大と失業者吸収率制度の積極的な活用を図るとともに、中高年齢者雇用開発給付金等の援護措置を積極的に活用して、その就業機会の確保に努力したい。

十五について

1 沖繩県の深刻な雇用失業情勢に対処するためには、基本的には産業の振興による県内における雇用の場の確保が必要であり、このため、沖繩振興開発計画に基づき、関係各省庁が一体となつてそのための施策の推進に努めているところである。
  一方、沖繩県における失業情勢の特徴の一つとして若年失業者が多いことがあげられ、これら若年失業者については、今後とも広域職業紹介による本土就職の積極的な推進に努めることとしたい。

2 また、県外就職者の定着については、十分ではなく、この原因として、@就職前における職業に対する知識経験が十分でないこと、A本土との生活習慣の違いがあること等によることが大きいものと考えられる。
  このため、今後、県外就職者に対し、就職前における職業情報の提供、就職指導の徹底、就職後における職場定着指導の強化等に努めることとしたい。

十六について

 沖繩県の失業情勢の特徴としては、基地労務者の減少並びに本土からのUターン者及び就職経験のない学卒者を含め若年層が多いことがあげられるが、これらの対策としては、県内の産業の振興による雇用機会の確保を図るとともに、若年層の失業者については広域職業紹介による県外就職を促進しており、一方、公共事業の拡大による失業者の吸収にも努めているところである。

十七について

 沖繩の自立的発展と県民所得の向上及び雇用機会の確保を図るためには、第一次産業から第三次産業までのあらゆる産業の振興に努める必要があり、沖繩振興開発計画においても、積極的に振興を図ることとしている。
 このため、道路、港湾等の産業基盤の整備を図るとともに、農業については優良農地の確保、農業経営の近代化等を推進し、漁業については生産基盤の整備、経営の近代化、流通機構の整備、資源培養型漁業の開発等を推進し、伝統工芸をはじめとする工業については経営の近代化を図るため沖繩振興開発金融公庫からの投融資、優遇税制措置、共同利用施設の助成等を行い、観光の振興については海洋博覧会記念公園の整備をはじめとする観光基盤整備等を推進しており、今後ともこれらの施策を推進していくこととしている。

十八について

 沖繩県に鉄道が必要であるかどうかについては、沖繩振興開発計画においても、交通体系の整備に当たつては、各種輸送機関の特性を生かした合理的な機能分担の下に、計画的、一体的整備を進める必要がある旨記述されているところでもあり、輸送需要その他の陸上交通の現状及び今後の見通し等を十分踏まえ、経営主体の問題をも含め、引き続き慎重に検討してまいりたいと考えている。

十九について

 現在、沖繩においては、沖繩振興開発特別措置法及び沖繩振興開発計画に基づき、積極的に沖繩振興開発事業を推進しているところである。

 右答弁する。


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