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答弁本文情報

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平成九年十一月十四日受領
答弁第五号

  内閣衆質一四一第五号
    平成九年十一月十四日
内閣総理大臣 橋本(注)太郎

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員草川昭三君提出医薬品の適正使用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員草川昭三君提出医薬品の適正使用に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘のいわゆる参照価格制度は、公的な医療保障制度の給付において医薬品について償還する際に、一定の分類ごとに償還される額の上限となる参照価格を設定するものである。このような参照価格制度の各国の導入の状況については、ドイツの一般地区疾病金庫連合会研究所(Wissenschaftliches Institut der AOK)が千九百九十三年に発表した調査によると、ドイツ、オランダ及びデンマークにおいて、それぞれ千九百八十九年、千九百九十一年及び千九百九十三年に導入されており、ドイツにおいては、特許権の有効期間を経過した医薬品が対象となり、オランダにおいては、革新的な医薬品以外の医薬品が対象となり、デンマークにおいては、複数の企業により同一の成分、包装、用法及び用量で供給される医薬品のみが対象となる等、それぞれの国において対象となる医薬品の範囲、分類方法等に相違がある。
 また、参照価格制度の導入前後における薬剤費の変化については、ドイツにおいては、一般地区疾病金庫連合会(AOK)が発行した「ドイツ薬剤処方報告書(千九百九十四年版)」(Arzneiverordnungs−Report1994)によると、外来診療に係る薬剤費の対前年比増加率は、同制度の導入の前年である千九百八十八年は八・四パーセント、千九百八十九年は〇・五パーセント、千九百九十年は六・三パーセント、千九百九十一年は十・九パーセントとなっている。オランダ及びデンマークにおける参照価格制度の導入前後における薬剤費の変化については、適当な資料がないため、承知していない。
 参照価格制度の導入前後における患者負担額の変化については、いずれの国についても、適当な資料がないため、承知していない。

二について

 ドイツにおいて、医師の処方に係る医薬品のうち参照価格制度の対象となる医薬品が占める割合は、企業疾病金庫連邦連合会(Bundesverband der Betriebskrankenkasen)の調査によると、同制度が導入された千九百八十九年には約十六パーセントであったが、千九百九十六年には約五十九パーセントとなっており、千九百九十三年にドイツ連邦共和国政府がまとめた「医薬品の参照価格に関する規則の経験についての連邦政府報告」(Bericht der Bundesregierung uber die Erfahrungen mit den Regelungen uber Festbetrage fur Arzneimittel)によると、同制度の対象とならない医薬品の価格は上昇したとされている。また、参照価格制度の対象となる医薬品が六十パーセント程度である理由は、詳細には承知していないが、特許期間中の医薬品が同制度の対象となっていないことも一つの要因であると考えている。

三について

 医療機関が発行した院外処方せんの総数は統計として把握していないが、社会保険診療報酬支払基金発行の「基金年報(平成七年度版)」及び厚生省発行の「国民健康保険事業年報(平成七年度版)」における各年度の保険薬局の調剤報酬点数表における調剤基本料の算定に係る処方せんの受付回数(一定の場合、複数の処方せんを受け付けても一回と数える。以下「処方せん受付回数」という。)を合計すると、平成三年度が約一億六千四十九万回、平成四年度が約一億八千七十四万回、平成五年度が約二億二百二十四万回、平成六年度が約二億三千八百十九万回、平成七年度が約二億六千五百八十七万回である。

四について

 お尋ねについて、全国の薬局数は統計を作成していないため把握していないが、中央社会保険医療協議会が平成七年六月に示した医療経済実態調査報告によると、全国の保険薬局から抽出された六百十二の保険薬局中、一か月当たりの処方せん枚数が三百枚以上五百枚未満である保険薬局が三十四、五百枚以上千枚未満である保険薬局が百二十二、千枚以上二千枚未満である保険薬局が二百五十五、二千枚以上である保険薬局が百九十八である。

五について

 厚生省において平成八年五月分の調剤報酬明細書から抽出した五万五千五百四十件について調査したところ、処方せん受付回数が四千回以下で特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合(以下「集中率」という。)が七十パーセント以下の保険薬局、処方せん受付回数が四千回超で集中率が七十パーセント以下の保険薬局(処方せん受付回数が六百回以下で集中率が七十パーセント超のものを含む。)、処方せん受付回数が四千回以下で集中率が七十パーセント超の保険薬局(処方せん受付回数が六百回以下で集中率が七十パーセント超のものを除く。)及び処方せん受付回数が四千回超で集中率が七十パーセント超の保険薬局により行われた調剤報酬請求件数の比率は、それぞれ十二パーセント、四パーセント、六十九パーセント及び十四パーセントである。

六について

 平成八年度の国立大学医学部附属病院における処方せんの発行総数に対する院外処方せんの割合(院外処方せん発行率)は、次の表のとおりであるが、いわゆる門前薬局については、明確な定義がなく対象が特定されないため、その実情及び数は把握していない。また、国立大学医学部における医学研究の奨励及び助成、職員及び学生に対する福利厚生等を主たる目的として設立された財団法人が経営する薬局の数は二十三である。

平成八年度の国立大学医学部附属病院における処方せんの発行総数に対する院外処方せんの割合(院外処方せん発行率)


七について

 ドイツの参照価格制度における御指摘の@からJまでの薬効分類別の錠剤又はカプセルの包装種別価格(N1・N2・N3)について、同国で発行されている医薬品集である「Rote Liste 1997」から主な例を挙げると、次の表のとおりである。

薬効分類別の錠剤又はカプセルの包装種別価格


薬効分類別の錠剤又はカプセルの包装種別価格


薬効分類別の錠剤又はカプセルの包装種別価格






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