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答弁本文情報

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平成十一年一月二十二日受領
答弁第一四号

  内閣衆質一四四第一四号
    平成十一年一月二十二日
内閣総理大臣 小渕恵三

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員枝野幸男君提出海上自衛隊特務艇「ひよどり」及び後継新造艇に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員枝野幸男君提出海上自衛隊特務艇「ひよどり」及び後継新造艇に関する質問に対する答弁書



一の(一)について

 防衛庁においては、体験航海、海上における意見交換等により、国内の自衛官募集の協力者、報道関係者等の関係者に対する効果的な広報活動の実施及び我が国を訪れる外国の国防関係者との交流を行うための船として特務艇「ひよどり」を保有、運用しており、これにより、自衛隊への国民の理解の促進及び防衛交流の推進を図っているところである。

一の(二)について

 防衛庁においては、昭和三十九年度に特務艇一隻を、オリンピック東京大会の運営についての協力として海上における来賓の輸送等を実施するために改造し、その後、昭和五十二年度まで当該特務艇を一の(一)についてで述べた任務及び用途で運用した。その後、昭和五十三年度には、当該特務艇の代替更新として駆潜艇一隻を改造し、昭和六十一年度まで運用した。さらに、昭和六十二年度には、当該特務艇の代替更新として駆潜艇「ひよどり」を改造し、現在まで運用しているところである。

一の(三)について

 お尋ねの平成七年から平成十年までの特務艇「ひよどり」の使用(接遇又は広報の目的で部外者を乗船させて航海に使用した場合をいう。ただし、国外からの来賓の接遇については航海を伴わない場合も含む。)の実績については、出港の日付、出港時間、帰港時間、航海の目的、乗員数、乗船者の防衛庁側の数及び外部の者の数並びに食事又は酒類の提供の有無は、別表第一から別表第四までに示すとおりである。
 また、お尋ねの国外からの来賓のうち、接遇の主な対象者の氏名及び当時の役職は別表第五に示すとおりである。その他の者の氏名及び役職については個人に関する情報であるので答弁は差し控えたい。

一の(四)について

 特務艇「ひよどり」において、接遇又は広報の対象者に食事を提供する場合は、乗員に対して食事を支給する場合と同様に、艇内で調理しているところである。

一の(五)について

 御指摘の防衛庁の見解については、変更はない。

一の(六)について

 御指摘の防衛懇話会は、国防思想の普及高揚を図るとともに、国民と自衛隊の相互理解を深め、自衛隊の健全な発展に寄与し、もって我が国の平和と繁栄に貢献することを目的として、昭和四十年に企業及び個人を会員として設立された任意団体であり、防衛問題に関する講演会等の活動を行っているものと承知している。
 また、別表第一から別表第四までにおける「自衛隊後援団体」は、全部で五団体であるが、このうち、財団法人水交会は、旧海軍の勤務に関連して戦傷病者戦没者遺族等となった者の援護及び戦没者等の慰霊顕彰並びに海上自衛隊殉職隊員の慰霊等海上自衛隊に対する必要な協力を行うことを目的とし、旧海軍に勤務した者及びその遺族等を会員として昭和二十九年に設立された財団法人であり、旧海軍の史実及び海洋問題の研究、国内外の友好団体との交流、機関誌等の刊行、戦没者の遺族等に対する援護及び戦没者等の慰霊顕彰、海上自衛隊殉職隊員の慰霊等の活動を行っているものと承知している。その他の団体については、地元において自衛隊に関心を持つ企業又は個人等が参加して自衛隊の広報活動、隊員の再就職への協力等の後援活動を行っている任意の団体であると承知している。

