衆議院

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昭和六十年二月二十六日受領
答弁第一四号

  内閣衆質一〇二第一四号
    昭和六十年二月二十六日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 坂田道太 殿

衆議院議員田中美智子君提出アフリカの飢餓に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員田中美智子君提出アフリカの飢餓に関する質問に対する答弁書



一について

 政府は、アフリカの深刻な食糧危機を憂慮し、従来から、食糧関係援助を強化するとともにアフリカ支援の必要性を国内外に訴えるなど、飢餓救済のため積極的に対応してきたところである。
 昭和六十年度政府開発援助一般会計予算については、対前年度比十パーセント増を確保しており、政府はこの予算を踏まえ、今後ともアフリカの食糧問題解決のため、食糧・農業関係援助を始めとする二国間及び多数国間の協力を行つていく所存である。

二について

 昭和六十年一月三十一日及び二月一日に開催された世界銀行の「サハラ以南アフリカに関する特別会合」において、世界銀行は、サハラ以南アフリカ諸国の諸困難解決のため、各援助国に対し、「アフリカ特別基金」への拠出又は二国間援助の増額等により同地域向け援助の拡充を図るよう要請した。
 我が国としては、かかる要請を踏まえ、世界銀行との協調にも配慮しつつ、サハラ以南アフリカ諸国向け二国間援助を推進することにより、アフリカ支援に関する国際的共同努力の一翼を担うことにしたものである。

三について

 政府は、アフリカにおいて二十六か国を数える後発開発途上国に対し、無償援助の重点的配分に努める等、援助の強化に努めている。その中でも、深刻な飢餓に見舞われている国々に対しては、食糧援助等緊急に必要とされる物資の供与、国際機関を通じての協力を含め、今後とも特別の配慮を払つていく所存である。

四について

 政府は、南北問題の根底にある相互依存と人道的考慮を基本理念として、開発途上国の経済社会開発に対する自助努力を支援し、もつて民生の安定、福祉の向上に貢献するため援助を実施している。援助対象国については、相手国の体制いかんにかかわらず、当該国の開発ニーズ、我が国との全般的関係等を総合的に勘案して我が国独自の立場から選定することとしている。

五について

 政府としては、アフリカ諸国の対外債務問題を軽減するためには、アフリカ諸国の経済社会基盤が全般的にぜい弱であること及び公的債務の割合が比較的高いことに配慮しつつ、債務国たるアフリカ諸国、我が国を含む債権国、国際機関等関係者の協調により具体的事例ごとに適切な解決策を探るとともに、債務国の経済開発の自助努力を支援していくことが重要であると考えている。

六について

 現在のアフリカの危機的経済情勢を生ぜしめた要因は、各種国際機関による分析によれば、自然現象の他に、経済社会基盤の未整備、開発政策及び農業政策上の問題、過度の人口増加等が深く絡み合つたものであることが指摘されている。
 政府は、今後とも、中長期的観点に立脚したアフリカ向け食糧・農業関係援助及び経済社会基盤整備のための援助を積極的に推進するとともに、アフリカ諸国の自助努力が効果的なものとなるよう、国際連合等国際機関をも通じつつ、積極的に働きかけていく所存である。

七について

 昭和五十九年十一月に開催された国際連合食糧農業機関(FAO)理事会における各国の一致した見解によれば、アフリカの飢餓の原因は、干ばつに加え、農業政策上の問題等にあるとされており、農業関連多国籍企業に関する特段の指摘はなされていない。また、同年の国際連合第三十九回総会で全会一致で採択された「アフリカの危機的経済情勢に関する宣言」においても、食糧自給のために各国が総合的な計画を作成することの重要性が強調されているが、農業関連多国籍企業への言及は行われていない。

八について

 政府は、新国際経済秩序樹立に向けての開発途上国の要望を十分認識するとともに、世界経済全体の相互依存の深まりを認識している。
 かかる認識を踏まえて、政府は、南北双方の利益に合致する新しい国際経済秩序に向かつての国際社会の努力に積極的に協力していく方針である。

九について

 政府は、従来から、軍縮によつて生ずる余力を世界経済の発展のために振り向けることができれば有意義であろうとの認識を国際会議等で表明してきている。また、昨年来種々の機会を利用し、緊急援助はもとより、中長期的観点に立脚したアフリカ向け食糧・農業関係援助を積極的に推進していくことの必要性を訴えている。政府は、今後ともかかる努力を継続していく所存である。

十について

 昭和六十年度防衛関係費については、厳しい財政事情の下、他の諸施策との調和を図りつつ、「防衛計画の大綱」に定める防衛力の水準にできるだけ早期に到達するため、必要最小限の経費を計上したものである。
 なお、アフリカの飢餓救済のための援助予算については、一についてにおいて述べたところである。

十一について

 食料は、人類の生存にとつて最も基礎的な物資であり、その安定供給の確保は極めて重要な問題である。
 このため、我が国は、国内で生産可能なものは極力国内生産で賄うことを基本に、生産性を高めながら、総合的な食料自給力の維持強化を図ることとしている。
 また、輸入については、関係国との友好関係に留意しつつ、国内における農畜産物の需給動向等を踏まえ、我が国農業の健全な発展と調和のとれた形で行われることが基本的に重要であると考えている。


 右答弁する。


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