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平成八年四月二十六日受領
答弁第一四号

  内閣衆質一三六第一四号
    平成八年四月二十六日
内閣総理大臣 橋本(注)太郎

         衆議院議長 土井たか子 殿

衆議院議員山本拓君提出日本の金融制度に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山本拓君提出日本の金融制度に関する質問に対する答弁書



一の@について

 金融機関の不良債権のディスクロージャーについては、これまで金融制度調査会において御審議いただき、その範囲、実施主体、実施時期等について数度にわたり具体的な提言をいただいており、大蔵省としてはこれらの提言に沿ってその拡充に努めてきたところである。
 大蔵省としては、不良債権のディスクロージャーは金融機関経営の透明性を高め、市場規律により経営の自己規正を促すものであり、不良債権の早期処理を促す上でも大きな意義を有すると考えている。また、預金者の自己責任原則の確立のための基盤としても重要であると認識している。
 大蔵省としては、できる限り早期にすべての不良債権(破綻先債権、延滞債権及び金利減免等債権)の開示が実施され、市場規律の十分な発揮と自己責任原則の徹底を基本とした透明性の高い金融システムが構築されるよう努めてまいりたいと考えている。

一のAについて

 昨年五月に取りまとめられた金融制度調査会の金融機関のディスクロージャーに関する作業部会による報告「金融機関の資産の健全性に関する情報開示範囲の拡大について」においては、金融機関のディスクロージャーは、経営の自己規正を促すという意義を有するものであり、本来各金融機関により自主的に行われるべきものであるとの考え方が示されている。
 不良債権のディスクロージャーについては、これを法的に義務付けるというのも一つの考え方であるが、むしろ、これまでの自主的開示という基本的な考え方の下で、各金融機関の積極的な取組を促し、十分な開示を行わない金融機関は市場から評価されないという意味における市場機能を活用することが適当ではないかと考えている。

一のBについて

 不良債権のディスクロージャーについての各金融機関の実施状況を見ると、既に都市銀行、長期信用銀行及び信託銀行のうち、いわゆる主要二十一行においては、昨年九月期に、平成八年三月期という当初の予定を前倒しして、すべての不良債権の開示が自主的に行われたところであり、また、地方銀行及び第二地方銀行についても、昨年九月期において、破綻先債権に加え、延滞債権や金利減免等債権を自主的に開示している例が見られる。
 昨年十二月の金融制度調査会の答申「金融システム安定化のための諸施策」においては、すべての不良債権の開示について、地方銀行及び第二地方銀行についてはできるだけ早期に、また、協同組織金融機関については原則として平成十年三月期までに、それぞれ実施が望まれるとされたところであり、大蔵省としては、各金融機関においてこの答申の趣旨を踏まえた当該開示の実施がなされることを強く期待している。
 なお、これはあくまで最低限の目安であり、より多くの金融機関が自主的に開示範囲の拡充に努めることが望ましいと考えている。
 また、ノンバンクにおける経営の健全性の確保という観点から、ノンバンク業界に対して、自主的なディスクロージャーの充実に向けて一層の努力がなされるよう促してまいりたい。

二について

 御指摘の金融機関による虚偽の報告等に対する現行の罰則規定は、金融機関の経営の健全性及び透明性の確保の必要性、いわゆる金融関係業法における罰則をはじめ刑罰法規全体における均衡等、様々な点を考慮して定められているものであり、当該罰則規定の改正の必要性の有無については、これらの諸点を十分に検討した上で判断する必要があるものと認識している。

三について

 デノミは、国民各層にわたり幅広く影響を与えるものであることから、国民の受け止め方、経済・社会環境、実施に伴う技術的困難等を総合的に判断すべき問題であり、実施する考えはない。
 他方、円の国際化は、基本的には商慣習、金利動向、為替相場観等に基づく取引者間における取引通貨の選択・決定に依存するものであるが、我が国企業等の為替リスクの管理を容易にすること等から望ましいことと考えている。このため、政府としても、従来から短期金融市場の整備・拡充等、各般の環境整備を通じて円の国際化を推進してきたところである。
 なお、デノミは通貨単位の変更にすぎず、デノミの実施と円の国際化との因果関係については一義的にいえるものではないと考えている。



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