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平成二年十一月十六日受領
答弁第二号

  内閣衆質一一九第二号
    平成二年十一月十六日
内閣総理大臣 海部俊樹

         衆議院議長 櫻内義雄 殿

衆議院議員長谷百合子君提出福島第二原子力発電所三号機原子炉再循環ポンプBの損傷事故に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長谷百合子君提出福島第二原子力発電所三号機原子炉再循環ポンプBの損傷事故に関する質問に対する答弁書



一について

@ 超音波探傷検査については、平成二年六月十六日及び七月十二日に、東京電力株式会社福島第二原子力発電所三号機の原子炉再循環ポンプB(以下「ポンプ」という。)のケーシング及び分流壁(以下「ケーシング等」という。)の健全性を念のために確認するため、ポンプのケーシング等の修理対象範囲のうち試験可能な範囲について実施した。試験を実施した面積は約一・九二平方メートルであり、探傷可能な深さは約三十ミリメートルであった。その結果、欠陥は検出されなかった。
  この試験は、おおむね発電用原子力設備に関する構造等の技術基準(昭和五十五年通商産業省告示第五百一号。以下「技術基準」という。)第六条及び第七条の規定に準じて実施された。

A 放射線透過検査については、平成二年六月十六日に、ポンプの水切部(以下「水切部」という。)の健全性を念のために確認するため、水切部について実施した。試験を実施した面積は約〇・〇三平方メートルであり、水切部の先端から約八十ミリメートルの部分の全肉厚について探傷した。その結果、欠陥は検出されなかった。
  この試験は、技術基準第八条の規定に準じて実施された。

B 浸透探傷検査については、平成二年六月八日、同月十五日及び七月十二日に、ポンプのケーシング等の健全性を確認するため、これらの内側表面について実施した。試験を実施した面積は約三・四九平方メートルであった。なお、この試験は、表面における欠陥の検出を対象としたものである。その結果、欠陥は検出されなかった。
  この試験は、技術基準第十一条の規定に準じて実施された。

C 通商産業省は、東京電力株式会社に対し、@からBまでの試験を適正な方法により行うよう指導し、また、通商産業省の電気工作物検査官が福島第二原子力発電所において、試験の結果の確認を行った。

二について

@ ポンプの製造時において技術基準第七十三条第二項の規定によりtの値を求める計算(以下「計算」という。)に用いたAの値は公表しておらず、計算に用いたPの値は百六・〇キログラム毎平方センチメートルである。

A 計算に用いたSの値を求めるに当たり、技術基準別表第六備考三については、イに該当するとした。

B 計算に用いたSの値は、十・五キログラム毎平方ミリメートルである。

C 計算に用いたSの値は、小数点以下一位未満の端数を切り捨てたものである。

三について

@ 技術基準第七十三条第二項の規定により求められるtの値は、七十七・四ミリメートルである。ポンプの修理前及び修理後に測定した吸込口部分及び吐出口部分以外のポンプのケーシングの厚さの最小の値は、各々百五ミリメートルである。

A及びB 技術基準第七十三条第三項の規定により求められるlの値は、公表していない。当該lの値は、同条第二項の規定により求められる値以上の厚さでなければならないケーシングの吸込口部分及び吐出口部分の範囲を定めるものであり、測定値はない。
  同条第三項の規定により求められる厚さは、七十七・四ミリメートルである。昭和六十四年一月のポンプに係る損傷事象(以下「損傷事象」という。)において、ポンプのケーシングの吸込口部分及び吐出口部分は損傷が生じていないため修理を行っていないが、ポンプの修理前においてポンプのケーシングの吸込口部分及び吐出口部分のうち当該lの範囲の厚さが各々九十一ミリメートル以上及び百二ミリメートル以上であることを確認している。

C 技術基準第七十三条第六項第一号の規定により求められる厚さは、五十四・二ミリメートルである。同号に規定する分流壁の点Bから点Cまでの範囲に関しポンプの修理前及び修理後に測定した厚さの最小の値は、各々九十七ミリメートルである。

D 技術基準第七十三条第六項第二号の規定により求められる半径は、三・九ミリメートルである。同号に規定する分流壁はその一方の端の一部に損傷事象による接触跡が生じていたため、ポンプの修理前は当該接触跡を除いた分流壁の両端について、ポンプの修理後は当該修理を行った分流壁の端の全体について、各々の丸みの半径が三・九ミリメートル以上であることを確認しているが、具体的な値は測定していない。

E 技術基準第七十三条第六項第三号の規定により求められる半径は、七・八ミリメートルである。同号に規定する部分はその一部に損傷事象による接触跡が生じていたため、ポンプの修理前は当該接触跡を除いた部分の一部について、ポンプの修理後は当該修理を行った部分について、各々の丸みの半径が七・八ミリメートル以上であることを確認しているが、具体的な値は測定していない。

F 技術基準第七十三条第六項第四号の規定により求められる半径は、三・九ミリメートルである。同号に規定するボリュート巻始めはその一部に損傷事象による接触跡が生じていたため、ポンプの修理前は当該接触跡以外の部分について、ポンプの修理後は当該ボリュート巻始めの全体について、各々の丸みの半径が三・九ミリメートル以上であることを確認しているが、具体的な値は測定していない。

G 技術基準第七十三条第六項第五号の規定により求められる半径は、二十三・三ミリメートルである。同号に規定するクロッチは、損傷事象において損傷が生じていないため修理を行っていないが、ポンプの修理前において当該クロッチの半径が二十三・三ミリメートル以上であることを確認している。なお、具体的な値は測定していない。

H 技術基準第七十三条第六項第六号の規定により求められる半径は、七・八ミリメートルである。同号に規定する部分はその一部に損傷事象による接触跡が生じていたため、ポンプの修理前は当該接触跡以外の部分について、ポンプの修理後は同号に規定する部分の全体について、各々の丸みの半径が七・八ミリメートル以上であることを確認しているが、具体的な値は測定していない。

四について

 損傷事象後において東京電力株式会社福島第二原子力発電所三号機の運転再開に当たり使用される照射された核燃料は、発電用核燃料物質に関する技術基準を定める省令(昭和四十年通商産業省令第六十三号)に規定された基準にすべて適合していることが確認されたものである。





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