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平成十八年十二月十五日提出
質問第二六四号

二〇〇六年十二月十三日の衆議院外務委員会における外務大臣の北方領土問題についての答弁に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




二〇〇六年十二月十三日の衆議院外務委員会における外務大臣の北方領土問題についての答弁に関する質問主意書


一 二〇〇六年十二月十三日の衆議院外務委員会における外務大臣の北方領土問題に関する発言は外務省の見解を反映したものか。
二 同委員会において、衆議院議員前原誠司君の
 「きょうは、中間選挙の後のアメリカの外交政策の変化、転換というものを、イラクそれからトランスフォーメーションを中心に議論させていただきたいというふうに思いますが、その前に、時間があったらまたロシアに戻りますが、ロシアの話を少しさせていただきたいというふうに思います。
 ある新聞に、これは時評なんですが、安倍内閣発足直後の会見で、麻生外務大臣が、二島ではこっちがだめ、四島では向こうがだめ、間をとって三島返還というのは一つのアイデアとして考えられる、こういうお話をされたということであります。
 これを直ちに私は批判をするつもりはありません。交渉事でありますので、どのぐらいの時間をかけるのか。ことしが日ソ共同宣言五十周年ということでございまして、スペインなんかは二百何年かけて領土問題を解決したという例もありますので、拙速にやって損したということ、タイムスパンをどれだけとるかということは大変重要な問題だというふうに思いますけれども、交渉事には、私はそれはアローアンスがあっていいと思うんです。
 ただ、一つ私が気になりましたのは、例えば二島先行返還のときもそうだったのでありますが、果たして、そういう議論をされている方々というのは、島の大きさというものをちゃんとわかっておられるのかということなんですね。四島あって、半分は二島じゃないんです。
 御存知であればお答えをいただきたいと思いますけれども、歯舞、色丹が四島のうち何%で、では三島、国後まで入れたら何%か、大臣、御存知ですか。御存知なければいいですよ。私、お答えしますから。」
との質疑に対して、麻生太郎外務大臣が、
 「御指摘は正しいと思いますが、半分にしようじゃないかといいますと、択捉島の二十五%を残り三島にくっつけますと、ちょうど五十、五十ぐらいの比率になります。大体、アバウトそれぐらいの比率だと存じます。」
と応答したと承知しているが、前原誠司君のこの質疑の内容について、外務省は事前に質問通告を受けたか。
三 二について質問通告を受けたとするならば、外務省は答弁用資料を作成したか。答弁用資料にはどのような内容が記載されていたか。
四 二の衆議院外務委員会において、前原誠司君の
 「二島が七%、歯舞、色丹で七%、国後を入れて三島で三十六%。ですから、おっしゃるように十四%だから、択捉というのは六十四%あるわけでして、すごく大きいんです。ですから、今まさに外務大臣がおっしゃったように、半々にしたとしても、択捉はある程度は入れなきゃいけないということで、そこは、三島という言い方をしてしまうと、自民党の議員さんで、モスクワで三島でいいんだなんておっしゃった方が、議長の息子さんでおられるようでありますけれども、これは私はよくない話だと思うんですね。
 繰り返し申し上げますけれども、交渉事ですから、いろいろなアローアンスがあっていい。しかし、では、中国とロシアが国境線の画定をしたときに、お互い半々にしたんですよ、中ロは。だからそれに倣えということではありません。原則は四島でありますけれども、この問題を本当に解決するんだという意識があれば、今のことも含めて、三島と言い切ってはだめ。つまりは、仮に半分にまけたとしても、私はまけるつもりはありませんが、まけたとしても四島は入るんだというところの認識を持ってこの話はしておかなくてはいけないということであります。
 その点、交渉されるのは外務大臣、当事者ですから、もう時間も三十分しかありませんので、公式見解はわかっています、それは当然あるとして、しかし、御自身の言葉で、では、臨むに当たって、今の私の指摘も含めてどういうふうに考えておられるのか、本音で答弁をいただきたいと思います。」
との質疑に対して、麻生太郎外務大臣が、
 「御指摘のありましたとおりだと存じますが、基本的には、いわゆるこの話をこのままずっと二島だ、四島だ、ゼロだ、一だというので引っ張ったまま、かれこれ六十年来たわけですが、こういった状況をこのまま放置していくというのが双方にとっていいかといえば、これは何らかの形で解決する方法を考えるべきではないか。これはプライオリティーの一番です。
 二番目は、そのときには双方が納得するような話でないといかぬのであって、今言われましたように、二島だ、三島だ、四島だという話になると、これはこっちが勝って、こっちが負けだという話みたいになって、双方ともなかなか合意が得られないといって、ダマンスキー、ダマンスキーというのは例の中国とロシアの間の島のことですが、あのダマンスキーのときも、いわゆるあれで話をつけたという例もあります。確かに領土の話というのは、先ほどスペイン等の話も出されましたし、ほかにも、世の中いろいろ、世界じゅうありますので、そういうような国は、金で話をつけた例えばアラスカの例もあれば、またニューオーリンズの例もあれば、いろいろ例はいっぱいあります。
 そういった例を引くにつけましても、この種の話をするときに、今言われたように、島の面積も考えないで二島だ、四島だ、三島だというような話の方が、私も全くそうだと思います。
