衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
昭和五十五年三月二十一日受領
答弁第八号
(質問の 八)

  内閣衆質九一第八号
    昭和五十五年三月二十一日
内閣総理大臣 大平正芳

         衆議院議長 (注)尾弘吉 殿

衆議院議員斎藤実君提出豪雪地帯の施策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員斎藤実君提出豪雪地帯の施策に関する質問に対する答弁書



一について

 内閣総理大臣は、地域の実情が反映されるよう、関係行政機関の長に協議し、かつ、関係道府県知事及び国土審議会の意見を聴いて豪雪地帯対策基本計画を決定しているところである。
 また、関係行政機関の長は、毎年度、基本計画の実施についてその所掌する事項に関し事業計画を作成しているところであり、その過程においても地方公共団体の意向が反映されるよう努め、できる限り地域の特性、実情に即した施策を推進しているところである。

二について

 関係行政機関の長は、毎年度、基本計画の実施についてその所掌する事項に関し事業計画を作成し、これを国土庁長官(北海道の区域内にある豪雪地帯に係る事業計画については北海道開発庁長官)に提出することになつており、これをもとに計画をは握しているところである。
 なお、平年並みの積雪の場合には計画と実績のかい離は少ないと考えられ、また、異常豪雪の場合において予備費を使用して実施した事業についてもは握しているところである。

三について

 特別豪雪地帯の市町村に対しては、昭和四十七年度から一般単独事業債のうちに特別豪雪対策分として特別の枠を設け、毎年増額を図つてきている。
 積雪による通常の増加経費については、普通交付税により、また、豪雪による臨時増加経費については、特別交付税によりそれぞれ措置することとしており、特別豪雪対策分に係る地方債の元利償還費を交付税で措置することは考えていない。
 なお、特別豪雪地帯の市町村の大部分は、過疎市町村又は辺地を有する市町村であるので、これまで、過疎債及び辺地債の運用の面をも通じて適切に対処してきているところである。

四について

 吹雪現象(地吹雪を含む。)は、大規模な寒気の吹出しにより各地域にわたつて広く発生する。しかも、この現象は、風向、風速、地形、雪質等によつて大きく影響されるため、恒久的対策を講じていくべき地域を定めるための基準として導入することは、極めて困難である。

五について

 昨年三月決定した特別豪雪地帯の指定基準では、最近年次の昭和五十二年までの二十年間の累年平均積雪積算値を採用したところであり、その際、観測点の増加を図る等地域の積雪の実態が十分反映されるよう配慮したところである。
 また、二号要件については、自助努力の高い市町村が基準の上で不利益とならないよう積雪による自動車交通の途絶の状況のみでなく、医療、義務教育及び郵便物の集配の確保の困難性、財政力並びに集落の分散度の各要素について、その実情を総合的にみて判定するよう配慮されているところである。

六について

 御質問の八市町村については、「積雪の度の要件」に関してはいずれも要件を満たしているが、「積雪による住民の生活の支障の要件」に関して、積雪による自動車交通の途絶の状況、医療、義務教育及び郵便物の集配の確保の困難性、財政力並びに集落の分散度の各要素について、その実情を総合的にみた場合、周辺市町村に比して、その支障の程度が少ないものと判定されたためである。

七について

 お尋ねのような行政不服審査法に基づく異議申立てについては、現在のところそのような事実は聞いていないが、関係市町村からの要請は聞いている。
 また、特別豪雪地帯の指定基準については、昨年三月に指定基準の見直しを行つたばかりであり、早急に指定基準の見直しをすることは困難である。

八について

 これまでの税制調査会の答申でも指摘されているように、個別的な事情を税制上しん酌するにはおのずから限界のあるところであり、いわゆる豪雪地帯など地理的な特殊性からくる生計費の増加に対処するため雪寒控除制度を設けることは適当でない。

九について

 雑損控除制度の年間所得十パーセント超という要件は、火災、風水害等種々の損夫を通じてどの程度以上のものを税制上しん酌すべきかという観点のほか、税務の円滑な執行が可能かどうかという観点をも踏まえて定められているものであり、妥当なものと考えている。

十について

 現在、過疎地域、低開発地域工業開発地区等については、事業用資産の買換えの特例及び特別償却が認められているところであり、豪雪地帯のかなりの部分はこれらの地域に含まれ、これらの特別措置が適用されているところである。
 なお、租税特別措置については積極的にその整理合理化を進めているところであり、新たな制度の創設は適当でない。

十一について

 積雪地域における住民負担の実態については、地域により、また、年により積雪量が異なるとともに、それぞれの地域の社会的、自然的条件や生活様式が異なつていることなど、各種の要因が複雑に作用しているので、実態調査により客観的な指標を見いだすことは困難である。
 なお、地域経済に及ぼす影響の分析及び住民生活の環境に対する調査研究については、関係省庁の研究機関、大学等のほか民問においても行われているところである。

 右答弁する。




経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.