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答弁本文情報

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平成五年四月二十日受領
答弁第八号

  内閣衆質一二六第八号
    平成五年四月二十日
内閣総理大臣 宮澤喜一

         衆議院議長 櫻内義雄 殿

衆議院議員新村勝雄君提出義歯の診療報酬の適正評価に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員新村勝雄君提出義歯の診療報酬の適正評価に関する質問に対する答弁書



一について

 国民の歯の健康づくりについては、平成元年十二月から「八〇二〇(ハチマル・ニイマル)運動」を推進しているところであり、平成四年度からはその一層の推進を図るため、推進会議の設置、歯の健康づくりに関するイベント、実践指導者に対する講習会等を行う都道府県に対する補助を実施し、更に平成五年度からは、「八〇二〇運動」を推進している都道府県の担当者等による報告会の開催に補助を行っており、今後こうした事業を推進することにより、国民の歯の健康状況の改善に努めてまいりたい。
 なお、成人歯科健診の制度化については、現在成人歯科保健事業及び歯周疾患予防モデル事業を行い、健康診査の方法、有効性等について調査しているところであり、この結果を踏まえ、今後の対応について検討してまいりたい。

二について

 国民が健康を保持・増進し、快適な生活を営む上で、食生活が重要であること、今後、高齢化が一層進展し、義歯を必要とする人が増加することが予想されること等にかんがみ、義歯の役割についてはその重要性を認識しているところであり、これまで、保険診療において良質な義歯が製作できるよう、診療報酬上の適切な評価に努めてきたところであるが、今後とも適切に対処してまいりたい。

三について

 日本放送協会の調査については、詳細を承知していないため両者を比較することはできない。また、厚生省として調査を行うことは計画していない。

四について

 保険診療において良質な義歯が製作できるよう適切な評価が行われているものと考えており、御指摘は当たらないものと考えている。
 また、歯科医師の臨床技術の向上については、一般歯科医養成研修事業を実施しているところであり、今後ともその向上に努めてまいりたい。

五について

 平成四年四月における診療報酬の改定に当たっては、技術料重視の観点から、良質な総義歯が製作できるよう適切な評価が行われたものと考えている。
 個々の診療行為の診療報酬上の評価については、今後とも、中央社会保険医療協議会(以下「中医協」という。)の議論を踏まえ、適切に対処してまいりたい。

六について

 診療報酬の改定に当たっては、従来から、中医協の医療経済実態調査により医業経営の実態を把握し、あわせて、物価及び賃金の動向等医療を取り巻く諸状況を総合的に勘案するとともに、中医協の議論を踏まえ、全体として健全な医業経営が確保されるよう努めてきたところである。
 また、個々の診療行為の診療報酬上の評価についても、医療の実態を勘案し、中医協の議論を踏まえ、適切な評価が行われている。

七について

 総義歯の製作に必要な時間については、顎堤等口腔の状態、歯科医療従事者の経験等によって差異が生じるものであり、個々の診療において異なるものと考えている。

八について

 歯科診療報酬における個々の技術の評価については、医学的な有効性や費用の合理性等様々な要素を総合的に勘案して、中医協の議論を踏まえ、適切な評価が行われている。
 今後とも、中医協の議論を踏まえながら、技術料重視の観点から、適切に対処してまいりたい。

九について

 金属床義歯は床部分に金属を、レジン床義歯は床部分にレジンを使用するものであり、金属床義歯の製作には床部分を金属で作成する工程が必要であることから、レジン床義歯と比べて、一般的に製作時間が長くなるものと考えられるが、金属床義歯がレジン床義歯と比べ医学的な有効性が高いかどうかについては、必ずしも明確でないと考えている。
 また、保険給付の対象外である金属床義歯の料金は、医療機関と患者の間で決定されるものであり、その妥当性について判断することはできない。なお、保険給付の対象であるレジン床義歯については、診療報酬上適切な評価が行われているものと考えている。

十について

 保険給付の対象外とされている診療のうち、保険診療上の有用性が認められるものについては、中医協の議論を踏まえながら、適宜、保険導入を図っているところであり、今後とも、中医協の議論を踏まえつつ適切に対処してまいりたい。
 なお、金属床義歯については、平成三年十月の中医協の歯科小委員会において、保険診療上の有用性と審美性・快適性との関連性等についてなお慎重に検討する必要があるとの考え方が示されているところである。

十一について

 義歯については、その重要性を認識しており、保険給付から除外することは考えていない。

十二について

 民間歯科医療保険については、公的医療保険の給付の対象とならない歯科診療を受けたときに一定額を支給するものが昭和六十三年から発売されているが、その契約件数及び給付件数は、公表されておらず、承知していない。
 また、国民にとって必要な医療は公的医療保険を中心に保障されるべきものと考えているが、医療に対する国民のニーズの高度化・多様化に適切に対応するため、公的医療保険を補完し、その趣旨を損なうことがないよう配慮しつつ、民間医療保険の適切な導入及び普及が図られることが望ましいと考えている。なお、公的医療保険と民間医療保険との関係については、医療保険審議会において検討が進められることとなっており、その検討内容等も踏まえ、適切に対応してまいりたい。

十三について

 歯科医療については、従来から、医療経済実態調査の結果等を勘案しつつ、中医協の議論を踏まえ、健全な歯科医業経営が確保されるよう診療報酬改定を行ってきたところであり、義歯の製作等歯科技工に関連する技術についても適切な評価が行われているものと考えている。
今後とも、中医協の議論を踏まえ、適切に対処してまいりたい。

十四について

 高齢社会を迎え、国民に良質な義歯等を供給していく上で、歯科技工士の果たす役割は重要であると認識している。このため、高度な技術水準を有する資質の高い歯科技工士が養成されるよう、先般、歯科技工士養成所指定規則等の一部改正を行い、一学級当たりの定員、養成所の学科課程等の見直しを行ったところである。
 また、医療における種々の診療行為をどのように特掲して評価していくかについては、従来から、専門技術的な観点も含め、中医協の議論を踏まえて判断しているところである。歯科技工に係る評価については、歯科技工に関する歯冠修復等の一連の行為を一体的に評価することが適切であるとの考え方から、これを細分化せず、評価しているところであり、今後とも、中医協の議論を踏まえつつ、適切に対処してまいりたい。

十五について

 高齢化の進展、疾病構造の変化、国民の生活水準の向上、医療に対する国民のニーズの高度化・多様化等社会経済情勢の変化等を踏まえ、今後の本格的な高齢社会においても、良質な医療を効率的かつ安定的に供給できるよう、医療保険制度の改革を図る必要があり、昨年創設された医療保険審議会において、現在進められている公的医療保険の役割、保険給付の範囲・内容、給付と負担の公平等医療保険制度全般にわたる幅広い観点からの審議内容等を踏まえ、適切に対応してまいりたい。





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