答弁本文情報
昭和五十八年八月十二日受領答弁第一号
(質問の 一)
内閣衆質九九第一号
昭和五十八年八月十二日
内閣総理大臣 中曽根康弘
衆議院議長 福田 一 殿
衆議院議員※(注)崎弥之助君提出米国海軍所属戦艦ニュージャージーの日本寄港と非核三原則に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員※(注)崎弥之助君提出米国海軍所属戦艦ニュージャージーの日本寄港と非核三原則に関する質問に対する答弁書
一から三までについて
ファランクスは各種資料によれば、おおむね御指摘のような兵器であると承知している。劣化ウランについての御指摘は必ずしも正確ではない点を含んでいるが、いずれにせよ、劣化ウラン弾は、基本的には高い貫徹力を確保するために比重の大きい劣化ウランを利用した砲弾であり、原子核の分裂又は核融合反応より生ずる放射エネルギーを破壊力又は殺傷力として使用する砲弾ではない。
米国議会においては、劣化ウラン弾が核兵器に含まれるか否かという観点からではなく、主として、劣化ウラン弾を装備した場合、劣化ウランによる低水準放射線がこれを取り扱う者の身体に対して影響を及ぼすのではないかなどの観点から論議された経緯があると承知している。しかし、昭和五十三年に米国海軍省は議会に対して劣化ウランの安全性に関する説明を行い、米国議会もこれを了承し、劣化ウラン弾の危険性に関する論議は基本的に決着をみたと承知している。
従来から政府が一貫して述べているとおり、核兵器とは、原子核の分裂又は核融合反応より生ずる放射エネルギーを破壊力又は殺傷力として使用する兵器をいい、劣化ウラン弾は、核兵器には該当しない。海上自衛隊が劣化ウラン弾を使用していないのは、非核三原則に抵触するおそれがあることによるものではない。
なお、ニュージャージーが仮に我が国に寄港するような場合には、政府としては、日米安保条約及びその関連取極を踏まえて対処する所存である。