衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
昭和六十一年五月二十七日受領
答弁第二二号

  内閣衆質一〇四第二二号
    昭和六十一年五月二十七日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 坂田道太 殿

衆議院議員土井たか子君提出旧ポルトガル領東チモールに関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員土井たか子君提出旧ポルトガル領東チモールに関する再質問に対する答弁書



一について

 東チモールの帰属等に係る問題については、国連事務総長の仲介により関係当事国としてのインドネシアとポルトガルとの間で話合いが進められている。我が国としては、一貫して同事務総長のこのイニシアティヴを評価してきており、この話合いを見守つているところである。

二について

(1) 千九百七十五年八月の東チモールにおける武力衝突発生以降の第一回目の視察は、千九百七十八年九月六日から八日まで行われ、ディリー市のほか東チモール本島の東部及び西部を訪れ、これらの地域の官民と面会し、治安、経済、食糧及び衛生事情につき聴取した。
(2) 第二回目の視察は、千九百八十五年四月八日から十一日まで行われ、ディリー市のほか東チモール本島東部、西部及びアタウロ島を訪れ、これらの地域の官民と面会し、治安、経済、食糧、衛生、開発及び人権状況につき聴取した。
(3) 第三回目の視察は、千九百八十六年四月二十九日から五月一日まで行われ、ディリー市及び東チモール本島西部を訪れ、これらの地域の官民と面会し、治安、経済、食糧、衛生、開発及び人権状況につき聴取した。
(4) 右三回の視察に際しての面会には、おおむねインドネシア政府関係者が同行した。視察の日程は、第一回目についてはインドネシア側が作成し、第二回目及び第三回目については視察者側がインドネシア側と協議の上作成した。いずれの視察においても、「東チモール独立革命戦線」と接触した事実はない。

三について

(1) 千九百八十五年の訪問の際、アタウロ島における避難民の状況、ディリー市コマルカ刑務所等を視察した。
    千九百八十六年の訪問の際、ディリー市ベコラ刑務所及び元アタウロ島収容者の一部が移住しているカイラコ移住地等の状況を視察した。
(2) 東チモール地域で活動している赤十字国際委員会の説明によれば、同地域での人権状況が悪いと判断すべき具体的情報はない。
(3) 赤十字国際委員会は、千九百七十九年以来、現在まで十六回にわたり東チモール地域における同委員会の活動に関する報告書を作成しており、我が国もこれを入手している。

四について

 昭和六十一年三月十一日の参議院予算委員会において、安倍外務大臣より「東チモールをインドネシアが実効的に支配しておるということは承知しておりますが、人権抑圧等についての事実については私はまだ承知しておりません。」と述べた経緯はある。
 我が国内外の非政府系組織及び個人から東チモールの人権状況に問題があるとの趣旨の文書を受け取つたことがある。

五について

(1)千九百七十六年当時の報道によると、同年五月三十一日ディリーで開催された「東チモール住民代表会議」(以下「会議」という。)の模様は、次のとおりである。
  (イ)東チモール全域十三地区の代表二十八名の出席を得て、インドネシアとの合併問題を審議し、全会一致で合併支持を決定した。
  (ロ)「東チモール暫定政府」主席大臣は、「会議」の閉会に当たり、代表団をジャカルタに派遣し、インドネシアとの合併のための請願を行う等と述べた。
  (ハ)「東チモール暫定政府」の招待に応じて、インド、サウディ・アラビア、イラン、ナイジェリアの駐インドネシア大使又は臨時代理大使並びにマレイシア、タイ及びニュー・ジーランドの在インドネシア大使館館員が「会議」にオブザーバーとして参加した。
(2)我が国としては、東チモール問題に関する国連の活動を慎重に見極める必要があるとの立場から参加を差し控えた。

六について

 我が国の東チモール地域に関する基本的な態度は、同地域の帰属等につき国連事務総長の仲介により行われている関係当事国間の話合いを見守るというものである。

 右答弁する。




経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.