答弁本文情報
平成十年七月二十八日受領答弁第七一号
内閣衆質一四二第七一号
平成十年七月二十八日
衆議院議長 伊※(注)宗一郎 殿
衆議院議員笹木竜三君提出政策評価制度に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員笹木竜三君提出政策評価制度に関する質問に対する答弁書
一及び四について
政策評価の具体的な手法や基準の設定及びその情報の公開の在り方並びに数値化するのにはなじまない分野の評価方法については、中央省庁等改革基本法(平成十年法律第百三号)第二十九条等を踏まえ、今後、中央省庁等改革推進本部を中心に総務庁を始めとした各省庁において、検討を進めていくべきものと考えている。
政策評価機能の充実強化を図るための措置を講ずるに当たっては、有識者など第三者の知見が十分に活用されることが重要であり、今後、御質問の点も含め、検討を進めていくべきものと考えている。
評価は、政府内のそれとともに、政府の外からもなされることが重要である。
会計検査院については、憲法上政府から独立した機関として、言わば政府の外からの評価を行う機関であり、独自の立場からその任務を果たされるものと考えている。
さらに、国会が行政の監視の観点から、憲法の諸規定を踏まえ活動されることは大切であり、その在り方は国会で判断されるべきものであると考えている。
政府においては、従来から公共事業の実施によって生じる効果を定量的に評価する費用対効果分析の手法の活用を図ってきたところであり、また、今年度から政府が公共事業の効率性及びその実施過程の透明性の一層の向上を図るために導入した再評価システムにおいても費用対効果分析の要因の変化に関する検討を行うこととしているところである。
費用対効果分析の具体的な計算方法等については分析手法ごとに異なるものであるが、例えば、治水事業において用いられている代替法、道路事業において用いられている消費者余剰計測法の具体的な計算方法等は次のとおりである。
代替法は、事業の効果を、評価対象である社会資本と同様の効果を有する他の市場財で代替して供給した場合に必要とされる費用又は評価対象である社会資本の整備により回避される想定被害額によって算出する手法であり、例えば、治水事業では、事業に必要な費用と、治水事業を行うことにより回避される想定被害額を比較することによって、費用対効果分析を行っているところである。
消費者余剰計測法は、事業の効果を、事業実施によって影響を受ける消費行動に関して消費者の受ける便益を推定することによって算出する手法であり、例えば、道路事業では、事業に必要な費用と、道路整備による走行時間短縮、走行経費減少及び交通事故減少という道路利用者の受ける便益を比較することによって、費用対効果分析を行っているところである。
我が国の政策評価については、今後、その機能の充実強化を図るための措置を講ずることとしており、主要先進国の評価システムとの類似点、相違点がどのようになるかについて、現段階において、提示することは困難である。