衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十六年二月二十三日提出
質問第二三号

ブロードバンド環境下におけるコンテンツ流通の促進に資する著作権制度等のあり方に関する質問主意書

提出者  島  聡




ブロードバンド環境下におけるコンテンツ流通の促進に資する著作権制度等のあり方に関する質問主意書


 政府の発表によれば、日本は世界一低廉な価格で、ブロードバンドインフラが利用できる環境が急速に整備されている。しかしながら、アメリカ合衆国などと比較して、インフラを活かした、魅力あるコンテンツが十分提供されているとは言いがたい。日本において、今後さらにブロードバンドサービスを発展させ、この分野での国際的な競争力を向上させていくためには、コンテンツとインフラのバランスの取れた発展が欠かせない。
 ブロードバンドサービスにおいて、一般国民が、映像や音声等のコンテンツをスムースに享受できるようにするには、コンテンツに係る著作権等の権利処理を迅速・簡易に行い、利用者、権利者、配信事業者全てが利益を得ることのできる仕組みの整備を推進する必要がある。
 ブロードバンドサービスを利用した放送等の著作権法上の検討状況及びコンテンツ流通促進策の現状について、政府に対し質問する。

一 ブロードバンドサービスを利用した放送のように、電気通信役務利用放送法第二条によって放送と規定されるものは、著作権法上も全て放送に該当すると理解してよいか。それとも一部は自動公衆送信に該当するか。著作権法上、どのような形態で提供されるものが放送と定義され、またどのような形態で提供されるものが自動公衆送信と規定されるのか、政府の見解をうかがいたい。
二 既にウェブキャスティングやビデオオンデマンドといった新しいサービスが登場するなど、放送と通信の融合は、今後さらに進んでいくことが予想される。現行の著作権法第二条では公衆送信を放送、有線放送、自動公衆送信と区分しているが、現行の区分では新しいサービスを適切に規律できる区分とはなっていない。今後、放送と通信の融合に対応していくためには、法律を改正する必要があると考えるが、政府の見解はいかがか。
三 本年二月六日に発表されたe−Japan戦略U加速化パッケージの中に「現在の著作権制度では放送とインターネット配信の位置付けが異なっているが、これについて、コンテンツ利用におけるインターネットの重要性の増大に応じた見直しを検討する。」との文言が盛り込まれている。一及び二に例示したような分野におけるコンテンツ流通の環境整備が念頭にあるものと思われるが、具体的にどのような検討をされるお考えか。またこの分野において、政府が主体的に関与し、ルール整備をする余地はあるか。
四 コンテンツの流通促進のためには、流通事業者と製作事業者の間の公正な取引環境を整備し、製作者に利潤が確実に還元される仕組みを作ることが不可欠である。現状において、放送事業者、コンテンツ製作事業者、権利者等と協力し、市場機能を備えた権利処理システムの開発を進めていると聞くが、各関係者の任意による対応だけでは、大手事業者や団体に有利になるなどの弊害があると考える。簡易な手続により迅速な処理が行える紛争処理機関を設置するなど、公平性を担保する制度を整備する必要があると考えるが、政府の考えはいかがか。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.