答弁本文情報
平成九年十二月十二日受領答弁第一五号
内閣衆質一四一第一五号
平成九年十二月十二日
衆議院議長 伊※(注)宗一郎 殿
衆議院議員金田誠一君提出北海道拓殖銀行に対する業務改善命令に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員金田誠一君提出北海道拓殖銀行に対する業務改善命令に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の北海道拓殖銀行に対する業務改善命令(以下「業務改善命令」という。)については、平成九年十一月十七日、大蔵省において、大蔵省銀行局銀行課長内藤純一が、株式会社北海道拓殖銀行(以下「拓銀」という。)常務取締役相川信一に、命令書を手交したところである。
業務改善命令は、拓銀という特定私人を名あて人とする不利益処分であり、名あて人以外の者へ開示することを前提として行っているものではないので、命令書の全文の提出は困難であるが、その概要についてはお示しすることができると考えている。
命令書は、A4判二ぺージによって記載できる分量のものである。
拓銀においては、受皿銀行にその業務を承継するまでの間、日本銀行法(昭和十七年法律第六十七号)第二十五条に基づく貸付けによる資金を原資に貸出し等が行われ、また、預金保険機構による資産買取り等が行われることが予定されている。このような状況にかんがみ、資産の悪化を招かないよう対応を図る必要があるとの観点から、銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二十六条第一項に基づき、拓銀に対して以下の諸点について命じたところである。
1 与信審査態勢の充実、強化を図ること。
2 不良債権の管理、回収の強化を図ること。
3 資産の悪化を招く貸出しの実行、著しく高金利の預金受入れなど資産内容の一層の悪化を招く行為は行わないこと。
4 1から3までの実施状況を大蔵省に適宜報告すること。
拓銀においては、資金繰りの行き詰まりに伴い、今後の業務継続が困難となったことを踏まえ、日本銀行法第二十五条に基づく貸付けによる資金提供を受け営業を継続することとなったが、受皿銀行にその業務を承継するまでの間、適切な業務運営を確保する必要があるため、平成九年十一月十七日、拓銀の業務に関し、以下の諸点について改善を命じたところである。
1 与信審査態勢の充実、強化を図ること。
2 不良債権の管理、回収の強化を図ること。
3 資産の悪化を招く貸出しの実行、著しく高金利の預金受入れなど資産内容の一層の悪化を招く行為は行わないこと。
拓銀から、業務改善命令を遵守するため体制面の整備を行うべく、「業務監査委員会」を設置することを平成九年十一月二十一日開催の取締役会で決定したとの報告を受けている。
拓銀からの報告によれば、「業務監査委員会」の設置の趣旨は、円滑な業務運営を行うため、及び資産内容の劣化を防止する観点から、投融資、資産処分等の業務処理案件のチェックを行うものであるとのことである。
あわせて、拓銀は、平成九年十一月二十三日開催の全営業店長会議において、業務改善命令に関して、「業務監査委員会」のチェックを経た上で、健全な融資先との取引に支障が生じないよう対応を行う等の方針を説明したと承知している。
業務改善命令において、拓銀は、命令の実施状況を大蔵省に適宜報告することとされている。
七についてにおいて述べたとおり拓銀から報告を受けている。
拓銀から報告として受領した公表文書は、別紙のとおりである。
(別 紙)
各 位
株式会社北海道拓殖銀行(頭取代行 鷲田 秀光)は、大蔵省からの業務改善命令を遵守するため体制面の整備を行うべく、「業務監査委員会」を設置することを本日開催の取締役会で決定いたしましたので、お知らせいたします。
1 設置の趣旨
円滑な業務運営を行うため、資産内容の劣化を防止する観点から、投融資および資産処分等業務処理案件のチェックを行うものです。
2 委員会メンバー
委員長 | 専務取締役 高村 健二 |
副委員長 | 常務取締役 小原 辰治 |
委員 | 弁護士 |
公認会計士 | |
与信審査室長 | |
企画部長 | |
検査部長 | |
その他特に指名するもの | |
事務局 | 与信審査室 |
オブザーバー | 審査役およびその他指名するもの |
株式会社 北海道拓殖銀行
企画部広報室長 田中 潤 (011−271−2111)
企画部東京広報室長 藤井 文世 (03−3272−6611)