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答弁本文情報

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平成四年九月四日受領
答弁第三号

  内閣衆質一二四第三号
    平成四年九月四日
内閣総理大臣 宮澤喜一

         衆議院議長 櫻内義雄 殿

衆議院議員小澤克介君提出プルトニウム輸送に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員小澤克介君提出プルトニウム輸送に関する質問に対する答弁書



一について

 平成四年秋ごろにフランスから我が国に返還される予定のプルトニウムの輸送(以下「本件プルトニウム輸送」という。)における核燃料輸送物は、BU型輸送物として運搬される予定である。

二について

 本件プルトニウム輸送に使用することができる核燃料輸送物の設計の承認は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「法」という。)第五十九条の二第三項及び第七十四条の二第一項、昭和四十二年総理府告示第三十三号第三の第八号、核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則(昭和五十三年総理府令第五十七号。以下「事業所外運搬規則」という。)第十七条の二第二項並びに平成二年科学技術庁告示第五号第三十五条に基づき、科学技術庁長官が行うこととなる。

三の1の(1)から(3)までについて

 本件プルトニウム輸送に使用することができる核燃料輸送物の設計の承認については、動力炉・核燃料開発事業団(以下「動燃」という。)理事長石渡鷹雄から提出された核燃料輸送物設計変更承認申請書を平成四年八月二十五日に受理し、現在、当該核燃料輸送物の設計が技術上の基準に適合することについて確認しているところである。

三の1の(4)及び2の(3)について

 法及びこれに基づく法令上、核燃料輸送物の設計の承認に関し、原子力安全委員会の意見を聴くこととされていない。

三の1の(5)及び2の(4)について

 本件プルトニウム輸送に使用することができる核燃料輸送物の設計の承認及びその原型となった設計の承認に関し、科学技術庁が技術的検討を行うに当たり専門技術的事項につき原子力安全技術顧問の意見を聴いた。

三の1の(6)及び2の(5)について

 昭和五十七年フランス核燃料会社(COGEMA)により、国際原子力機関(IAEA。以下「IAEA」という。)放射性物質安全輸送規則千九百八十五年版に定められた落下試験、耐火試験等が実施され、当該規則の基準に適合するとの結果が得られている。

三の1の(7)及び2の(6)について

 本件プルトニウム輸送に使用することができる核燃料輸送物の設計についての核燃料輸送物設計変更承認申請書及び核燃料輸送物設計承認申請書には、輸送容器の材料の種類等科学技術庁長官が当該核燃料輸送物の設計の承認を行うために必要な事項が記載されている。

三の2の(1)及び(2)について

 三の1の(1)から(3)までについてにおいて述べた設計の原型となった設計の承認については、動燃理事長吉田登から提出された核燃料輸送物設計承認申請書を昭和五十九年五月十五日に受理し、昭和五十九年八月十六日に承認したものである。当該設計の設計承認番号は、「J/101/B(U)F」である。

四について

 本件プルトニウム輸送に使用することが予定されている容器は、御指摘の昭和五十九年の輸送時に使用されたものと基本的に同一のものである。

五について

 本件プルトニウム輸送に使用することができる容器の承認は、科学技術庁長官が行うこととなる。

六の1の(1)について

 本件プルトニウム輸送に使用する容器の個数については、核物質防護の観点からお答えを差し控えさせていただきたい。

六の1の(2)から(6)までについて

 本件プルトニウム輸送に使用することができる容器の承認について、事業所外運搬規則第十七条の二に基づく容器承認申請書は受理していない。

七の1について

 御指摘の「通達」における核燃料輸送物設計承認英文証明願により行う「IAEAの輸送基準に適合すること」の証明は、IAEA放射性物質安全輸送規則千九百八十五年版を踏まえ実施しているものである。

七の2及び3について

 本件プルトニウム輸送について、核燃料輸送物設計承認英文証明願は受理していない。

八の1について

 御指摘の「海査第五九二号」における放射性輸送物設計承認英文証明願により行う「IAEA輸送規則に適合する旨」の証明は、IAEA放射性物質安全輸送規則千九百八十五年版を踏まえ実施しているものである。

八の2及び3について

 本件プルトニウム輸送について、放射性輸送物設計承認英文証明願は受理していない。

九の1から3までについて

 本件プルトニウム輸送について、事業所外運搬規則第十六条に基づく確認申請書は受理していない。

十の1から3までについて

 本件プルトニウム輸送について、危険物船舶運送及び貯蔵規則(昭和三十二年運輸省令第三十号。以下「危規則」という。)第九十一条の九第一項に基づく確認に係る申請は受理していない。

十一の1から4までについて

 本件プルトニウム輸送について、核燃料物質等車両運搬規則(昭和五十三年運輸省令第七十二号)第二十一条に基づく確認に係る申請は受理していない。

十二の1から4までについて

 本件プルトニウム輸送について、危規則第九十一条の十五に基づく確認に係る申請は受理していない。

十三の1について

 本件プルトニウム輸送に使用する容器は、IAEA放射性物質安全輸送規則千九百八十五年版及び関係国国内法規に適合したものを用いることとしている。
 さらに、念のために財団法人原子力安全技術センターに委託し、海洋科学技術センターの高圧実験水槽装置を利用して、容器の耐圧性に関する実証試験を実施した。その結果、水深一万メートル相当の圧力下においても容器の密封性能は健全であることが確認された。
 本実証試験は、平成四年二月二十一日から二月二十八日にかけて実施した。

十三の2について

 本実証試験は、念のために容器の耐圧性に関する実証をしたものであり、本実証試験を実施しなければならない法的根拠はない。

十三の3について

 財団法人原子力安全技術センターに委託して実施した容器の耐圧性に関する実証試験の調査報告書の内容は、次のとおりである。
 (一)目的
 容器の耐圧性に関する実証をすること。
 (二)試験方法
 海洋科学技術センターの高圧実験水槽装置を利用して、酸化鉄の粉末を入れた容器を水深一万メートル相当まで加圧し、二十分間保持した後、本装置から容器を取り出してヘリウムリーク検査を実施した。
 (三)結論
 水深一万メートル相当の圧力下においても容器の密封性能は健全であることが確認された。

十四の1から3までについて

 御指摘の「NUREG0360」は、アメリカ合衆国原子力規制委員会(NRC)がプルトニウムの航空輸送用の容器のために作成した基準であり、本件プルトニウム輸送には適用されない。

十四の4について

 原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(昭和六十三年条約第五号)第十一条に基づく両国政府の間の実施取極附属書五Bは、回収プルトニウムの国際輸送のための指針のうち海上輸送について定めたものである。
 その内容は、英国又はフランスの港から日本の港への経路の選定、輸送について実施される特定の取決めを記載する輸送計画の作成等である。





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