 したがって、半分だった場合というのを頭に入れておりましたので、択捉島の西半分というか、南のところはもらって初めてそれで半分よという話になるんだと存じます。幸いにして、右というか東方、北東の方に人口は集中しておりますので、そこらのところの人口比が圧倒的に多いというのも事実なんですが、いろいろな意味でこれは交渉事ですから、今いろいろ交渉していくに当たって、現実問題を踏まえた上で双方どうするかというところは、十分に腹に含んだ上で交渉に当たらねばならぬと思っております。」
と答弁したと承知するが、この答弁は外務省の公式見解に則ったものか。
五 四で麻生太郎外務大臣が言及したダマンスキー島の面積を明らかにし、過去に中ソ間でどのような紛争があり、どの程度の死者が発生し、その後、どのような交渉経緯で問題が解決したかについて、事実関係を明らかにするとともに、中露国境画定の経緯が北方領土問題の解決に資するとの認識を持っているかについて外務省の見解を明らかにされたい。本項については、調査のために時間がかかるということであれば、答弁延期に応じる用意があるので、実証的かつ誠実な答弁を求める。
六 二の衆議院外務委員会において、前原誠司君の
 「島の話だけしても、そういうことを言うと怒られる団体の方がおられるかもしれませんが、私は、まさに今大臣がおっしゃったところで一つ大事なことは、ロシアとの関係をどう考えていくのかというところで、こののどに刺さった魚の骨の問題、領土問題、入り口の問題といってもいいと思いますけれども、この問題をどう扱うかということをロシアとの関係の中でどうとらえていくかということが極めて大事です。
 今大臣がお答えをされたように、ロシアとはかなり、後で時間があれば資源の問題等もさせていただきたいと思いますけれども、私は、周辺環境も含めて、日ロ関係というのは相当てこ入れをしなければいけない時期だと思っておりまして、そういう意味においては、もちろん、島の問題プラス、あるいはさまざまな協力関係というものもプラスして、この辺で政治がリーダーシップをとって、そろそろこののどに刺さった魚の骨というものを取る時期、また、それが政治のリーダーシップとしてやる時期、そしてまた、プーチン大統領というのはそういう求心力のある大統領だというふうに思っております。
 こういう席で不謹慎かもしれませんが、エリツィンのときは惜しかったですよね。川奈に来たときに、もうちょっとウオツカを飲ませて、そして判をつかせればよかったなとこれは本気になって思ったことはありましたけれども、これができなかったわけで、今の相手はやはりプーチンでありまして、そして、先ほど申し上げたように、ロシアとの関係というものをこれからどう見ていくかということを考えたときには、私はこの問題を打開する時期に来ているというふうに思っておりまして、そういう意味でのリーダーシップを期待したいと思いますが、そのことも含めて御答弁をいただければと思います。」
との質疑に対して、麻生太郎外務大臣が、
 「前原先生言われるように、いい時期に来ているというのは、私もそう思います。少なくとも、これはいわゆる事務レベルで話がつく話とは思いません。これは政治決着以外に方法はないと思っております。
 ロシア側のプーチンという人は、これはどう考えても、かなりの力、圧倒的な力と言ってもいいぐらいのものを今ロシアの中で持った、私ども外から見ていてそう思っております。したがって、この人のいる間に話の決着を試みるべき。少なくとも、過去、小泉内閣のときに多分六、七回、小泉・プーチン会談というのがあったんですが、この問題に関しては、この人はかなり詳しく熟知している人ですし、私も一、二度同席したことがありますけれども、四島に関する知識、領土問題に関する知識はかなり深い、これまでの問題もばっと全部言えるぐらい詳しい。その上で、解決しようという意欲があることは確かです。したがって、何らかの形で解決する方法の時期としてはいい時期に来ているのではないかという御指摘は、私もそのように思います。
 したがって、ラブロフ外務大臣との間でも、この問題については、少なくともいきなり大将同士ではいというような話じゃないんだから、もうちょっと高級事務レベルも、課長じゃなくてもっと次官とか大臣とかいうレベルに上げてこの話をしないと、いわゆる両方でこれまでのずっと長い間の歴史を言い合ったってこれはもう話にならぬからという話をして、少しその種の感触を得つつあるとは思っておりますけれども、少なくとも向こうも解決をせねばならぬかなという意識になってきていることは確かです。
 残念なことは、残念と言ってはいかがなものかと思いますが、今まではちょっと貧しかったものですから、これは、そこに全然行政、インフラができなかったのが、このところ石油で大分潤ったものですから、いろいろ警戒艇のレベルが上がりましたり、いわゆる海上警護艇の船のレベルが上がったり、いろいろインフラが少しよくなってきていますので、少し雰囲気的には、東の人たちの、あの辺にいた人の雰囲気がちょっとまた戻ったかなという感じがしないでもありません。
 いずれにいたしましても、プーチン自身にこの問題は解決したい、せねばならぬという意欲というものは、私自身もそう思いますので、時期としてはいい時期になりつつあるのではないかという御指摘は正しいと存じます。」
との答弁をしたと承知するが、この答弁は外務省の公式見解に則ったものか。

 右質問する。



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