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平成十八年九月二十八日提出
質問第一五号

電子アーカイブ構築事業に対する政府の取組状況等に関する質問主意書

提出者  川内博史




電子アーカイブ構築事業に対する政府の取組状況等に関する質問主意書


 昨年十月二十七日提出の「国立国会図書館近代デジタルライブラリー等のアーカイブ事業に関する質問主意書」(衆質一六三第三四号)以降の政府による電子アーカイブ構築事業に対する取組状況や、本年六月八日に決定された「知的財産推進計画2006」(以下「推進計画」という。)において示された方針について質問する。

一 本年八月十八日付の日本経済新聞において報じられている政府の「文化的・歴史的に価値の高い伝統芸能の演奏や歌謡曲といった『音楽・音声コンテンツ(情報の内容)』を電子化して保存する民間の取り組みを支援する方針」について質問する。
 1) 当該方針について、まず政府に事実確認を求めるとともに、現時点で具体的に決定している事業は存在するのか。答弁を求める。
 2) レコード盤等の録音物については国立国会図書館東京本館音楽・映像資料室にも相当数が収集・保管されており、これらを権利上の課題を処理したうえで近代デジタルライブラリーにおいて配信する等の方法も可能であると思われるが、この点についての政府の見解を問う。また、国立国会図書館において当該事業を進めることが決定した場合、政府としてこれを積極的に支援する意志は有るのか。答弁を求める。
二 昨年十一月四日の政府答弁書(内閣衆質一六三第三四号)の五における答弁は政府、特に文化庁はこれらの民間によるアーカイブ事業は支援に値しないと考えていることを意味するのか。答弁を求める。そうであれば、その理由は何か。答弁を求める。
三 文化審議会における電子アーカイブ構築の議論状況及び今後の方針について質問する。
 1) 文化審議会総会又は部会・分科会において、過去に電子アーカイブ構築に関する議論を行ったことは有るか。答弁を求める。あったとすれば、それはどのような内容のものか、答弁を求める。
 2) 近年、諸外国においても電子アーカイブ構築が国家・地域における重要な文化政策の一つに挙げられている実情に鑑み、文化審議会においても政府・民間のいずれかを問わず電子アーカイブ構築を専門に議論する部会又は分科会を設置すべきではないか。答弁を求める。文化審議会事務局(以下「事務局」という。)がその必要性を認めない場合は、部会又は分科会を設置すべきでないと考える理由について、政府の詳細な説明と見解を求める。
 3) 電子アーカイブ構築に際して著作権を始めとする権利処理は重要な課題であり、特にアメリカ合衆国やオーストラリアでは著作権の強化に伴い民間のアーカイブ事業が阻害される実例も報告されているところであるが、今後は文化審議会著作権分科会において民間のアーカイブ事業関係者を利害関係人として委員に任用し、分科会としての意志決定への関与を求めるべきではないか。答弁を求める。事務局がその必要性を認めない場合は、当該関係者を委員に任用すべきでないと考える理由について、政府の詳細な説明と見解を求める。
四 本年度の推進計画において示された項目及び政府の方針、施策について質問する。
 1) 本年度の推進計画では、前年度までは断片的にしか言及されて来なかったアーカイブ構築の方針に関連して第4章T−1.(4)に独立した項目が新設されたが、施設名としてNHKアーカイブス、放送番組センター及び東京国立近代美術館フィルムセンターを挙げ、その他の分野では「漫画やアニメ関係資料、写真の収集保存について、地域・民間等での取組に協力する」とされているが、出版物や定期刊行物、録音資料に関しては我が国で最大の公的アーカイブ機関である国立国会図書館について言及されていない理由は何か。答弁を求める。来年度の推進計画改訂に際しては、政府として国立国会図書館が保有する膨大なアーカイブの活用に向けた連携の方向性を明示すべきだと思うが、この点について政府の見解を求める。
 2) 推進計画第4章T−2.(2)A(以下「当該項目」という。)では「利用条件を明確化したマークを作品に付す取組を奨励することなどを通して、自分の作品を積極的に利用してもらいたいと考えるクリエーターを支援し、他人の作品や保護期間の満了した作品を活用した創作活動を促す」との項目が新設され、重点計画にも挙げられているところであるが、本項に基づき文部科学省及び経済産業省が具体的に実施又は予定している施策は、現時点で存在するのか。答弁を求める。
 3) 政府は将来、創作活動を行う可能性を有する者を含む多数の一般国民が利用可能な電子アーカイブ構築は当該項目の達成に資するものであると考えているのか。答弁を求める。また、三 3)で挙げた諸外国の事例に見られるように、著作権の強化が優先された場合に電子アーカイブ構築が阻害され、当該項目の達成が危ぶまれる状況が発生し得ることに対し、重要な問題であると認識しているのか。明確な答弁を求める。

 右質問する。



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