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平成二十年五月二十日提出
質問第四〇四号

知床における世界自然遺産区域を北方領土まで拡張させる構想に対する政府の見解に関する第三回質問主意書

提出者  鈴木宗男




知床における世界自然遺産区域を北方領土まで拡張させる構想に対する政府の見解に関する第三回質問主意書


 「前回答弁書」(内閣衆質一六九第三二五号)を踏まえ、再度質問する。

一 北方四島は我が国の固有の領土であるが、例えば二〇〇六年八月に第三十一吉進丸の乗組員が、更に二〇〇七年十二月には第三十一吉定丸、第三十八翼丸、第三十八祐幸丸、第三十一豊佑丸の乗組員がロシア側に拿捕され、それぞれの船体が未だ返還されていない様に、政府、特に外務省が好むと好まざるとに関わらず、北方四島はロシアによって実効的な支配を受けているのが現実であると考えるが、政府、特に外務省はかかる現実を認めるか。前回質問主意書でも同様の質問をしたが、「前回答弁書」では何ら明確な答弁がなされていないところ、再度質問する。
二 平成十年二月に日ロ間で締結された北方四島周辺水域における日本漁船の操業枠組みに関する協定、いわゆる安全操業協定(以下、「安全操業協定」という。)について説明されたい。「安全操業協定」は、日ロ間の係争地域である北方四島の周辺海域において、両国の主権をいわば棚上げにする形で、北海道と北方四島の中間線を「国境」と見なし、日ロの漁民が安全に漁業に従事できる様取り決めたものであると承知するが、右の認識に間違いはないか。
三 二〇〇五年七月に世界自然遺産に登録された知床に関し、知床と同様の生態系に属している北方領土までの世界遺産の区域の拡張について、日ロが共同して申請することをロシアに働きかけてはどうか、また、知床の遺産区域の北方領土までの拡張が実現した際には、日ロ両国共同で北方領土の環境保全を行い、日ロ相互の信頼関係を構築していけば、我が国の国益に資する形での北方領土問題の解決に向けた一つの新しい手がかりになるのではないかとこれまでの質問主意書で問うてきているが、「前回答弁書」でも「我が国固有の領土である北方四島は、現在、ロシア連邦によって不法占拠されている。外務省としては、かかる現状において、我が国が、ロシア連邦と共同で北方四島を含む地域を世界遺産として推薦することは、あたかもロシア連邦による北方四島の不法占拠を我が国が認めたかのごとき行為であること等から、北方領土問題に関する我が国の立場とは相容れず、適当ではないと考えている。」と、我が国として望ましくないとの答弁がなされている。しかし、北方四島がロシアに実効支配されている現実を鑑みる時、知床の世界遺産をうまく活用し、その遺産区域を北方四島にまで拡大し、日ロ両国共同でその環境保全を図っていくことは、決して北方四島の我が国への返還を諦めるということではなく、一時的にロシアの管轄権を認めることにはなっても、少なくともロシアの実効支配に我が国が食い込んでいくという点で有効であり、一向に前進の気配を見せない北方領土問題の解決に向けて、一筋の光明となり得るものと考える。また、「安全操業協定」の様に、日ロ間の主権問題を一時棚上げし、双方の交流を図ることが、海ではできて陸ではできないというのは理屈に合わないと考えるところ、知床の世界遺産区域の北方四島までの拡大を日ロが一緒に申請し、その後北方四島の環境保全を日ロ両国で共同して行っていくことをロシア側に提案すべきであると考えるが、政府、特に外務省の見解如何。

 右質問する。



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