答弁本文情報
平成二十年五月三十日受領答弁第四〇四号
内閣衆質一六九第四〇四号
平成二十年五月三十日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員鈴木宗男君提出知床における世界自然遺産区域を北方領土まで拡張させる構想に対する政府の見解に関する第三回質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員鈴木宗男君提出知床における世界自然遺産区域を北方領土まで拡張させる構想に対する政府の見解に関する第三回質問に対する答弁書
一について
先の答弁書(平成二十年五月十三日内閣衆質一六九第三二五号)二から四までについてでお答えしたとおり、我が国固有の領土である北方四島は、現在、ロシア連邦によって不法占拠されている。
平成十年二月二十一日に署名された「日本国政府とロシア連邦政府との間の海洋生物資源についての操業の分野における協力の若干の事項に関する協定」では、「この協定、この協定に従って行われる活動及びこの協定の実施のための措置並びにこれらに関連するいかなる活動及び措置も、相互の関係における諸問題についてのいずれの政府の立場及び見解をも害するものとみなしてはならない。」と規定されている。同協定は、北方領土問題に関する我が国の立場を損なわないことを前提として、同協定に規定する水域における我が国漁船による商業的基礎に基づく暫定的な性格を有する操業等の態様を定めている。
先の答弁書(平成二十年五月十三日内閣衆質一六九第三二五号)二から四までについてでお答えしたとおり、外務省としては、我が国固有の領土である北方四島がロシア連邦によって不法占拠されている現状において、我が国が、ロシア連邦と共同で北方四島を含む地域を世界遺産として推薦することは、北方領土問題に関する我が国の立場とは相容れず、適当ではないと考えている。
なお、先の答弁書(平成二十年四月一日内閣衆質一六九第二二〇号)二から四までについてでお答えしたとおり、北方四島を含む日露の隣接地域における生態系の保全及びその持続可能な利用に関する協力については、現在、ロシア連邦との間で、北方領土問題に関する我が国の立場を損なわない形でこれを進めるべく調整しているところである。