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答弁本文情報

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昭和五十六年四月七日受領
答弁第二〇号
(質問の 二〇)

  内閣衆質九四第二〇号
    昭和五十六年四月七日
内閣総理大臣 鈴木善幸

         衆議院議長 福田 一 殿

衆議院議員渡辺武三君提出日米自動車問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員渡辺武三君提出日米自動車問題に関する質問に対する答弁書



一について

1 いわゆる日米自動車問題については、先般のワシントンにおける伊東外務大臣とレーガン大統領を始めとする米側主要閣僚との一連の会談において、自由貿易の原則の維持を基本として、今後とも日米間で話合いを続けていくことが合意されたところである。
  政府としては、この合意に基づき、米側に対し、米国自動車産業再建のための米側の国内措置等の説明のため、米政府関係者の来日を求める等、今後とも、米側と十分意見交換を行うとともに、自由貿易体制堅持のため十分な協力を図りつつ、本問題に適切に対応していくこととしている。

2 政府としては、自動車問題が米国内において困難な問題となつていることは十分理解するものであり、先般の伊東外務大臣の訪米の際、本問題に関して、日米両国政府が、今後とも話合いを続けることを確認した。本問題についての日本側としての具体的対応については、米側の国内措置等を見極めた上で検討することとしており、これまで米側に対して日本側の具体的な措置について表明したことはない。

二について

 一般に、輸入車の台数制限が、米国自動車産業に及ばす影響については、米国の政府及び業界自身による再建措置、今後の米国の景気動向等種々の要素を考慮する必要があり、一概に評価することには困難がある。他方、米国議会では、米国自動車産業救済のために、日本車の輸入制限立法を制定すべしとの動きが高まりつつあることは事実であり、伊東外務大臣訪米の際米側より台数制限要求がなされたことはないが、政府としては米議会の動向も踏まえて適切に対応する必要があると考えている。

三について

 対米自動車輸出が仮に減少した場合、それが国内自動車産業、更には日本経済全体に及ばす影響の程度は、対米輸出減少の度合いもさることながら、国内需要の動向等の諸条件が具体的にどうなるかによつても左右されるので、一概に論ずることは困難であるが、政府としては、我が国経済に与える影響にも十分配慮しつつ、いわゆる日米自動車問題への適切な対処を図つてまいりたい。

四について

 いわゆる日米自動車問題については、先般のワシントンにおける伊東外務大臣とレーガン大統領を始めとする米側主要閣僚との一連の会談において、自由貿易の原則の維持を基本として、今後とも日米間で話合いを続けていくことが合意されたところである。
 政府としては、今後とも、EC等他の諸国への影響にも配慮した上で、米側と十分意見交換を行い、本問題に対処していくこととしている。

五について

1 政府としては、自動車問題が長期化することにより日米経済関係、ひいては国際的な自由貿易秩序に悪影響が及ぶ事態とならないよう、日米間の話合いを緊密に行い早期に収拾を図ることが適当であると考えている。
  なお、米国の議会においては自動車の輸入制限的動きが高まつているが、議員各々の具体的な動きについては米側内部の問題であり言及を差し控えたい。

2 米国自動車産業の回復の見通しについては、金利等を含む米国経済一般の動向、同産業の再建努力の動向等、種々の要素を総合的に判断する必要があり、一概に結論を下すことはできないが、同業界の業績悪化及び失業の長期化等により、米国の自動車産業、労組等には何らかの日本車輸入規制が必要であるとの声が高まつていると承知している。

3 自動車問題は、日米双方の国内において広く関心が持たれているが、事態をこのまま放置した場合、日米経済関係、ひいては国際的な自由貿易秩序への悪影響も懸念されるので、双方納得のできる形で早期に収拾を図ることが適当と考える。

 右答弁する。




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