一の(七)について

 特務艇「ひよどり」の常勤の乗員数は、平成十年十二月末における現員で二十八名であり、その内訳は、艇長の外船務科七名、運用科五名、機関科十一名及び補給科四名である。

一の(八)について

 お尋ねの維持費の実績については、平成七年度は、人件費約二億二千二百万円、燃料費約五百万円及び修理費約一億六千二百万円であり、平成八年度は、人件費約二億二千七百万円、燃料費約四百万円及び修理費約八千九百万円であり、平成九年度は、人件費約二億二千四百万円、燃料費約四百万円及び修理費約三千二百万円である。なお、平成八年度及び平成九年度の修理費については、当該年度に開始した修理に係る費用である。

一の(九)について

 御指摘の航海日記に相当すると思われるものとして航泊日誌がある。
 防衛庁においては、防衛庁職員以外の者から文書の閲覧の希望があった場合には、防衛庁が定める文書閲覧の申出に関する事務処理要綱(平成四年十一月十八日事務次官通達)に従って閲覧させることとしている。この場合において、閲覧の可否は、行政情報公開基準(平成三年十二月十一日情報公開問題に関する連絡会議申合せ)に照らして判断することとしている。特務艇「ひよどり」の航泊日誌の閲覧の希望については、このような手続により対応することが可能である。

一の(十)について

 外国における類似の艦艇の保有の状況については、その詳細について承知しているわけではないが、現時点で把握している限りにおいて、アメリカ合衆国、オーストラリア、タイ等の海軍において、特務艇「ひよどり」と同様に外国の国防関係者との交流等の実施に使用することを目的とした艦艇を保有しているものと承知している。

一の(十一)について

 外国の国防関係者との交流のため、特務艇「ひよどり」のような艦艇を保有するか否かは、各国の独自の判断によるものであり、このような艦艇を保有しないことが外交儀礼上の問題となるものではないと考えるが、このような艦艇を活用して外国の国防関係者との交流を推進することは、外国との間の信頼関係の増進に資するものであると考える。

二の(一)について

 現在の特務艇「ひよどり」が老朽化したため、従来から同艇において実施している国内における各種広報活動や外国の国防関係者との交流に用いる後継艇が必要となったことから、平成九年度予算においてこれらの活動に加え災害派遣時における医療支援等の任務にも活用し得る特務艇一隻の建造を行うこととしたものである。
 なお、平成八年度以降に係る防衛計画の大綱(平成七年十一月二十八日閣議決定)においては、災害救援や防衛交流の重要性を述べているところである。

二の(二)について

 平成九年度予算として総額約二十六億千八百万円を計上している。

二の(三)について

 御指摘の特務艇については、国内における各種広報活動や外国の国防関係者との交流に用いられてきている現在の特務艇の老朽化に伴う代替更新を図りつつ、災害派遣時における医療支援等の機能の確保を図るとの観点から、平成九年度予算にその建造費を計上することとしたものである。

二の(四)について

 御指摘の特務艇の建造に係る予算については、防衛庁において、平成九年度予算の概算要求に当たっての説明資料として作成した「防衛力整備(案)の概要」及び「概算要求の大要」並びに平成九年度予算案の閣議決定後においてその説明資料として作成した「防衛力整備の概要」及び「予算(案)の大要」の中に記載し、これらの資料を国会議員を始め広く配布し、説明したところである。
 なお、当該特務艇建造の予算については、平成九年二月二十一日の衆議院安全保障委員会において質疑が行われたことがある。

二の(五)について

 お尋ねの建造を請け負った会社は日立造船株式会社であり、工場は、同社神奈川工場である。
 御指摘の特務艇の建造の請負先を決定するに当たっては、請負先は近海区域に相当する範囲まで航行することが可能なアルミ合金船の建造技術及び建造設備を有するものであることが必要であるため、これらを有する日立造船株式会社、三井造船株式会社及び三菱重工業株式会社の三社による指名競争を行い、その結果、日立造船株式会社と契約を締結したものである。



別表第一 平成七年の使用実績
平成七年の使用実績


別表第二 平成八年の使用実績
平成八年の使用実績


別表第三 平成九年の使用実績
平成九年の使用実績


別表第四 平成十年の使用実績  
平成十年の使用実績


別表第五 国外からの主な接遇対象者 
国外からの主な接遇対象者




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