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答弁本文情報

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平成九年二月七日受領
答弁第一号

  内閣衆質一四〇第一号
    平成九年二月七日
内閣総理大臣 橋本(注)太郎

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員西村(注)悟君提出北朝鮮工作組織による日本人誘拐拉致に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員西村(注)悟君提出北朝鮮工作組織による日本人誘拐拉致に関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねの事項については、御指摘の失踪者の安全に配慮する等の観点から、外国政府との間のやりとりの有無を含め、答弁は差し控えたい。
 なお、本件については、御指摘の報道には、その時点で接したところであり、その内容を踏まえ、今後適切に対処してまいりたい。

二について

 御指摘の失踪者については、昭和五十二年十一月十五日夕刻、新潟市内において中学校から帰宅する途中で消息を絶ち、その後、現在まで行方不明となっているものと承知している。
 本件については、捜査当局において御指摘の可能性も含めて所要の捜査を実施しており、また、関係機関において関連情報の収集に努めているところである。
 なお、御指摘の失踪者が拉致されたか否かについては、現在までのところ確認されていないと承知している。

三について

 北朝鮮に拉致された疑いのある日本人の数は、これまでに六件、九人であり、また、拉致が未遂であったと思われるものは、一件、二人であると承知しているが、その者の氏名及び失踪前の住所については、本人の安全及びプライバシーの保護の観点から、答弁は差し控えたい。

四について

 北朝鮮に拉致されたと疑われる日本人のうち、李恩恵については、平成三年五月に同人が失踪中の日本人女性である可能性が高いと判断するに至ったことを踏まえ、同月に開催された日朝国交正常化交渉の第三回本会談において照会を行った。同交渉においては、第四回本会談以降、本会談の開催のたびごとに本問題についての実務者協議(以下「実務者協議」という。)を開催し、北朝鮮に同人の消息等についての調査を強く求めたところである。これに対し、北朝鮮は、李恩恵事件は韓国の陰謀でありそのような問題はそもそも存在しない等の主張を繰り返し、平成四年十一月の第八回本会談の際の実務者協議において北朝鮮が一方的に退席したことにより、日朝国交正常化交渉が中断しているところであり、実務者協議も行われていない。
 また、御指摘の失踪者の件については、捜査当局において所要の捜査を行っているところであり、関係機関において関連情報の収集に努めているところである。

五について

 御指摘の北朝鮮に関する内容が主権の侵害にあたるか否かについては、事実関係が明らかでないため、断定することはできないが、一般論としては、外国又はその機関が我が国の領域内で公権力の行使とよばれるような行為を我が国の同意を得ずに行うことは、我が国に対する主権の侵害となると認識している。
 また、そのような場合には、主権国家として自国民保護の観点も含め所要の措置を講ずる所存である。
 なお、御指摘の亡命工作員の供述については、引き続き、捜査当局において所要の捜査を進めるとともに、関係機関において関連情報の収集に努める所存である。

六について

 御指摘の日本人の方々の消息に関する情報については、政府として、北朝鮮についての種々の情報収集の中でその収集に努めているが、情報の有無、その入手経路及びその内容については、これらの方々の安全に配慮するとの観点やプライバシーの保護の観点から、具体的に答弁することは差し控えたい。





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