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平成十五年一月二十三日提出
質問第九号

金融庁監督当局の金融検査と提案融資における銀行の説明義務に関する質問主意書

提出者  山田敏雅




金融庁監督当局の金融検査と提案融資における銀行の説明義務に関する質問主意書


一 監督当局の金融検査について
 @ 監督当局の金融検査の目的が、「銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため」であるとするならば、過剰融資、不適切な資金使途に対する融資は、いずれも銀行の業務の健全性を阻害するものとなると思われるが、それらについて、監督当局は、金融検査にあたり、どのような基準をもうけチェックを行っていたのか。
 A 監督当局は、みずほ銀行(旧富士銀行)に対して、平成元年から今日まで、何回の金融検査を行っているか。その際、監督当局は旧富士銀行に対し、過剰融資、あるいは不適切な資金使途への融資につき、問題があると指摘し、あるいは適切な措置をとるよう指示したことはあるか。あるとすればその時期とその指示の内容を明らかにされたい。
 B みずほ銀行(旧富士銀行)長原支店は、武内猛馬氏(大正十二年生まれ、当時六十六歳、盆栽業)及び同氏が代表取締役の株式会社錦生園(平成元年十一月二十八日設立)に、安田生命との協調融資で、美術館建設資金として、合計四億八〇〇〇万円(旧富士銀行三億三〇〇〇万円、安田生命一億五〇〇〇万円)の融資を行っているが、プロの経営コンサルタントは、目玉となるべき展示品もない美術館が、その収益で、四億八〇〇〇万円の借入金の元利金を返済することははじめから不可能であることを指摘している。この点につき、みずほ銀行は、専門家に鑑定させるようなことは非礼であるので、武内氏の言を信用して融資を行ったと言っているが、もし、銀行が返済能力について、銀行独自の判断を放棄して融資を行うようなことがあるとすれば、銀行の業務の健全性からも重大な問題だと考えるので、金融庁としては、みずほ銀行に対し、この点を調査し、その結果を明らかにされたい。
 C 監督当局は、武内猛馬氏の本件融資に問題があることを、今日までの金融検査で見逃してきたのか。それは、金融検査の体制に問題があったからではないか。
 D 今後二度とみずほ銀行では、武内猛馬氏に対する本件融資のようなことが起こらないような管理体制が確立されているかどうか、再度調査され、その結果を明らかにされたい。
 E バブル期に、銀行は資金需要をつくり出すために、いわゆる提案融資を行っているが、提案融資は、証券取引における一任勘定と同様、金融機関の計算において取引されるため、金融取引における「自己責任原則」が貫徹されないことになると思われるが、監督官庁は、提案融資を金融機関の積極的な営業活動と評価しているのか。金融検査で、提案融資の案件が見つかっても何ら指導改善は行わないのか。
二 提案融資における銀行の説明義務について
 @ 返済リスクの説明を行っていたのでは、融資獲得が得にくくなるため、提案融資では、そのリスクの説明は行われていないのが通常である。
 ところで、みずほ銀行の佐々木毅参事役および今井和男弁護士は、昨年十二月十九日に議員会館の私の部屋で、融資契約に際し、返済できなくなった場合は、担保物件が競売されるというのは、一般常識であって、そのような返済リスクを銀行が説明する義務はないと言ったが、これは、銀行法第一条第一項の銀行の業務の公共性ならびにみずほ銀行が監督当局に提出している経営の健全化計画で掲げている基本理念の第一「お客さまお取引先に最高水準総合金融サービスを提供する」という理念にも反するのではないか。この点について監督官庁としてどのように考えるか。
 A 武内氏は、担保設定されていない物件まで、強制競売をかけられているが、この点については、今井弁護士らも、返済できなくなった場合に、担保物件以外の物件までも、強制競売で回収されることがあるという説明を行っていないことを認め、また、この強制競売についてはさすがに一般常識であるとは言わなかった。
 そうとすれば、みずほ銀行が、武内氏に、担保物件以外の物件まで強制競売で回収するということの説明は行っていないのに、強制競売にかけるというのは、みずほ銀行の説明義務違反ではないか。また、このような強制競売による回収は、武内氏の生存を脅かすものであり、監督官庁は、みずほ銀行に対し、銀行法第一条違反として、業務改善を指導すべきではないか。
三 連帯保証人に対する銀行の説明義務について
 @ 監督官庁は、旧富士銀行が用いていた包括保証書の形式には問題がないと考えているか。これらは、現在ではどのように改善されていると認識しているか。
 A 銀行が面前での保証人の意思確認を怠っていることが、多数報告されているが、みずほ銀行では、そのようなことのないような体制は確立されていると監督官庁はみているか。

 右質問する。



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