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答弁本文情報

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平成九年五月九日受領
答弁第一三号

  内閣衆質一四〇第一三号
    平成九年五月九日
内閣総理大臣 橋本(注)太郎

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員家西悟君提出介護保険法案に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員家西悟君提出介護保険法案に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の痴呆性老人向けグループホーム事業については、厚生省において平成九年度に、痴呆の状態が中程度以下である痴呆性老人に対して、共同生活を営む住居において、家庭的な環境の下で介護その他の日常生活上の世話等を行う形態による処遇を行うことを内容とする痴呆対応型老人共同生活援助事業を、市町村に対する補助事業として創設したところである。この事業の実施要綱においては、従来のグループホーム事業に関する調査研究等を踏まえ、その職員配置については、五人から九人までの利用者に対して、日中については二人又は三人、夜間については常時一人以上を配置すること等を条件とするとともに、当該事業の運営に当たって特別養護老人ホームや病院等の施設による支援及びボランティア等による支援を確保することを条件としているところであり、利用者に対する適切な処遇が確保されるものと考えている。

二について

 補助金の適正な執行については、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)等の関係法令に従って行われるものであるが、介護に関する施設の整備に係る補助金については、本年三月三十一日に厚生省が取りまとめた「施設整備業務等の再点検のための調査委員会報告書」(以下「報告書」という。)において掲げた補助金交付対象施設決定方法の明確化、公共工事に準じた建設工事契約の適正化、幅広い関係者の参画による公正な社会福祉法人の運営の確保、監査・考査の現状と改善事項等の事項について都道府県知事等に対し所要の通達を発し、周知徹底を図っているところである。
 また、お尋ねの介護保険の財源については、現在政府が提出している介護保険法案(以下「法案」という。)においては、市町村が設ける特別会計に保険料等の収入及び保険給付等の支出が計上されるため、市町村の議会によってその予算及び決算に関する審査等が行われることとなるほか、法案においては、国及び都道府県が市町村に対し必要な指導を行うこととしている。
 さらに、法案においては、適正な保険給付と介護サービスの水準を確保するため、厚生大臣、都道府県知事及び保険者である市町村が、それぞれの立場から保険給付に係る居宅サービス、居宅介護支援又は施設サービスを行う事業者、施設等から報告を求めること等ができることとしており、介護保険の財源が不当に使われることのないような仕組みとしている。

三について

 法案においては、特別養護老人ホーム、老人保健施設及び療養型病床群を有する病院等の医療機関が介護保険の施設給付の対象となることが予定されているが、これらの施設については、現在、都道府県知事等が老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)、老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)及び医療法(昭和二十三年法律第二百五号)に基づき、厚生省令で定められた施設基準等に合致するものを対象に認可又は許可を行っており、これらのうち国庫補助に係る施設については、報告書を踏まえ、国における整備基準の明確化、都道府県等における国庫補助協議を行う施設の名称等の公表を行うこと等により、その選定過程の透明性を確保することとしている。
 また、法人認可の透明性については、社会福祉法人については、今般、報告書を踏まえ、都道府県知事等に対して、施設整備担当以外の部局を加えた庁内審査会を設置する等合議制による審査の実施を求めたところであり、医療法人については、医療法第四十五条第二項の規定に基づき、都道府県医療審議会の意見を聴くこととされているところである。
 さらに、法案においては、保険給付に係る介護サービスを行う指定居宅サービス事業者、指定居宅介護支援事業者又は介護保険施設について、厚生省令等で定められた基準に合致するものを対象に都道府県知事が指定又は許可を行い、指定を行った場合はその旨を公示することとしている。

四について

 法案において介護保険制度の施行を予定している平成十二年度に向け、全国の地方公共団体が作成した老人保健福祉計画を基に策定されたいわゆる「新ゴールドプラン」の確実な達成を図るとともに、介護サービスの基盤整備が遅れている地域に対し、重点的に支援を行っていくこととしている。
 また、法案及び現在政府が提出している介護保険法施行法案においては、居宅サービス等の在宅給付の必要量が供給量を上回ることが予想される市町村について、経過措置として、在宅給付の水準を国が定めた水準より低いものとすることができるとともに、国及び都道府県がこのような市町村に対して介護サービスの基盤整備を支援していくこととしており、この場合における当該市町村の保険料の水準は、当該市町村の介護保険事業に要する費用に応じたものとなるため、国が定めた在宅給付の水準に従って給付を行う市町村に比べて低いものとなる。

五について

 法案においては、要介護認定を含む保険給付に関する処分等に不服がある者は、都道府県に中立的な附属機関として設置される介護保険審査会に審査請求をすることができることとしており、この介護保険審査会の運営に要する費用は公費で賄われ、その委員は被保険者、市町村及び公益を代表するものとして、民間人も含めた幅広い人材の中から任命されることとなる。
 また、法案においては、国民健康保険団体連合会の業務として、介護サービスに係る調査並びに事業者及び施設に対する必要な指導及び助言等を追加することとしているが、これに基づいた被保険者からの苦情等を介護サービスの改善に反映させる仕組みの具体的な在り方については、介護保険制度実施までの間に検討してまいりたい。





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