衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十九年十月二十六日提出
質問第一五九号

北方領土返還に向けての政府の考えの変遷に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




北方領土返還に向けての政府の考えの変遷に関する質問主意書


 二〇〇七年十月二十六日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一六八第一三二号、以下「政府答弁書一」という。)及び同年同月二日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一六八第二九号、以下、「政府答弁書二」という。)を踏まえ、以下、質問する。

一 「政府答弁書一」では、北方領土返還交渉に際して、一九九一年以降ロシア側が示してきた姿勢を踏まえて我が国が北方領土返還交渉に対して柔軟な姿勢をとるようになった以前に、我が国はロシア側に対してどのような姿勢で臨み、どのような対応をとっていたのか説明を求めたところ、「お尋ねについては、従来、我が国政府は、ソヴィエト社会主義共和国連邦とのあらゆる対話の機会をとらえて、北方領土問題を解決して平和条約を締結するとの我が国の立場を粘り強く主張してきたところである」との答弁がなされているが、右答弁では、具体的に一九九一年以降我が国が柔軟な姿勢をとる以前はどのような対応をとっていたのかに対する説明になっていない。一九九一年以降は、我が国が「北方四島の我が国への帰属が確認されれば、実際の返還の時期、様態及び条件については柔軟に対応する」というスタンスでロシア側と北方領土返還交渉に臨むということは、それ以前は明らかにより強硬な対応をとっていたものと思料されるところ、再度明確な説明を求める。
二 「政府答弁書一」では、「我が国固有の領土である北方四島の帰属の問題を解決してロシア連邦との間で平和条約を締結するという基本的方針を堅持しつつ、北方四島の我が国への帰属が確認されれば、実際の返還の時期、様態及び条件については柔軟に対応する」と「択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島を一括して我が国に返還する」との考え方の意味の違いについて、「前者の考え方は、後者の考え方よりもより柔軟な対応を示したものであると考えている。」との答弁がなされ、両者の意味が同じものではないと政府は認めている。ということは、「われらの北方領土」で、二〇〇四年版まで掲載されていた「北方四島の一括返還を実現して平和条約を締結するという政府の不動の姿勢と不退転の決意」との記述が、二〇〇五年版以降「北方四島の帰属に関する問題を解決して平和条約を早期に締結するという政府の不動の姿勢と不退転の決意」と変更になったこと(以下、「記述の変更」という。)は、やはり北方領土返還交渉に対する我が国の立場の変更を示すものであることに他ならず、「政府答弁書二」における「お尋ねの『われらの北方領土』二〇〇五年版における記述の変更は、我が国固有の領土である北方四島の帰属の問題を解決してロシア連邦との間で平和条約を締結するという基本的方針を堅持しつつ、北方四島の我が国への帰属が確認されれば、実際の返還の時期、様態及び条件については柔軟に対応するという北方領土問題に関する政府の考えをより適切に反映するとの観点から行ったものであり、北方領土問題に関する政府の立場の変更を示すものではない。」との政府の答弁は真実でないと考えるが、政府の説明を求める。
三 二を敷衍すると、二〇〇七年九月十八日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一六八第五号)で触れている、同年八月三十日付と同年九月八日付の新聞で報道された町村信孝外務大臣(当時)の「四島一括返還が我々の年来の主張だ」との発言は、やはり「政府答弁書一」でいう、「より柔軟な対応」を示した政府の方針を正しく理解していない上での発言であり、ロシア側に対して間違ったメッセージ、シグナルを与えるものであったと考えるが、政府の見解如何。
四 「政府答弁書一」では、一九九一年以降、北方領土返還交渉に際して政府が柔軟な対応をとることとしている一方で、なぜ「記述の変更」が「われらの北方領土」二〇〇五年版から行われたのかとの質問に対し、「二〇〇一年版までの『われらの北方領土』におけるお尋ねの箇所の記述は、千九百八十八年以前に行われた我が国内閣総理大臣及び外務大臣による北方領土の現地視察について述べたものであったが、二〇〇二年版より、二千一年以降に行われた現地視察についても随時加筆してきたことを踏まえ」、「記述の変更」を二〇〇五年版以降行ったとの答弁がなされている。二〇〇二年版以降、二〇〇一年以降に行われた現地視察についても随時加筆してきたのなら、「記述の変更」を二〇〇二年版から行うのが当然の流れではないのか。それなのに二〇〇五年版以降「記述の変更」が行われたのはなぜか説明を求める。
五 四の政府の答弁は全く説得力を欠くものであり、「記述の変更」が二〇〇五年版以降に見られるのはやはり外務省の怠慢ではないのか。それとも、政府が内閣衆質一六六第三七七号、四一二号、四六九号の政府答弁書で、在ロシア日本国大使館のHPの掲載が遅れた理由を「たまたまである」旨答えているのと同様に、「記述の変更」が二〇〇五年版以降に行われたのも「たまたま」であるのか。明快な答弁を求める。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.