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昭和六十年五月三十一日受領
答弁第三四号

  内閣衆質一〇二第三四号
    昭和六十年五月三十一日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 坂田道太 殿

衆議院議員矢山有作君提出東大農学部コンピューターの民間企業による不正使用問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員矢山有作君提出東大農学部コンピューターの民間企業による不正使用問題に関する質問に対する答弁書



一について

 東京大学農学部附属生物環境制御システムセンター(以下「センター」という。)において昭和五十七年度に予定されていた電子計算機の機種更新に当たり、機種選定作業を農学部計算機委員会で行うかセンターで行うかについて議論があつたため、昭和五十五年十一月、農学部学科主任会議において、機種選定の作業は、センターで行うこととし、センターの運営委員会の下に機種選定委員会を設けて選定作業を行つたものであると承知している。

二について

 昭和五十六年十月十三日にセンターの運営委員会で決定されたシステム構成は、日本電気株式会社(以下「NEC」という。)の中央処理装置(AC0S三五〇)、画像処理装置(MS五〇)及び制御装置(MS三〇)である。
 機種選定作業は、(一)現有能力を低下させないこと、(二)画像処理能力を増強すること、(三)センター内の諸装置と結合できること及び(四)センター外の諸装置と連結できることとの要件を満たす各種のシステムを対象として行われたが、(一)各装置を独立に作動させることが可能であること、(二)画像処理に重点が置かれていること、(三)既設の設備を直接制御できること等からNECのシステムが選定されたものであると承知している。

三について

 運営委員会は、NECのAC0S三五〇、MS五〇、MS三〇の三装置によつて構成されるシステムを採用することを決定したが、そのシステムの容量等の決定は、センター長に委ねられたものであり、納入されたシステムの容量等は、センター長が決定したものと同じであると承知している。

四について

 AC0S三五〇については、日本電子計算機株式会社と賃貸借契約を、MS五〇及びMS三〇については、NECと無償の使用貸借契約を締結していたものである。また、レンタル料については、前記賃貸借契約に基づき、支出したものであると承知している。

五及び六について

 センターの電子計算機を用いて、NECが東京大学に対する支援業務に直接関係しない業務を行つていたのではないかという問題については、農学部に調査委員会を設置して調査したが、これを立証するまでには至らなかつたとの報告を受けている。

七について

 N1システムに係る業務については、農学部の調査委員会の調査結果によれば、これをNECの自社業務と見るべきであるとする明確な証拠は得られなかつたとの報告を受けている。

八について

 農学部調査委員会の報告書で指摘している一研究課題によるAC0S三五〇の集中利用は、地中熱交換ハウスの熱的挙動のシュミレーションに関する研究を行うために必要であつたものであり、当該研究の結果、地中熱交換ハウスを設計する際の重要な項目であるパイプの間隔や埋設の深さがシステムの効率に与える影響及び運転方法がシステムの効率に与える影響が明らかになつたと承知している。

九について

 御指摘の点は、昭和五十九年十一月にNECから職員一名が十九日間派遣されていたことを指すものと思われるが、当該職員は、センターの要請に応じてプログラム相談業務のために派遣されたものであると承知している。

十について

 農学部調査委員会の報告書によれば、NECに対するシステム・エンジニアの派遣等の要請は、A元技官がセンター長の指示を受けて利用者に対する支援業務の強化等を図るために行つたものであるとされている。
 なお、同技官が、NECに対して更に支援システム・エンジニアの空き時間と電子計算機の空き時間に、少しでもAC0S三五〇の活用を図る工夫をしてほしい旨要請したことについては、センター長による特段の指示に基づくものではないが、利用状況の改善を意図して行つたものであると承知している。


 右答弁する。




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