衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
昭和六十三年四月五日受領
答弁第二〇号

  内閣衆質一一二第二〇号
    昭和六十三年四月五日
内閣総理大臣 竹下 登

         衆議院議長 原 健三郎 殿

衆議院議員寺前巖君提出血友病患者のエイズ感染による薬害補償に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員寺前巖君提出血友病患者のエイズ感染による薬害補償に関する質問に対する答弁書



一の1及び2について

 昭和五十八年六月に発足した厚生省の後天性免疫不全症候群(AIDS)の実態把握に関する研究班において、非加熱血液製剤によるエイズ感染の疑いがあるものとして一症例(帝京大学の症例)が報告されたが、検討の結果、同年八月、ステロイド投与による可能性もあるとして、疑似ないし非典型的と決定された。

一の3について

 昭和六十年五月に帝京大学から厚生省エイズ調査検討委員会に提出された症例は、四十八歳で亡くなつた血友病の男性及び六十二歳で亡くなつた血友病の男性であつたが、委員会に提出された資料を専門家が総合的に判断してエイズであると認定したものである。なお、このうち四十八歳で亡くなつた症例は、後天性免疫不全症候群(AIDS)の実態把握に関する研究班で検討され、昭和五十八年八月に疑似ないし非典型的と決定された症例であるが、新たにエイズウイルスの抗体検査の結果が提出されたことから、当時の最新の知見に照らして、エイズと認定したものである。

一の4及び5について

 御指摘のシンポジウムにおいて安部副学長が行つた報告については、厚生省としては承知していなかつた。

二の1について

 カッター・ジャパン株式会社より、同社が輸入した特定ロットの血液凝固第IX因子製剤の投与によると考えられる肝炎症例が報告され、当該ロット製品との関連が推定されたことから、原因解明等のため指示したものである。

二の2及び3について

 カッター・ジャパン株式会社の場合は、採血の際HBs抗原検査を行い、陽性の血液を排除することによつて、B型肝炎ウイルスの混入を防止できる方法が確立しており、かつ、肝炎の発症に関連する製品が相当程度特定できたことから、追跡調査及び行政処分という措置を採つたものである。
 一方、血液凝固因子製剤によるエイズ感染の場合は、エイズウイルスの混入を確認する方法がなく、また、感染から発症までの期間が数年に及ぶことから、原因となる製品を特定することが困難であつたこと等事情が異なる。

二の4について

 血液凝固因子製剤については、採血時のみならずプール血漿についてもHBs抗原検査を行うよう指示しているところであり、また、関係企業には、ウイルス不活化効率のより高い製品の開発を指導しているところである。

三の1について

 血液凝固因子製剤の安全性の確保については、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)の趣旨を踏まえ、その時点における科学技術の水準に照らし、最善の努力を尽くしてきたところである。

三の2及び3について

 血液凝固因子製剤によるエイズ感染者のための対策については、国において発症予防・治療研究事業及び相談事業を行うこととし、必要額を昭和六十三年度予算に計上している。さらに、ほかにどのような対策が考えられるか検討を行つているところである。





経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.