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答弁本文情報

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平成三年五月二十八日受領
答弁第一一号

  内閣衆質一二〇第一一号
    平成三年五月二十八日
内閣総理大臣 海部俊樹

         衆議院議長 櫻内義雄 殿

衆議院議員大野由利子君提出動物保護に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員大野由利子君提出動物保護に関する質問に対する答弁書



一の1について

 動物の保護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号。以下「法」という。)に基づき、動物愛護思想の普及啓発を図るため、ポスター、パンフレット等の作成、配布等の事業を実施するとともに、動物愛護週間には、地方公共団体と連携して、その趣旨にふさわしい各種の行事を実施している。また、昭和六十二年十月には、産業動物の飼養及び保管に関する基準(昭和六十二年総理府告示第二十二号)を定め、さらに、昭和六十三年二月からは、法第十条の「動物を殺す場合の方法」について、基準の検討を行っている。動物保護管理関係の予算としては、昭和六十一年度二千三百三十五万円、昭和六十二年度二千七百三十八万七千円、昭和六十三年度二千七百八十六万九千円、平成元年度三千九百十万三千円、平成二年度四千三十四万六千円が計上された。

一の2について

 法第七条の規定に基づき都道府県又は政令で定める市(以下「都道府県等」という。)が実施している犬及び猫の引取り業務は、保健所又はいわゆる動物愛護センター等の専用の施設において行われており、そのうち動物愛護センター等の専用の施設は、おおよそ八十箇所であると承知している。
 また、前記施設の職員数、施設維持・運営費の内訳については承知していない。
 なお、平成元年度における都道府県等の引取り数については、犬は四十万九千五百五十一頭、猫は三十四万九百二匹と承知している。

一の3について

 都道府県等における過去五年間の犬及び猫の引取り数等は、表一及び表二のとおりである。

表一 犬の引取り数等
表一 犬の引取り数等
(注一)捕獲犬を含む。
(注二)捕獲犬及び前年度に引き取ったものを含む。



表二 猫の引取り数等
表二 猫の引取り数等
(注)前年度に引き取ったものを含む。


一の4について

 都道府県等に対し、やむを得ず動物を殺さなければならない場合でも、法第十条の趣旨にのっとり、できる限り苦痛を与えないようにするため、炭酸ガスによる方法で処分を行うよう指導しているところである。
 また、都道府県等において引き取った犬及び猫等の動物については、犬及びねこの引取り並びに負傷動物の収容に関する措置要領(昭和五十年四月五日内閣総理大臣決定。以下「措置要領」という。)において、飼養を希望する者へ譲渡するなどできるだけ生存の機会を与えるように努めることとしており、都道府県等に対し、この趣旨を更に徹底してまいりたい。

一の5及び6について

 都道府県等において引き取った犬及び猫については、措置要領において、できるだけ生存の機会を与えるため、飼養を希望する者を見いだすことに努めることとしており、都道府県等に対し、この趣旨を更に徹底してまいりたい。
 なお、成犬及び成猫については、飼養を希望する者がほとんどいないのが実情である。

一の7について

 都道府県等の動物の保護及び管理に関する行政の担当者には、動物に関する専門知識を有する職員が配置されていると承知しており、御指摘の動物保護監視委員の設置が必要かどうかについては、幅広い観点からの検討を要するものと考える。

二の1について

 犬及びねこの飼養及び保管に関する基準(昭和五十年総理府告示第二十八号)においては、犬又は猫の所有者は終生飼養するよう努めることとし、やむを得ず犬又は猫を継続して飼養することができなくなった場合には、まず適正に飼養することのできる者に当該犬又は猫を譲渡するように努め、新たな飼養者を見いだすことができない場合においてのみ都道府県知事等に引取りを求めることとしており、この趣旨を更に周知徹底してまいりたい。

二の2について

 動物に対する虐待の意義については、法第二条では、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならないとされており、国民の社会通念をもって理解されるものと考える。

二の3について

 動物の保護又は管理については、法第四条及び犬及びねこの飼養及び保管に関する基準等に基づき、動物の所有者及び占有者に対し、動物の生理、生態、習性等を理解し、かつ、愛情を持って飼養又は保管するように指導しているところであり、この趣旨を更に周知徹底してまいりたい。

三の1について

 都道府県等において引き取った犬及び猫については、飼養を希望する者を見いだし難い場合には、科学上の利用に供することもやむを得ないものと考えるが、措置要領において、都道府県等は、できるだけ生存の機会を与えるため、飼養を希望する者を見いだすよう努めることとしているところである。

三の2について

 各大学等においては、法第十一条等、実験動物の飼養及び保管等に関する基準(昭和五十五年総理府告示第六号)及び昭和六十二年一月の学術審議会の報告を踏まえ、動物実験を実施する際に遵守すべき事項を示した動物実験指針等を定めるとともに、その適正な運用を図るため
 当該大学等の実験動物の専門家、実験者、その他当該大学長等が必要と認める者で構成する動物実験委員会の設置を進めるなど、動物愛護の観点からも適正な動物実験の実施が図られているところである。

三の3について

 実験動物の適正な使用の確保のため、効率的な利用法の確立、代替動物の開発や微生物の利用等による模擬技術及び代替実験系の確立並びにシミュレーション技術等の代替手法の開発について、長期的な視点から研究開発が必要であると認識している。
 このような観点から、動物実験代替システムの開発の重要性にかんがみ、平成三年度から科学技術振興調整費を活用し、培養細胞を用いた実験系の開発、循環器系のシミュレーターの開発等を行うこととしている。





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