答弁本文情報
平成十年六月十九日受領答弁第四五号
内閣衆質一四二第四五号
平成十年六月十九日
衆議院議長 伊※(注)宗一郎 殿
衆議院議員古堅実吉君提出嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練実施に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員古堅実吉君提出嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練実施に関する質問に対する答弁書
一の1、2及び4から7までについて
政府としては、平成十年五月三十日に嘉手納飛行場で実施されたパラシュート降下訓練(以下「本件パラシュート降下訓練」という。)に対する地元の方々の受け止め方については十分承知している。
嘉手納飛行場については、その提供に関する昭和四十七年五月十五日の日米合同委員会の合意において、使用主目的として「飛行場」と記載されている。これは、同飛行場の使用の主たる目的を定めたものであって、使用主目的が「飛行場」であることに反するのでない限り、本件パラシュート降下訓練のような訓練の実施を排除しているとは考えておらず、政府から米側に対し、御指摘のような抗議や申入れは行っていないが、政府としては、パラシュート降下訓練の在り方について、米側と協議しているところである。
本件パラシュート降下訓練の実施については、米側から事前に連絡を受けている。
なお、米側は、別段の定めのある場合を除くほか、本件パラシュート降下訓練を含め軍隊としての機能に属する個々の諸活動につき、我が国政府に通報することを義務付けられているわけではない。
読谷補助飛行場で実施されていたパラシュート降下訓練の伊江島補助飛行場への移転については、現在、政府と関係者との間で調整中であり、これまでのところ移転は実現していない。
政府としては、米軍の個々の運用につき承知しているわけではないが、例えば、伊江島補助飛行場においては、従来から、パラシュート降下訓練が実施されていると承知している。
パラシュート降下訓練は、米軍が日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)の目的を達成するため、部隊の練度の維持向上を図り、即応態勢を整えておくとの観点から行う必要な訓練の一環であると認識しており、伊江島補助飛行場への移転が実現するまでの間は、パラシュート降下訓練を行うことができる施設及び区域において米軍が同訓練を実施せざるを得ないという状況にあると考えている。政府としては、このような状況を踏まえ、SACO最終報告の着実な実施に努めていく考えである。
国際社会において引き続き不安定要因が存在する中で、沖縄に駐留する米軍は、その有する高い機動力、即応性等を通じ、在日米軍の重要な一翼を担いつつ、我が国の安全及び極東における国際の平和と安全の維持に寄与していると認識しており、現時点においてはその削減や撤退を求めることは考えていない。